マルチメディア社会への期待とは何か?それは、文字や映像や音声の情報を多様なかたちで交流させ、生み出された情報を大量に蓄積し、一人ひとりの必要に応じて活用できる高度なコミュニケーション社会が誕生するのではないかという期待感である。これに反して、増大する不安も、多くの人々によって語られている。マルチメディアといっても、所詮は「人間のコミュニケーションの道具」であるに過ぎない。そうである以上は、「高度の知識や所得を持って、この道具に接近し、道具を使いこなす人々」と「知識や所得が貧弱で、この道具に接近する機会も資金もなく、道具を使いこなせない人々」との格差があらゆる生活や仕事のなかに進入してくるのではないか、という不安である。これらの期待と不安の交錯を目の前にして、本書は、期待が現実のものとなって、不安をできるだけ小さくするための社会的な条件、とくに、経済制度と法制度のありかたを事実と経験を踏まえて検討しようとした。本書で採り上げるのは、いわば、「足下からの政治と経済」から見たマルチメディア社会の展望である。ここでのキーワードは「ネットワーキング」による「もうひとつの社会の可能性」であるとも言えるであろう。本書の通読によって、読者は、この可能性を、マルチメディアによる個性と創造性を支援する自立支援システムの追求の問題として考えるきっかけを獲得される。そして、情報スーパーハイウエイのありかた、文化と経済の関係、空洞化に直面する産業の未来、国際化による生活や企業の変化、地域社会の発展と分権化の波、ノウハウを創造し継承する大学の機能の発展、そして、教育における自立支援ネットワークのありかたなど、これらを総合的に理解し、検討されるに違いない。それによって、不安を解消し、期待を拡大する方向性もまた見えてくると考えられる。
全国の各科一線研究者による活性酸素・フリーラジカルの最新研究成果。
マルチメディア時代の到来が建物に与える変化、そしてインテリジェントビルはどうなるのか。21世紀に向けたデザイン、テクノロジー、エンジニアリングなどのコンセプトと具体例をわかりやすく紹介した。
ブルデューの原点。大学における形式的平等と実質的不平等の謎を科学的に解明する文化的再生産論の古典的名著。
本書はプライマリーケアチームの役割と教育の必要性、さらに英国における糖尿病管理体制を含めて、全体像を示し、一般診療所において糖尿病ケアをいかに準備し、実践するかを述べ、糖尿病とその合併症について述べる。
本書は、まず社会福祉職員養成教育の性格と構造を検討し、それとの関わりの中でシラバス(授業計画)に焦点をあてつつその授業計画を現実の授業にしていく場面でのさまざまな方法や技術、背景となる考え方などを明らかにする。さらに養成教育に欠かせない実習教育についてもふれ、教育条件の整備、評価についての考え方や方法・技術にも考察を加えている。著者の経験に裏打ちされた“学生を引きつける授業展開の進め方”は、社会福祉関係職員(介護福祉士・社会福祉士・保母)養成教育に携わる人々への座右の書。
120周年を迎えた幼稚園教育の到達点と新たな課題を明らかにし、生涯学習の基盤を培うという観点に立ち、来るべき21世紀に向かって、社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図るための幼稚園教育の新しい役割と展開を考える。
本書は、日本糖尿病学会主催の第31回「糖尿病学の進歩」のうち、療養指導に関するレクチュア、シンポジウムで講演頂いた講師の先生方にその要旨を執筆頂いたものである。
「安全」「健康」「環境」に関する「社会的規制」の実態を経済学的に分析、その理論的・制度的体系を明らかにする。我国公的規制研究の第一人者による意欲的構成。