「結婚1周年だよ、ミセス・パレンティ」大富豪の夫サウルの甘いささやきに、ジゼルの胸は幸福感で満たされた。ところが、愛を確かめ合った直後、衝撃の一報がーサウルのいとこ、アレジオ公国の大公アルドが暗殺事件に巻き込まれたというのだ。駆けつけたサウルに跡を継ぐことを約束させ、アルドは息を引き取った。“子供は作らない”それがサウルとジゼルの婚前の取り決めだったのに、サウルが大公の座に就けば、世継ぎをもうけざるをえなくなる。幼い頃に家族を失い、命の儚さを痛いほど知るジゼルは野婚をも考えた。サウルも子供を作らないという決意は固く、どうにか道を模索すると言う。だが運命は思わぬ方向へ転がる。ジゼルの予期せぬ妊娠が判明したのだ!
とある町の小さなパチンコ店の前に置かれた一冊の「里親探しノート」。ある日、その店に勤める五郎は、ノートに奇妙なことが書かれているのを見つけた。「ネコは、ごはんを何日食べなければ死にますか?」この書き込みによって、五郎と常連客の宏夢はある事件に巻き込まれると共に、答えのない問題と向き合うことになる。人はどうして生まれたのか?何のために生きているのか?成功とは何なのかー。一冊のノートを介して様々なドラマが繰り広げられていく、全四話の心温まる物語集。
自分の気持ちを伝える事に臆病な啓子。辛抱強く彼女を待ち続ける陽一。壁にぶつかりながらも、互いを思い続けた二人を描く珠玉のラブストーリー。
悲しみから目を背けようとする社会は、実は生きることを大切にしていない社会なのではないか。共感と支え合いの中で、「悲しみの物語」は「希望の物語」へと変容していく。「グリーフケア」に希望の灯を見出した入江杏の呼びかけに、ノンフィクション作家・柳田邦男、批評家・若松英輔、小説家・星野智幸、臨床心理学者・東畑開人、小説家・平野啓一郎、宗教学者・島薗進が応え、自身の喪失体験や悲しみとの向き合い方などについて語る。悲しみを生きる力に変えていくための珠玉のメッセージ集。
世界一大きなネズミと言われるカピバラは、世界一優しい動物とも言われてるんだ。子どもが生まれればみんなで育て、吠えるのは仲間が危険な目にあった時のみ。がむしゃらに走ると、馬よりも速いんだ。そんなカピバラに、僕はずっとなりたかった。世界でいちばん切なく優しい愛の物語。
大阪・附属池田小学校児童殺傷事件で愛する娘を亡くし、いま人のかなしみに寄り添う活動をする著者が贈る魂のメッセージ。
ママを亡くした男の子。ゴリラが現れて、そっと寄り添います。「ママはどこにいったの?」「どうしてママはしんだの?」「いつになったらかなしくなくなるの?」男の子の問いかけに、ゴリラは一つひとつ、答えていきます。大切なひとを失う深い悲しみ。それを丸ごと、大きな腕で抱きしめる絵本です。
オーソドックスで古典的な肖像画、風景画に潜む、悲しみや滑稽さ。
1985年の春、その人は息子を失った。そして絶望の果てに、夢と記憶のあわいから、この「連作」を紡ぎはじめた。彼女は何を信じ、何に抗いつづけているのか。聞き届けられるべき、不滅の物語。
うんこ。だれでもうんこをする。日々のことだから、ときには失敗もする。でも、みんなそれを隠す。うんこは下品、汚いと嫌がられる。下ネタとして笑話にするのがせいぜい。人前で漏らしたりしたら、それだけで多くを失ってしまう。それはなぜなのか?生きるかなしみとしての排泄、漏らしたときのせつなさ、それを見事に描ききった文学作品を、自身も漏らしたことのある編者が集めた、渾身の名作選!
餓死者700万人以上、1933年のヨーロッパの穀倉地帯ウクライナを襲った20世紀最大の悲劇。その全貌を初めて世界に知らしめ、ソ連崩壊を加速させたロバート・コンクエスト1987年の歴史的名著。時に“無法を法”とするロシアが内包する根源的暴力性に、隣国は無縁でいられるか?2007年の初邦訳版を再出版。
悲嘆からの立ち直りと、新たな出発のために!自らも妻を亡くした著者が、30年に及ぶグリーフケア活動の実践と自らの実感のなかから、悲嘆からの立ち直りと死別体験の意味について考察した渾身のエッセイ集。