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物心がついて以来、ケイトは悪夢に悩まされてきた。円満な家庭で何不自由なく育った、正直で優しく、陽気で勇敢なケイトにとって、そのしつこい夢の正体は全く不可解なものだった。そんなケイトが、ある日軽い気持で出かけたクリニックの献血室で隣り合わせた男に一目惚れし、心臓が宙返りをしてしまう。“笑顔がとてもすてき。なんて感じのいいひとかしら”この日の偶然の出合いは、ケイトが密かに思い描いていた“未来”を暗示しているかのように思われた。すっかり心を奪われた彼女は大胆に男にアプローチする。しかし…その男が思いもよらぬ苛酷な運命を背負わされていることを、そして善意の献血が悲しむべき夢の真相を明かすことになるのを、その時のケイトはまだ知らなかったのだ。
バーチャル・リアリティは我々にいかなる未来をもたらすのか。いまさまざまな分野で注目されるバーチャル・リアリティ。荒俣宏が3年を費やして世界の最新動向を取材。可能性と危険性をつぶさにレポートした。
大津波に呑みこまれた無数の亡霊たちが、私に語りかける。この惨事、この恐怖を、けして忘れてはならないと…。著者積年の憑依を告白する表題作。隕石さがしに始まる戦慄の顛末「宇宙塵」。定年退職した一家の主人に対する家族のたくらみ「健康への暴走」。他に「金歯」「味見指」「乱雑人小図鑑」「紅葉狩」等、悪夢12夜。テレビ化等の大好評に応えて贈る、待望のシリーズ第2巻。
61年10月、坪内寿夫氏の率いる、来島どっくグループは事実上倒産し、日本債券信用銀行以下主銀行の管理下に入った。造船量日本一、“四国の大将”“再建の神様”と呼ばれた坪内商法はここに馬脚を現わした。私は坪内氏の名声が高まり、書店の店頭に“坪内本”と呼ばれるコーナーまで、できたとき、この再建王の経営のやり方の中に何か暗い影がみえてならなかった。本書の目的は、坪内経営にメスを入れ、このような経営のやり方は必ず倒産するものであることを証明することにある。