昭和の戦争の時代に遺された本から、伏流水のような言葉と記憶を書きとどめること。「不戦六十年」を過ぎたいま、この国の自由と「言葉のちから」を問う。
立花透には、重い心臓病を患う娘がいた。米国で移植手術を受けさせるには、あと三千万費用が足りない。その窮地を救ってくれたのは、十年前に絶縁した親友、画家の秋ヶ瀬遼平だった。高校時代の夢の続きを一緒にみようと誘う秋ヶ瀬を拒み、さらに彼の気持ちを誤解した透は、彼を怒らせ、その金額で身体を買われたことにされてしまう。夜の相手を含めた奉仕をする存在として秋ヶ瀬のそばに留められた透はー。
すぐれた絵画性と稀有の音楽性により、45カ国語を超える地域の読者を魅了するスウェーデンの生んだ世界的詩人、トーマス・トランストロンメル。詩人は簡明な言葉と鮮やかなメタファーで、美しい絵を描き、俳句への接近もこころみる。代表作『悲しみのゴンドラ』とその後の詩篇を収録した、唯一の邦訳詩集。
女は、もはや意識もなくただ横たわるだけの夫に、初めて愛おしさを覚える。そして、自分の哀しみ、疼き、悦びを語って聞かせる。男は、ただ黙ってそれを聞き、時に、何も見ていないその目が、妻の裏切りを目撃する。密室で繰り広げられる、ある夫婦の愛憎劇。アフガン亡命作家による“ゴンクール賞”受賞作。
悲しみと慰めの歌〜リスト:後期ピアノ小品集
フランツ・リスト後期のピアノ小品が映し出す私たちの内面や独自の静寂を「Hunnia Records」の誇る高音質でリアルに収録。作品同士が相互作用を引き起こすように綿密に練られたプログラム構成にもこだわりを感じます。
リストと同じハンガリー生まれのピアニスト、ラースロー・ボルベーイはリスト・バルトーク国際ピアノコンクールで第2位に入賞した経歴も持つ、若くして成熟したピアニストです。(輸入元情報)
【収録情報】
リスト:
● メフィスト・ワルツ第3番(1883)
● 即興曲(1877)
● 聖ドロテア(1877)
● 眠られぬ夜、問いと答え(1883)
● メフィスト・ワルツ第4番(1885)
● 諦め(1877)
● チャールダーシュ(1884)
● チャールダーシュ・オプスティネ(1884)
● 忘れられたロマンス(1880)
● 忘れられたワルツ(1883-84)
● 暗い雲(1881)
● ため息(1879)
● 無調のバガテル(1885)
● プレーナルボンヌ夫人の回転木馬(1875-81?)
● 哀れならずや - ハンガリーの旋法で(1872)
● 子守歌(1880)
● 凶星!(1886)
● 夢のなかに(1885)
● 心を高めよ(1877)
ラースロー・ボルベーイ(ピアノ)
録音時期:2017年4月3,4日
録音場所:ハンガリー
録音方式:ステレオ(デジタル)
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