終末期医療の臨床における狭い意味での医療倫理問題だけでなく、死の教育や医療者教育、日本人のスピリチュアリティなど、今後のあるべき終末期医療を考える上で重要な人間の死や死生観をめぐる文化・社会的課題についても広く考察し、終末期医療をめぐる既存の概念や理論を批判的に問い直す。
知的財産、イノベーション、ならびにそれらの交錯する領域において、今後重要性が高まる研究課題を展望。特許制度の課題とその分析手法、知財の創出あるいは活用の段階におけるマネジメント、産学連携、特定技術分野のイノベーション、ならびに知財をめぐる新たな課題をテーマとした、14の論文を収録。
多様性を基盤としたもう一つの場。その地平に共生を原点とする教育の営為は成り立つか。オルタナティブ教育の原風景を探す。問われ続ける世界13カ国のガバナンス。
ヨーロッパ近代教育思想の根源でもある人間の「完全性」。初期キリスト教思想に由来するこの概念には、神との交わりや他者とのつながりなど、人間が生きるための力動の「存在」があった。カルヴァン派による外在的規範の内面化、フランス啓蒙思想によって生じた利己心、そして近代合理主義ーその後ヨーロッパを覆った時代のうねりの中、現代にまで継承されている「完全性」概念の系譜およびその近代教育思想とのかかわりを眺望した一冊。
性に関する用語を解説した事典。署名入り。性科学、性教育、ヒューマン・セクシャリティなどの分野から500項目を収録する。財団法人日本性教育協会の機関誌『現代性教育研究月報』の1989年9月号〜91年10月号に連載された「用語解説」をもとに、さらに200項目を追加した。排列は項目名の五十音順。巻末に事項索引がある。
宗教の影響がますます深まっている21世紀の発展途上世界開発に、「宗教」は、何をなし得るのか?紛争、平和構築、貧困、環境、保健、教育等、途上国が抱える諸問題についての豊富な事例研究に基づき、「宗教と開発」の全体像を理論的、包括的に論じた画期的な「国際開発研究」必携テキスト。
イノベーションへの知識創造を包括的データで分析し、発明の真の姿に迫る。
ヤスパースは精神病理学者、実存哲学者として知られているが、彼の哲学をどのように解釈すれば教育哲学として捉えることができるのか、また、教育学説史のうえで、どのような位置づけがなされるのだろうか。本書は、実存的教育哲学の可能性はボルノーのヤスパース解釈にではなく、ヤスパース哲学そのものの研究に還る必要があるとの問題意識から出発し、4部構成において、まずボルノーの教育思想の特徴と限界を考察し、つぎにヤスパースの教育哲学について省察を加え、ボルノーを越える実存的教育哲学の根源性がヤスパース哲学に内包されていることを明らかにする。そして同時に、ヤスパース教育哲学のなかに新たな教育目的論の再構築の可能性を探り、今日の教育現実に対して彼の教育哲学から学びうるものは何かを探求していく。
アメリカと日本の地方財政における最大の違いは、地方交付税、つまり財政調整制度の有無にある。日本と違いアメリカは財政調整制度をもたず、日本の地方財政の対極にあるといわれる。しかし、日本の地方財政も分権一括法や最近の「小泉改革」以降、大転換しつつあり、まさにアメリカ的な地方財政の方向へむかっていると言える。本書では、アメリカの地方財政分析を通して、こうした方向の行く末を考察する。