マルチメディア社会への期待とは何か?それは、文字や映像や音声の情報を多様なかたちで交流させ、生み出された情報を大量に蓄積し、一人ひとりの必要に応じて活用できる高度なコミュニケーション社会が誕生するのではないかという期待感である。これに反して、増大する不安も、多くの人々によって語られている。マルチメディアといっても、所詮は「人間のコミュニケーションの道具」であるに過ぎない。そうである以上は、「高度の知識や所得を持って、この道具に接近し、道具を使いこなす人々」と「知識や所得が貧弱で、この道具に接近する機会も資金もなく、道具を使いこなせない人々」との格差があらゆる生活や仕事のなかに進入してくるのではないか、という不安である。これらの期待と不安の交錯を目の前にして、本書は、期待が現実のものとなって、不安をできるだけ小さくするための社会的な条件、とくに、経済制度と法制度のありかたを事実と経験を踏まえて検討しようとした。本書で採り上げるのは、いわば、「足下からの政治と経済」から見たマルチメディア社会の展望である。ここでのキーワードは「ネットワーキング」による「もうひとつの社会の可能性」であるとも言えるであろう。本書の通読によって、読者は、この可能性を、マルチメディアによる個性と創造性を支援する自立支援システムの追求の問題として考えるきっかけを獲得される。そして、情報スーパーハイウエイのありかた、文化と経済の関係、空洞化に直面する産業の未来、国際化による生活や企業の変化、地域社会の発展と分権化の波、ノウハウを創造し継承する大学の機能の発展、そして、教育における自立支援ネットワークのありかたなど、これらを総合的に理解し、検討されるに違いない。それによって、不安を解消し、期待を拡大する方向性もまた見えてくると考えられる。
今、子どものために親と先生に考えてほしいこと。社会心理学者からの提言。
本書は、学校教育・生涯教育に関して、第一線で活躍している実践家・研究者の手によるものである。発想は多様であり、用語等の統一もあえて図っていないが、読者は本書に示されている様々な「考えるヒント」を手がかりに、「問題」の解決に向けて探求を深めてほしいと思う。
最近の栄養学、食品学、消化吸収機構や代謝学の進歩をふまえた新しい栄養食事指導を糖尿病の予防と治療に応用した、実際に役立つ新しい参考書。
大学の制度的枠組みと大学を取り巻く情勢、状況をめぐる論評、あるいは大学を歴史的存在としてとらえ、それを批判的に検証する報告、さらに現状の大学の問題性を告発する内容等々によって形成されたシリーズの最新刊。
この本には小児の発達障害、とりわけ今日的でホットな議論の多い自閉症や学習障害を中心に、言語聴覚士の視点で編集を行いました。しかしながら、結果的には当初の編集方針よりもかなり幅広い内容の本となっています。
本書には、子どもが北斗星のように輝く存在であって欲しいとの願いから、学校教育の全体計画を「北斗プラン」として示し、教職員が一体となって、子ども一人一人が自分の持つ資質や能力を存分の発揮しながら自ら学び自己表現できる指導の在り方を模索し続けた歩みが多くの実践例をもとに記述してあります。
日本の経済学界をリードする5本の論文を掲載するとともに、「研究と評価」「少子化」を扱ったパネル・ディスカッションを収録。日本経済学会唯一の日本語版機関誌。
本書は、旧版の「人間性と教育」を時代の変化と教育をめぐる新しい状況に対応して大幅に改訂したものです。時代の状況をみつめながら、あたらめて「人間であること」の意味を問い返し、善の価値をめざす人間性の育成に焦点をおいて教育の在り方を本質、発達、目的・理念、内容(教育課程)、方法、組織(学校)といった角度から探求しています。教育の基礎的事項を取り上げ、これらを原理的に深く理解し、今日の教育上の諸問題を考え、解決しようとする努力に役立つことをめざしています。広く人間教育に関心をお持ちの方、とりわけ、教職を志す方、教育研究にたずさわる方にとって、本書は、有用なガイドブックとなるでしょう。
人材の募集、採用から、適正配置や教育訓練、労働時間や賃金等の管理、そして退職に至るまでのさまざまな手続きのしかたと、実務に必要な知識をわかりやすくポイント解説。