ひとりの男のこころと人生が一行一行から浮かび上がってくる。静かで哀しく無類に美しい小説。
高裁判事を辞めて居酒屋を開いた男、運転席で勉強を続けて司法試験に合格したタクシー運転手、茶髪にピアスの介護ヘルパーー。様変わりした日本人の働き方を生き生きと捉えたベストセラーに大幅加筆して文庫化。
ほんとうに国を愛するとはどういうことか。その先にあるのは希望か絶望か。「改革」で政府によって打ち捨てられた「負け組」の人々ほど、「愛国」に癒やしを求めるのはなぜか。日本と韓国、ふたつの「祖国」のはざまから鋭い問題提起を続けている注目の政治学者が、「愛国心」という怪物と真正面から格闘する。
宗教教育に基づいた道徳を教えたいー著者のその願いは中学校で一学期間授業をする形で叶った。その授業は、やさしい言葉で教える仏教の「いちばん大切なこと」。仏教を通して質の高い生き方を、中学生だけでなく、すべての学生から熟年世代まで語りかける名著。
世の中の、そこかしこに隠れ、点在する微妙な真実を独特なまなざしで見抜き、するどく切り取る。天賦の才・山田一成の着眼を、天賦の考者・佐藤雅彦が読み解き、ひとつの解とした。それが本書「やまだ眼」である。抗いようのない現実を受け入れ、噛み合わない歯車を確かめ、日常を見据える。日々の厄介も、不具合も「やまだ眼」は看過しない。毎日新聞夕刊で、じわり人気を博した月2連載。書き貯め・書き下ろしネタも一挙収録。
全国のスタジオで絶賛された珠玉のレシピが満載!お料理1年生にも簡単においしく作れるメニューを厳選し、生徒に大好評のオリジナルイラストでわかりやすく解説しています。
小学生の弘海は、体に異変が起こり、水の中を好むようになる。心配した両親は、世界中に同じような子供がいることを知るが…。少年少女の淡い恋心と家族の絆を描く『いま、会いにゆきます』に連なる長編小説。今や映像の世界でも注目の市川ワールド、待望の文庫化。
アジア通貨危機が世界を襲い、日本の大手金融機関がバタバタと倒れた1997年。金融危機が深化したこの年を境に、世界のマネーの流れが大きく変わった。「不確実性」に支配された市場を、どうコントロールするかー。1997年の動きを検証し、次なる「危機」への処方箋を探る。
看取る人、逝く人。死を目前にした人は、何を思い訴えるのかー。「命のエンディング」までの様々な臨床エピソードを、ホスピス医療に携わる医師が手紙に託し、詩人が詩と散文で応える。二年間にわたり交わされた医師と詩人の心ふるえる往復書簡、魂の記録。
世界に冠たる老舗大国の強みは、老舗の「ベンチャー精神」にあった!誰よりも企業を見続けてきた目利き集団が、財務、歴史、社訓など、あらゆる角度から徹底分析。経営者へのインタビューと最強のデータベースから、不況、震災、戦災を生き抜く企業の秘密を解き明かす。老舗研究の決定版。
捕えられた貴族の下僕の護送を命じられた女治安官は、三人の助手とともに、ハンターや酒場女、移動鍛冶屋らが乗り合わせる馬車で『都』へと向かった。街道は途中、下僕の主、シニスター公爵の領地を通る。下僕奪還を図る公爵が送った人面翼獣に惑わされて迷い込んだ貴族の隠れ墓地で一行が出会ったのは、Dであった。いかなる依頼を受けているのか、Dは馬車に同乗し、一行と危険な旅を共にしはじめた。
「渋滞学」を提唱し、小仏トンネルの渋滞を実験で解消した著者による、無駄なくスムーズに仕事ができる画期的な逆転の法則。
個室特急での密室殺人という古典的テーマを“相棒的”に料理した「寝台特急カシオペア殺人事件」、おなじみついてない女月本幸子の後日譚「ついている女」、異色の傑作「新・Wの悲喜劇」、そして「複眼の法廷」のアンサー篇「黙示録」など、どれも読み過ごせないシーズン6後半ノベライズ第12弾。
今日はいいゴルフになりそう!よいことが起きたとき、スッと心の中に忍び込むいつもとは異なる期待感こそ、スコア崩壊の始まりだ。コース攻略から、スイング、クラブ別のショット術まで、多くのゴルファーをシングル入りさせたアマチュア界のカリスマによる「逆説のゴルフ」、超実践的レッスン。
19世紀末、人類の長い歴史のなかではじめて人間の「精神」に注目したフロイト。深い観察眼で人々の心のなかをのぞき続け、同時に「夢」の持つ意味をも追求し、現代における人間の精神の闇に迫る…。心理学のみならず人類の社会・文学・教育・芸術…あらゆる分野に変革をもたらした『精神分析入門』『夢判断』の2作を漫画化。