ジュエリーデザイナーのペイジは弟を危機から救うため、やむを得ず別居中の夫レーンに協力を仰ぐことにした。結婚後、ジュエリー企業経営者の彼は妻が仕事するのを認めず、ふたりの間の溝は深まるばかりだった。二年ぶりの再会。どうか彼の心がもとの温かさを取り戻していますように…。ペイジはひそかに期待していたが、レーンが彼女に向けたまなざしは冷たかった。「離婚同意書の件か?あとは君が署名するだけだ」。
『傷ついた魂』-両親の死後サンディは、か弱い妹アンの親代わりをつとめてきた。妹が愛し合うエミールと学生結婚をしたとき、彼女は心から喜んだ。ところがエミールはフランスの大富豪シャリエ家の末子で、家族は結婚に猛反対だった。折しも、エミールが事故で他界。葬儀のあと訪ねてきたシャリエ家の長男ジャックの提案に、サンディは激しい憤りを覚えた。跡継ぎを身ごもったアンと一緒に、姉もフランスに来いというのだ。『二十四時間のシンデレラ』-リリーは十七歳のとき火事で両親を失い、弟とふたり残された。その弟は三年前に家を出ていき、いまだに行方がわからない。苦労の連続だったリリーだが、愛する人ローナンにめぐり合い、出会って二カ月足らずで夫婦になった。だが結婚式の翌朝、リリーを待っていたのは、ローナンからの別れの言葉だった。「僕は出ていく。理由を知りたければ君の弟にきけ!」。
26編の詩とモノクローム写真が静かに語りかける短編映画のような詩集。
なにより大切なものは命。生きているというその事実であるー38歳の若さで、肝細胞ガンで逝った最愛の夫の看護・闘病記。
「スレイド…」店に入ってきた男性を見て、クリスタルは顔をこわばらせた。クリスマスを一カ月後にひかえた水曜日、ずっと音信不通だった夫スレイドがふらりと姿を現したのだ。四年前、最愛の息子を亡くしたことをきっかけに、スレイドは家を出ていったのだった。それ以来、クリスタルは店をひとりで守ってきた。いまさらなにをしに帰ってきたの?愛していたのに、あなたはわたしを見捨てたのよ。クリスタルは憤然としたが、クリスマスまでという約束で彼を受け入れてしまう。もとのふたりにはもう戻れないと知りながら…。今年もお届けするクリスマス特集の一冊。
「もしあなたに勇気があれば、僕の挑戦を受けてください」PRコンサルタントのジル・ハーシーは、ドクター・ローガンの言葉に、自分で決めたルールも忘れ、思わずイエスと答えていた。ドクター・ローガンの言う挑戦とは、彼女が“資金集めの天才”として、彼のいる小児科の新病棟建設のためのお金を集めること。そしてジルのルールとは、子供に関係した仕事はしないことだった。ドクター・ローガンから仕事の話を聞いたときも、初めは即座に断った。でも、もしかしたら彼の挑戦を受けることで、自分が子供と男性に対して抱えている問題を克服することができるかもしれない…。ジルは、わらにもすがる思いで仕事を引き受けることにした。一方、ドクター・ローガンはそんなジルの思いも知らず、堅物の彼女に興味を引かれ、ことあるごとにちょっかいを出しはじめた。
容疑者は3人の愛人。毒殺事件は意外な展開に…。十津川警部シリーズ最新刊。
美しい森の中の豪華な屋敷に住むブース家の次女リリアンは、恵まれた環境で暮らす頭のよい美しい少女。長女のエミリーは信心深いが自分勝手で孤独を好み、一歳下の妹ユージニアは生まれつき病弱で寝たきりだが、リリアンとは大の仲良しであった。そんなリリアンの初登校の日、意地悪なエミリーは彼女を実の妹でないとなじった。だが、母はその話をあっさりと認めた。リリアンは自分の妹の子で、その妹は彼女を生んだ時亡くなったと。最愛の母からの思いがけない言葉。だがリリアンは、その話が嘘だと信じたかった…。