どう工夫してもイマイチなポテトサラダに悩み、入手困難なご当地調味料にときめく。調理前のかたまり肉に高揚し、冷めゆく天ぷらに絶望する。弁当屋で顔を覚えられた恥ずかしさに悶え、飼い主に似てきた猫を愛で心を整える…。思い描いた立派な大人にはなれぬまま加齢していく人生の、ささやかな思考や出来事を、味わい深く見つめ出す。ふつうの生活がいとおしくなる、日常大満喫エッセイ。
世の中の全てに興味を失ってしまった男が見つけた、最後の楽しみ。それは屋根裏を歩きまわり、人間が決して他人に見せることのない醜態をのぞき見ることだった。このみだらな快楽の虜となった男は遂に、完全犯罪を目論むがー。表題作「屋根裏の散歩者」ほか、3編を収録。
クロゼットの町は大騒ぎになっていた。町をあげて南北戦争の戦闘を再現する歴史イヴェントの開催が近づき、誰もがその準備に奔走しているのだ。騒然とした雰囲気のせいか、それまでは目立たなかった微妙な人間関係までが話題にのぼる。そして迎えたイヴェント当日、再現劇では発射されないはずの実弾が人間に射ちこまれた!右往左往する人間たちを尻目にトラ猫ミセス・マーフィ率いる動物探偵団が事件解決に乗り出した。
あるひくろくまくんは、ひとりでおさんぽ。てくてくてく。
「生きていく理由はないと思う。いかに懸命に生きても、いずれ死んでしまうのだから」。日本も人類も滅びて一向に構わない。世間の偽善ゴッコには参加したくもない…。いっぽう妻と喧嘩して首を締められたり、路上ミュージシャンに酒を奢ったり、桜の巨木を見て涙を流したりの日々。「常識に囚われず、しかも滑稽である」そんな「風狂」の人でありたいと願う哲学者の反社会的思索の軌跡。
嵯峨路の登場人物も多彩だった。清和天皇、古代の秦氏、天竜寺ゆかりの夢窓国師、さらには大久保利通や夏目漱石も登場する。しっとりした旅のあと、「仙台・石巻」の主役は戦国の雄、伊達政宗。もっとも戦場の勇敢さがテーマではなく、運河の開発、河川の改修と土木に苦労した政宗を考える。松島も訪ね、「ああ松島や」の看板をみて、芭蕉に深く同情する件が楽しい。
野の花370余種を、花に訪れる昆虫88種とともに、2週間ごとの季節の移り変わりで描く。花、実、根のようすから、季節ごとの姿まで、身近な草花の意外な魅力、新たな発見がいっぱいの植物図鑑。巻末には、植物画の描き方の特別講座付き。
人気雑貨店「hal」の店主が愛する「my定番」をすべて紹介。日々を心地よくするのは「自分らしい定番を見つけること」、そして「小さな習慣を作ること」。毎日の「発見」と、日々の「工夫」。前作以上に商品情報も満載。
友達、鎌倉、猫、子供時代、季節の変化、この社会…。生きていく日々をのびやかに綴ったエッセイ集。
私たちの身近にある花の種類は意外に多く、素人が見分けるのはなかなか難しい。本書ではイラスト、写真を贅沢に使い、個々の特徴をわかりやすく解説します。約500種を紹介したこの一冊で、日々の生活に潤いが増すこと間違いなし。
ぐんまの「たのしい」を探しに行こっ!草津温泉、富岡製糸場、片品渓谷、下仁田駅、伊香保温泉…笑顔がいっぱいほのぼの旅行。初めての写真集。