「花の彩事季」をテーマにひなまつり、入学式、母の日、結婚式、出産、開店などにふさわしい花々をとりそろえてみました。
おそらく著者は、糸だけではない。森羅万象、万物造化すべてに敬虔なのではないか。おそれと愛と讃嘆とを知っているのではないか。およそ現代離れがしていて、悲しいほど純粋で素直になることもできる人なのであろう。一筋の糸屑を捨てられない達人の編物に、どうしてオーラの立ち上らないはずがなかろう、と私は思う。作品は作家の精神のありよう、人格のすべてを如実に反映するものなのである。素晴らしくもあり、おそろしくもあるこうした制作の機微を、ここに見ることができる。