偶然、殺人事件を目撃してしまったケイシーだが、恐怖と自己保身のために警察に通報できなかった。しかし、被害者が社交界の華、ドナと知って良心の呵責に苦しむケイシーは女性キャスターのブランディと組み、TVを利用した奇想天外な方法で犯人を告発する。しかし、その背後にはさらに大きな組織犯罪が。
ヒロが夢の中で何度も見かけた女の人は、しきりに助けをもとめていた。何をうったえているのか、なやむヒロ。そんな折、しんせきの周平さんが結婚すると言って紹介してくれた婚約者は、その夢の女性とそっくりだった…!マッキー、かっちゃんと、ヒロは、力を合わせてそのなぞ解きに挑戦する!大人気の「ぼくらの心霊スポット」続刊。
1995年1月17日未明、神戸を未曽有の大震災が襲った。一瞬にして崩壊した街で、私立探偵の有希真一は多くの死を目の当たりにする。ようやく彼が救出した友人の占い師探偵・雪御所圭子も精神に異常を…。そんな最中、バラバラ死体の消失、磔殺人と、連続猟奇殺人事件が発生する!著者自らの体験も色濃い渾身の筆致で、ミステリー界が驚愕した鮎川賞受賞作。
目を覚ますと、そこは一九四五年、第二次世界大戦下の東京だったー日下良治は大学教授で、政府の教育改革審議会の委員も務めている。審議会で徴兵制に道を拓く新法の答申がまとめられた翌日の朝、良治を揺り起こしたもんぺ姿の妻は、息子に赤紙が来たことを告げた。自分は二十一世紀に生きていたはずなのに…。平和や正義への思いは荒廃していき、家族のこころは、いつしか遠く離れてしまった。巨匠・赤川次郎が四編の作品を通して鋭く描き出す、現代人の心の闇。珠玉にして異色の傑作集。
戦後の復興期に乗じて不動産業、観光業などの一大企業グループを築き上げ、いまだに絶大な権力を持つ五十嵐興産の会長・幸吉のもとに、ある日差出人不明の郵便物が届く。中身は驚くべきことに幸吉の後妻・妙子と長男の情交現場の写真だった。この事件を機に、五十嵐家を悪夢が襲う。身内を被写体にしたスキャンダラスな写真はその後も続き、さらに数週間後、本社ビルの金庫から十三億七千万円もの現金や手形が盗み出される。密かに調査を命じた幸吉は、一連の犯行が、己れ自身封印してきた過去の事件に原因があることを知る。
五月…ニューヨークでは、狂暴な暴力の発作を伴う新麻薬が蔓延していた。われらがヒーロー〈始末屋ジャック〉は、製薬会社の女性研究員から、謎のセルビア人ギャングのボス、ミロシュの調査を依頼される。ミロシュはこの新麻薬に絡んでいるらしい。一方製薬会社重役モネを尾行するジャックは奇妙な人体実験を目撃。荒れ狂う被験者のありさまは、新麻薬の発作と同じものだった!単なる脅迫と思えた事件は、奇怪な様相を見せていく。鬼才F・P・ウィルスンが放つ痛快アクションホラー巨編。
なにげない日常生活の中で知らぬまに忍び寄る黒い影。それは〈恐怖〉というものにかわり、人々の心に巣喰っていく…。人生の終着駅にみた恐怖を描く表題作のほか、七編。著者自ら、選びぬいた最高級のホラー短編集。
ぼくは十三歳。小さな町の中学校に通っている。一昨年、母さんが死んだ。友達はいない。作る気もない。だけど、恋をしてしまった。三つ年上の、とびきりの美少女に。ぼくの周囲では、陰惨な事件が次々に起きる。まず自宅で親友が殺され、中学校の校内ではさらに奇怪な殺人事件が。そしてぼくは、自分が恋している相手が、神のような推理力をもつ名探偵であることを知ったのだった。でも…。緻密に練られた本格の野心作にして、鮮烈なる青春ミステリー。堂々の開幕。
東京を横断する大動脈、中央線。八王子から東京駅近くの職場まで通勤快速で通う、41歳のサラリーマン・本間英祐は、そこで中村という25歳の男と知り合う。9月のある日、終電に乗り合わせた二人だったが、その夜、中村が刺し殺される。犯人の顔を知る本間に襲いかかる悲劇の連鎖。果たして、十津川の推理は。
いまわのVサインは何を意味するのか?財川財閥の御曹司が、新婚旅行先の伊豆で謎めいたダイイング・メッセージを遺して惨殺された。新妻の多津子は、発見者のチンピラ・水木が夫と瓜二つであることに驚嘆。そのとき、多津子の胸に奸計が浮かび上がった。水木の夫の替え玉に仕立て上げ、財閥の巨富を奪取しようというのだ。悪女と悪党の企みは、はたして正夢と出るか、逆夢に終わるのかー。
〈一週間以内に二億円を用意しろ。さもなくばおまえの秘密の殺人をバラし、誘拐したおまえの娘の親友を殺す〉謎の脅迫電話に、会社社長石坂光生は震憾した。誰も知らぬはずの十二年前の凶行がなぜ…。狡猾な誘拐犯に翻弄されて絶望の淵に落ちた石坂の前に、やがて思わぬ女性が出現、その時、彼の頭におぞましい策略が芽生えた…。はたして石坂の運命は。忌わしい悪夢を消し去ることができるのか…。円熟の著者が放つ第一級のハード・サスペンス。