「走れ、もっと早く走るんだ!」謎の声に導かれ、憑かれたように走って死を迎える男。獣臭と血臭の入り混じる山小屋の中で繰り広げられた、血塗られた饗宴。漆黒の闇の中を泳ぐ巨大な竜。濃霧の中から突然広がる死屍累々の世界…。夢枕獏ワールドのエッセンスが凝縮された、珠玉の恐怖小説集。
夢か現実か。現実の世界に非日常が入りこむ時、そこには無限の闇が…。4人の作家による4つの恐怖。あなたは、この恐怖に耐えられるか。豪華メンバーで贈る、ファンには絶対見逃せないホラー・アンソロジー。
イレーナはデザイナーとして華やかなファッション業界に身をおくが、挙式前夜にフィアンセに暴行され、婚約を破棄した過去がある。もう男性を愛さないと決めている彼女の前に、積極的に誘いをかける男が現れた。金融王の異名をとる、ギリシア人のサンドロだ。「きみとディナーを楽しめるなら、なんだって犠牲にできる」そこまで言う彼に惹かれ始めた矢先、イレーナは嫉妬に狂った元婚約者に脅され、襲われる。これらの事件がサンドロの知るところとなったとき、イレーナの人生は一変した。
収賄容疑で逮捕された第6代宝塚市長が激白。2006年2月5日、読売新聞に「不明朗金300万円」の記事が、霹靂のように響きわたった。翌々日の逮捕で市長職を辞さざるをえなかった著者が、権力行使の恐ろしさを満腔の憤りをこめて綴る。
呪いを解くために妖魅を倒している貴琅。彼が仲間になるのは芦笙にとって嬉しいことだ。だが、自分が妖魅の狙う『鍵』であり、貴琅に力を与えることができると知った彼女の心は複雑に揺れる。そんな中、妖魅との闘いで負った傷を癒すため、一行は病や傷に効くという霊水の湧く霊泉池を訪ねた。芦笙はそこで春鴬一座の女形・迦陵と出会うが、それは霊泉池に災いをもたらすきっかけとなってー。
恒例の新年のお茶会で行われる「豆の王様」ゲーム。金貨の入ったケーキを引き当てた者が、一日総長の座に就くという楽しいゲームのはずだった…。が、ユウリに渡るはずだったケーキを代わりに受け取った下級生は、中世の騎士の亡霊に憑かれてしまう。一方ユウリのケーキには、乾燥したソラマメが…。ユウリにも伸びる魔の手!!ソラマメの意味は?シモンの力が必要な悪霊払いとは…。
目を覚ますと、そこは昭和20年、太平洋戦争下の東京だったー。政府の教育改革審議会で徴兵制に道を拓く答申がまとめられた翌朝、審議会委員・日下良治を揺り起こしたもんぺ姿の妻は、息子に赤紙が来たことを告げた。21世紀に生きていたはずなのに(表題作)。現代の日本に危機感を抱く著者が、絶望を通して希望を描いた入魂の物語4編。
心神喪失、成年後見、代理出産、公訴時効、児童売春。限りない欲望を迎え撃つ法の網は奈落の底まで追って行く。法律ミステリーの傑作。
せつなく、可笑しく、おぞましくーそれぞれ異なる輝きを放つ4つの恐怖!ジェルソミーナ女王が暮らす森の中のお城で起きた惨劇『ふたり遊び』。消えた友人を捜すナオトとアカネが廃工場で遭遇する戦慄『闇の羽音』。高校生3人が夏の高原で出会った美少女の正体は?『ラベンダー・サマー』、「おうちの階段だけが、落ちて死ぬような気がするの…」姉妹にとって一階は死の国『階段』。鬼才たちによる書き下ろしホラー・アンソロジー。
カプグラとは、家族や知人に対して、自分は外見はそっくりでも内部は別の人間に入れ替わっていると主張する症候群。失踪の後、別人となって現れた娘婿。果して彼の正体は?封印されていた過去の悪夢が蘇る。現代調査研究所の岡坂神策が「心の闇」を探索する表題作はじめ、極上のサスペンス5編を収録。
久々の長期休暇をゆっくりと自宅で過ごそうと、食料を買い込んできた主人公。酒のつまみにと缶詰を開けた。すると、「ポン」という音とともに白いターバンを頭に巻いた男が現れた。その男は、なんと魔法使いだった。「ひとつだけ望みを叶えてやろう」と魔法使いは言うが、缶詰の中身で部屋を汚された主人公は怒り心頭。「望みより何より部屋を掃除しろ!」と魔法使いを罵倒した…。
鏡花、乱歩、十蘭、朝山蜻一、中井英夫、ラヴクラフト、R・E・ハワード、ロバート・エイクマ、I・カルヴィーノ、M・シュオブほか、90以上の作品とその作者について、倉阪鬼一郎が何を感じ考えたか?過去20年にわたる怪奇小説家の読書遍歴がこの本でわかる。