「数学がむずかしいというのはウソである」と言い切るこの本は、著者の人柄そのままに、数学がきらいな人、数学の勉強がつまらないと思っている人たちへの、やさしい思いやりにあふれている。自分自身には誰よりも厳しく、いつも精一杯生き、書きつづけたユニークな数学者の珠玉のエッセイ集。
お洒落で好色な下町の素顔。吉原を振出しに芝、牛込。芸人や役者の奇行を懐しみつつ、本所、深川へ。
洒脱な語りに甦る江戸の面影。落語や先人の思い出の中に生きている、懐しいあの町、この路地。
新らしくて古い東京再発見。「省線」の頃から、東京のどまん中をグルリとまわっていることで親しまれてきた山手線を各駅停車でルポして、その昔は「御府内」と周辺の村々だった、大江戸の歴史の厚みを懐古する。
『ハイジ』や『若草物語』、『大草原の小さな家』『アリス』など、珠玉のメルヘンを紡いだすぐれた子供の本の作者たちーシュピーリ、オルコット、ワイルダー、キャロルなど、十二人の女性作家と七人の男性作家をとりあげてその創作の秘密をたずね、夢を追う子供たちの世界へ読者をいざなう香気高いメルヘン案内。
物理や数学で無限という考えがいかにして生まれ、発展してきたか、いかにして無限集合論が創られ、それがいかなる成功とパラドクスをもたらしたか。
大自然に心ひかれて、77歳の著者がまるで散歩するようにアフリカを旅して出会った様々な事物や出来事を、明快に描く絶妙のルポルタージュ。
いつ訪れても近江路には光があふれている。渡来文化の香りを色濃く残す石造物をはじめ、寺社、城跡・街並、名物料理など、近江ならではの魅力を探る。
明るい湘南の風土にマッチした蜜柑色と葉緑のツートン・カラーの湘南電車はなぜか心をゆさぶり、伊豆は下田・修善寺へ走る白と緑の「踊り子号」は、熱き旅情をかきたてる。
犬だつて散歩する、いはんや人においてをや。広大な知性とユーモアの宇宙を駆けめぐる、ご存じ丸谷氏一流、読む散歩。イギリスの料理はうまくないという日本人の偏見は、漱石に責任がある。明治維新史の謎、高杉晋作の辞世を推測すると…。日本の武士の切腹は、中国式のホラを真に受けての風俗ではなかったか等々、傑作エッセイ31篇を収録。
本書は『宇治拾遺物語』の翻刻である。底本は、古本系統の、伊達本。吉田幸一氏蔵。観瀾閣文庫旧蔵。慶長年間(1596〜1614)以前書写。二巻二冊。『私家版・古典聚英3』(吉田幸一氏編著)の複製。によった。
「ことばは体を表わす」忘れてはいませんかー大切なことば遣い。ことばの作法を説く。
「とてもいいてんきだね。もりへさんぽにいってみよう」おとうさんがいいました。ぼくは、ポケットにキャラメルをもっていきました。もりへいくみちには、きもちのいいかぜがふいていました。