終戦直後、ソ連兵に強姦された大勢の日本女性が妊娠して大陸から引揚げてきた。不幸な彼女たちを救うには中絶以外に道はない。だがその頃、堕胎は違法行為だった。ここに、純粋に人道的な目的で、福岡県の小さな町に堕胎専門の病院が設立され、約400名の女性が不本意な出産を免れた。ところが30数年後、消滅したはずの当初のカルテによる脅迫事件が頻発、やがてそれは殺人事件に発展していった…。第99回直木賞受賞作家が放つ長編ノンフィクション推理。
真由子は、半ば強引に岩井の愛人にさせられた。彼は代議士の地元秘書で、手広く商売をしている。彼女が宛がわれたマンションに、定期的に届く段ボール函がある。それはすぐに岩井の後妻の弟、田原が運び出していく。その中身を知ってしまった真由子は、自分を欲する田原を利用して謀略のドラマを自作自演した。-肉体を武器に仕掛ける悪女を描く書下ろし力作。
闇夜をますます深くする十の悪夢。古今の名作の中から選びぬかれた、逸品揃いの恐怖小説集。
憑かれたように走って死を迎える男。満月の夜に繰りひろげられた血塗られた饗宴。内臓をむさぼる美しい女。漆黒の虚空を泳ぐ巨大な竜。濃霧の中から突然広がる屍累々の世界。壜の中に浮かぶ緑色に染まる女の裸体…。日本土着の残虐と優美を現代に投影する、めくるめく幻想と現実の夢魔。当代きってのエンターティナーが描く、鮮烈なイマージュの全九話。
運び屋のバイトを始めた売れないお笑い芸人を、2億円の借金を抱えた女子高生が追いかける。実はそこには、金に目がくらんだヤクザ、刑事、SMの女王様までが、どっぷり参加していた。誰がいちばん悪いのか?誰がいちばん狡いのか?最後にびっくりするのはどいつだ!?大阪の街を、欲望と執着が迷走する。追いつ、追われつ、騙し、騙され、また騙し…の傑作コメディサスペンス。
自分の過去を知るべく、五つの伝説の武具その最後のひとつマビノギを求め冒険を続けるノエル。その探索のさなか、何者かの襲撃に遭い、トランが毒に冒されてしまう。その毒は、かつてエイプリルが所属していた帝国情報部特殊部隊が使用する特殊なものであることが判明、12時間のうちに解毒しなければ確実に死に至るという。時間内に敵を倒し、解毒剤と武具を手に入れることができるのか!?そして過酷なミッションの先に待つものは…!!天才・菊池たけしがお贈りするリプレイ第3弾、衝撃の展開が君を待つ。
迫害を逃れて、アメリカにわたったユダヤ出身の一経済学者の思想は、はじめ「国家からの自由」を求める小さな声に過ぎなかった。70年代、その声は次第に大きくなり、やがてアメリカの政権中枢部を覆い、南米をかわきりに世界へとあふれ出す。-市場原理主義(ネオリベラリズム)。市場が人間を支配する思想へと変質したそれは、実体経済を破綻させ、人心を荒廃させる「悪夢のサイクル」を産み出した。
ある日、最悪の状況で、最悪の人たちと一緒にエレベーターに閉じ込められたら…?Qlep発本とブログのパラレル小説。
「反日有理」で破壊活動を行い、「愛国無罪」で責任逃れーこの「醜い中国人」はいかにして生まれたのか。歴史・文化・社会の徹底分析から明かされる、救いがたい中国人の民族性。中国政府がひた隠しにする過去の大罪から日本の知識人が見逃してきた意外な「弱点」までも説き明かし、周辺諸国を食い物にし続ける「中国人の本性」を鋭くえぐる。
館に吊るされた主人/甦る不吉な記憶/産婦人科医からの奇妙な依頼/両腕を切断された死体/錯視画に隠された秘密/遺跡の密室殺人。幾多の謎に名探偵達が競演する!刺激的な評論も収録した画期的アンソロジー刊行開始。
いかに米国が超大国の地位を悪用しているか。人権、軍縮、国際協力、国際法など進歩的な価値を実現するため、積極的なキャンペーンを展開してきた研究者によるブッシュの外交政策批判。
「見てはならないものを見てしまった…T字路の対向車線から、一台の大型トレーラーが強引に突っ込んで来て、ころんでいるバイクの青年をあっけなく轢いた…その頭を、すぐ目の前でメリッと…」成仏しろよ、そう念じたばっかりに、ソイツはやって来たのだった-著者自ら霊現象に見舞われつつ、取材した怪奇体験の数々。
売れっ子ホストの有光は、人身売買ブローカーによって日本に連れてこられ、タイ人バーから逃げ出した女性・トウイを、自分の部屋でかくまい始める。しかしトウイは忽然と部屋から消え、死体として発見される。一方、まじめで通っていた女子大生が、学校からの帰りに消息を絶ち、そして有光の上客の女性も消えてしまう…。まるで無関係だと思われた事件に接点が生まれ、容疑者が捜査線上に見え隠れする。棟居刑事は、事件の奥底にある事実を探りだし推理を始める。歪んだ社会の、屈折した人の心を描いた戦慄ミステリー。
一八二五年に川で溺死した十歳の少女アイリーンの事件は、バーキッツヴィルではブレア・ウィッチ伝説の一部であると噂されていた。調査を進めるケイドのもとに一通のメールが届いた。学校のキャンプを引率した女子高生セシリアがアイリーンの幽霊を目撃し、このキャンプでボーイフレンドを亡くしたという告白だった。戦慄のサバイバルゲームと化したキャンプの残酷な結末を綴った「水底の幽霊」他、映画『ブレアウィッチ2』の恐怖を増幅させる、オリジナル小説第二弾。
大手電機メーカーで自律制御型のロボット開発に携わってきた花村平太は、会社と自分の研究の方向性の違いに限界を感じ、会社を辞す。自ら会社を立ち上げ経営も順調になってきた頃、不運にも自動車事故を起こしてしまう。相手の女性を半身不随にしてしまった花村は責任を感じ、私財を投じて再び自律制御型ロボットの開発を始め、彼女の介護に役立てようと考えた。自律制御の車椅子型ロボットの製造に成功し、匿名でそのロボットを贈った花村は、さらに進化したヒト型のロボットの開発にも乗り出す。新しいロボットが完成し、2台が出会った時、予期せぬ出来事が発生した…。最先端科学技術情報を満載したSFホラー大作。