ダサいアルバム・タイトルに引いてしまうなかれ。これは現代のリオ!(実際にリオのカヴァー「ア・コーズ・デ・ギャルソン」も!) フレンチ・エレクトロ界隈ですでに人気のジュリー・ビュデのソロ・プロジェクトのデビュー作。80年代的エレ・ポップのキッチュさを再体験できる。
カトリックの聖歌のひとつ「スターバト・マーテル」を、カール・ジェンキンスはところどころにエスニックな手法を用いながら、英国音楽の伝統に則ったメロディで荘厳な空気を醸し出している。西欧と中近東など異文化が溶け合った重層的な音楽世界だ。
70年代を代表するレゲエ・レーベル、トロージャンの楽曲を中心に集めたレゲエ・コンピ。ジャネット・ケイ「ラヴィン・ユー」のような誰もが知る名曲や、「ヘイ・ジュード」「イエスタデイ・ワンス・モア」などのレゲエ・ヴァージョンをラインナップ。
河合奈保子から奥菜恵まで、80〜90年代にデビューし活躍したアイドルのシングル曲を集めたオムニバス・アルバム。16アーティストのデビュー曲と2ndシングル曲が並べられている。
ローリング・ストーンズのツアーでサックスとキーボードを担当したティム・リースの、ストーンズ・カヴァー・アルバム第2弾。ストーンズのメンバーもセッションに参加した豪華な一枚となっている。
69年に「雨に濡れた慕情」でデビューしてから40年。そのちあきなおみは92年に活動を停止したままだ。88?91年にテイチクで録音した曲に、ビクター音源を2曲加えて集成された80曲入りのCDボックスがこれ。DVDの「紅い花」(事実上のラスト・シングル曲)では、動き歌う、彼女の姿を見ることができる。これは病床にあった夫・郷?治を看病しながら行なわれた92年のコンサートで収録されたもの。テイチク時代の彼女は、数々のカヴァー曲を歌っているが、すべてが彼女のオリジナル曲としか思えない歌へと昇華されているのが凄い。ここには「夜霧のブルース」「夜へ急ぐ人」「霧笛」など6曲が初収録されている。独り芝居を思わせる演唱を展開し、山崎ハコを思い出させる「ねえあんた」に涙し、浅川マキと異質の「朝日楼」では凄味に慄える。歌謡曲の醍醐味を味わえる歌手だ。
人気のCD2枚にDVD1枚をセットにした豪華3枚組の特装盤。入門編にぴったりなアイテムでもあるが、新たに解説・歌詞・対訳が付いているため、コアなファンにも見逃せない仕様となっている。
『仮面ライダーキバ』の主題歌、エンディング・テーマ、挿入歌、関連歌、劇伴を網羅した10枚組ボックス(CD9枚+DVD1枚)。100曲余という関連楽曲を収録。ディスク1?5はヴォーカル・ナンバー、ディスク6?9は劇伴を収録。DVDは劇中バンド、TETRA-FANGのPV風映像がメイン。ヒロイン、麻生恵・ゆりの歌うディスク10の「Feel the same」は戦隊ヒロイン・ファン垂涎!? 河村隆一、INORANらによるユニット、Tourbillionによる主題歌(ディスク1の「Break the Chain」)がカッコいい。ヴォーカル曲の基本は高速ギターが唸るモダンでラウドなメタル歌謡。一方、キバット(CV:杉田智和)が歌うディスク5の4、5曲目のような本来の視聴者を想定したようなキッズ向けポップスもある。しかし杉田智和がノリノリで歌うこの曲、大きなお友達も喜びそう。とにかく凄い聴きごたえ。これで詳細なデータや解説があれば、まさにコンプリートだったはず。
「9・11テロに遭ってアメリカが思い出したのは、原爆投下ではなく真珠湾奇襲であったということは、アメリカがどういう国であるかを如実に示している」-国際問題から日常生活まで、本能が壊れてしまった動物=人間の歓びと哀しみを浮き彫りにする岸田秀最新エッセイ集。
pal@pop名義で90年代末期を席巻したサウンド・クリエイター、高野健一のベスト・アルバム。有線で火が付き人気を博した「三陸産のウニに涙したい」や配信チャートをにぎわした「さくら」など、広く話題になったナンバーが収められている。
バッハの声楽曲を集めたコンピレーション・アルバム。「マタイ受難曲」の切々とした心に訴える名アリア「憐れみたまえ」をはじめ、受難曲やカンタータなど宗教曲の名曲を集めている。心癒される一枚だ。
ファルセット声域を駆使して、超高音を歌う男声歌手“カウンター・テノール”の歌唱を集めたコンピ。その特殊な声の饗宴は、古のオペラ全盛時代を彷彿させる。ジャルスキーの現代的な技術と、最後の去勢歌手モレスキによる1902年の録音「小荘厳ミサ曲」の聴き較べはエキサイティングだ。
横川の流れを見下ろす船宿に居候する、ぼんやり顔の侍ー幸四郎は、昼間から酒を飲み、だらだらと日々を遊び暮らす謎の浪人。働こうとはしないものの、金に困っているようには見えず、気品漂う身なりも立派。しかも剣の腕が立ち、明晰な頭脳を持っていた。じつはこの幸四郎、ある藩の大名、つまりはれっきとしたお殿さまなのである。己の正体を隠し、庶民の暮らしを楽しむ幸四郎であったが、その非凡な才に気づいた目明かしの貫太郎や掏摸のおりんに、市井で起きたさまざまな難事件の探索を頼まれてしまう。お供の浜吉や許嫁の千佳姫とともに、幸四郎は、奇想天外な策と目にもとまらぬ剣さばきで、庶民を泣かす悪党どもを退治していく。