推理文学の鬼と謳われる作家12人がミステリーのアイデアと文章テクニックの粋を凝らして織りあげた、珠玉の短編12編を収録。
渋い二枚目俳優として知られる波崎裕一郎は、池袋のラブホテルにミユキという名のコールガールを呼んだ。大柄で豊かな乳房と尻を持つミユキは、波崎にとって理想的な“生贄”だった。波崎の衝動は爆発し、ついに殺意が…歓喜の極みに震えるミユキの首を一気に絞めかかった!陶酔の余韻の中で、復讐の儀式を終えた波崎だったが、彼の内に潜む悪魔は次なる“生贄”を求めて疼き出した。波崎は、絵画展で彼と同時入賞を果たした、中谷千佳子に静かに接近していった。波崎の中に蠢く少年時代の戦慄の記憶。波崎は誰に復讐しようとしているのか?謎と恐怖を孕んだ、著者会心の書下ろし長編サスペンス・ロマン衝撃作!
不可視の内部を持つ者同士が頻繁に接触し、さまざまの関係を取り結ぶ複雑で流動的な現代社会では、コミュニケーションは見せかけや偽装などのレトリックを必要とする。しかし、このような社会を思想史的に展望するならば、超越的な理念、懐疑と自省を無視できなくなるだろう。
もし家を持ちたいとお考えなら、この本を読んでからにしていただきたい。現代日本をおおう住宅病から解放されるためにー。気鋭の建設家が豊かな実践をふまえて構想する、新しい家づくりのすすめ。
ロック・ヴォーカリストとして最大のカリスマ。ステージでの逮捕、暴動と煽動。伝説的な存在として現在もなお年間数百万枚のアルバムを売り上げるモルソン ドアーズの、詩と狂気と動乱の生涯、その悲劇的な愛と死を描く、圧倒的迫力の評伝。
科学批判の可能性-。巨大身体として現象するテクノロジーのネットワークに幻惑されながらも、その秩序から逸脱しうる可能性とは?散乱するフラグメントが織り成すポリフォニーのなかに、反電子主義の根拠ならざる根拠=美学の極北を洞見する。
宮崎県都井岬の断崖で映画の撮影中、男優の一人が転落、死亡した。男は燃えるような夕焼けの空に突然両腕を突き上げ、耳を掩うと絶叫し眼下の岩礁に落下してしまったのである。「熱演のあまりバランスを失った」事故と事件は片づけられた。しかし彼の妻は、この忌まわしい十一月二十九日という日が、ここ数年夫を苦しめ続けていた日であったことに気づく。夕焼けと死には密接な関わりが隠されていたのだ。
生き残った機長が明かす衝撃の真実。事故の真相はかく隠蔽された。ハイテクシステムの予期せぬ欠陥と巨大企業と国家の黒い思惑-。名パイロットが綴る孤独な闘い。
現代アメリカ史を書き換えた二人の黒人解放運動指導者。その思想と行動のドキュメント。
これはまるで犯罪だ!!フィクサーや大銀行は何をしたのか。40万人署名の大声援を受けた放送局員たちが怪物に挑んだ。
高校生のカップルが惨殺死体となって発見された。少年はナイフで滅多刺しにされ、少女は凌辱されたうえ絞殺されていた。シンドラー刑事は同級生とその兄の二人を犯人と確身し、執拗に彼らを追いつめるが決め手が見つからない。が、数年後、迷宮入りの様相を呈していた事件は、新たな目撃者が現われ急展開する…凄惨なレイプ殺人をめぐって錯綜する証言と深まる謎。『黒い薔薇』の著者の処女長篇。
インターネットにはすばらしい部分がある、寂しくって恐ろしいところも。ここに踏み入ったことを後悔はしてない。だけど…ハーバード大学の女子大生が、不思議の国のアリスさながらにインターネットの世界へ突入!夜ごと入り浸り、ほとんど中毒になった彼女が最後に選んだのは、サイバー自殺-ニューズグループやIRC、MUDなど、広大なその世界を紹介し、そのすべてをみずみずしい批評眼でリアルに描き出した、最高のインターネット・ノンフィクション。
音もなく迫りくる超常現象の恐怖-「いるはずのないスキー客が写真に」「血の色の首飾りの呪い」「いつまでも出られないトンネル」「ひなびた温泉宿の怪異」など、旅先で遭遇した怪奇体験の数々が、あなたを襲う。
珠美に一目惚れし、ストーカーと化した大学生が自殺した。その母・聡子は珠美のせいだと復讐を宣言する。同じ頃、聡子の離婚した夫・辻井が殺人容疑で逮捕される。次々起こる殺人、そして三姉妹を襲う魔の影。三姉妹を守り殺人事件の真相を探ろうと、国友は獅子奮迅の大活躍!事件の思いもよらない真実とは。
乳白色のせっけんでまず髪を洗ってみてください。つややかな黒髪がよみがえります。からだも、お顔もせっけんでしっとり…お洗たくも、粉せっけんで!驚くほどよく落ち、やわらかな仕上がり。なのに、なぜ私たちは有毒な合成洗剤を使わされてきたのか?その謎に迫ります。
第一人者の力作から単行本未収録の幻の名作まで、粒揃いの鉄道ミステリー傑作選第2弾。
恋愛やSEXのトラブルから死んだ人間が、恐ろしい性霊となって、いま人々を襲う!-自殺したセクハラ社員が無人の倉庫でOLにイタズラし、引っ越したばかりの部屋では鏡の向こうから女が夫婦の夜の生活を覗き込み、旅先でナンパした美女は数カ月前に殺された亡霊だった…。日常生活に忍び込んだ怨霊たちの異常行為を、なまなましく告白した恐怖の体験告白集。
明治の時代。近代科学が移植されたとき、古くからの文化と科学を融合させるべく格闘した人びとがいた。仏教的宇宙観にたって地動説をくつがえそうとした佐田介石。千里眼の研究のため大学をおわれた福来友吉。妖怪によって森羅万象を解き明かそうとした井上円了。食養学による世界の変革を夢みた桜沢如一。さらに橋田邦彦、寺田寅彦、南方熊楠、稲垣足穂…。一見、怪しくとも大真面目な研究は、迷信の時代の人々の切実な知的闘争であり、いまだ近代を超えられない私たちの課題でもある。正史からこぼれおちていた科学のフォークロアを丹念にほりおこす異色の科学者列伝。
絶対悪用禁止!死に至る危険と死に等しい恐怖。トリカブト、ドクゼリ、ハシリドコロ、ケシ…野放し状態で生息する猛毒植物を完全解説。