母・樹木希林と父・内田裕也をたてつづけに喪った。虚しさ、混乱、放心状態、ブラックホール…人生の核心的登場人物を失い空っぽになった私は人と出会いたい、と切望した。5年間の心の旅路を映す“対話”エッセイ。
中学入学を前にしたサッカー少女の亜美と、小説家の叔父。コロナ禍で予定が消えた春休み、二人は、徒歩で鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。期間は約一週間。利根川沿いをゆき、ドリブルをして、風景を描写する。歩く、書く、蹴るーこれは練習の旅だ。三島由紀夫賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞。
城塞都市ルナンの王子カイルロッドは、〈卵王子〉と呼ばれていた。彼は母親から、卵として生まれたのだ。そのショックで母親は彼を産んですぐ死亡してしまった。しかし、父王の愛情に包まれ、王子はいたって暢気な青年に育っていた。唯一の悩みは生まれのせいか、嫁の来手がないこと。今日も今日とて、やっと決まった婚約者に逃げられてしまった。うさばらしに城を脱け出し、街の酒場に行ったカイルロッドは、つい飲みすぎ、酔いつぶれてしまう。翌朝目覚めた時、彼の前には、異常な光景が広がっていた。ルナンの人々が石と化していたのだ。呪い?誰が、なんのために…。謎を解明し、人々を救うため、カイルロッドの遥かなる旅が始まった。
いたずらっ子ニルスは、なまけもので、お手つだいや、勉強が大きらい。ひょんなことから小人になってしまったニルスは、ガチョウのせなかにのって、遠い旅にでかける。ツルのダンスを見てうっとりしたり、キツネにおそわれて危機一発。さあ、あなたもニルスといっしょにすてきな冒険をしてみないか。小学中級から。
“旅人の木”-分厚い葉の基部に水を貯え、熱帯では渇いた旅人が喉を潤すという。僕は九つ違いで音信不通の兄を訪ねて、この街にやって来た。複数の女友達、アルバイト先の同僚…かつての憧れの的は、思いもかけぬ顔で僕を混乱させる。僕の渇きをいやす“旅人の木”はどこに。詩的なタッチで都会の漂流を描く青春小説。
古文書から目覚めるもう一つの「ヨーロッパ」。ロシア語などで使われるキリル文字。この不思議で魅力的な文字の歴史を若きスラヴ語学者が解明する。
プロフィット・ゾーンーそれは、持続的かつ卓越した収益性で、企業に莫大な価値をもたらす領域である。利益を追求しない企業などない。だが、利益が生じる真の背景や理由を理解している企業は非常に少ない。もはや、市場シェア優先の経営戦略では、勝ち残ることは不可能なのだ。本書の目的は、「収益性の秘密」を、大成功企業のビジネス・デザインから見出せる新しいアイデアによって解き明かすことにある。
日本には現在もなお、無尽蔵と言える古文書が未発見・未調査のまま眠っている。戦後の混乱期に、漁村文書を収集・整理し、資料館設立を夢見る壮大な計画があった。全国から大量の文書が借用されたものの、しかし、事業は打ち切りとなってしまう。後始末を託された著者は、40年の歳月をかけ、調査・返却を果たすが、その過程で、自らの民衆観・歴史観に大きな変更を迫られる。戦後歴史学を牽引した泰斗による史学史の貴重な一齣。
1894年7月、ローラたちは酷暑のなかを、自分の土地をもとめて馬車の旅に出るーその時のローラの旅日記と、のちに娘ローズが書いた当時のワイルダー家の生活の記録をおさめるノンフィクション。ローラ物語5。中学以上。
本書は、単語やフレーズを指さしながら会話ができる本です。中国語の「標準語」を中心に、一部「上海語」もご紹介。実際の会話の場面で話し相手に興味を持ってもらうための工夫がいたるところでなされています。言葉の一つ一つは、使うためはもちろん、現地の人たちに“ウケる”ことも考えて選ばれており、イラストも興味をひくために盛り込みました。第1部「指さしシート」は、見たいページがすぐに開けるよう、状況・項目別に分類されています。各単語・フレーズには、できるだけ実際の発音に近い読みがなを付記。第2部は、コミュニケーションのコツや声調などを収録。単語集は便利な辞書形式で、第3部(日本語→中国語<標準語>)にて約2500語、第4部(日本語→上海語)にて旅行者にとって必要度の高い言葉を超厳選して100語程度収録しています。
ベテラン脚本家の室生晃一は、休暇のために訪れた沖縄で、シナリオ学校の教え子である大木新子に再会する。新子はかつての恋人でもあり、今や超売れっ子脚本家になっている。彼女が沖縄に来たのは、公共放送ドラマのシナリオのストーリー作りに行き詰まったためだった。頼まれて相談に乗る晃一だったが、実は偶然に思えた沖縄での二人の邂逅には、大いなる裏があった…。
本書は、英検二次試験リニューアルに関して徹底的に研究したうえで制作された、新しい出題傾向に完全対応できる改訂版である。本書を利用すれば、注意すべきポイントがわかり、不安も解消できる。問題に関しては、現在私たちの身近にあり、実際の試験で取り上げられるトピックに近いと予想されるものを精選している。
ぬけるような青い空、風に吹かれてうとうとと…。雨上がりのオールドタウン。古くて懐かしいアンティーク探し。バスを乗りこなし、ハワイをお散歩。著者がみつけたハワイ。杉浦さやかの旅手帖シリーズ第2弾。
おいしさの鍵はナムプラー。ふたつの国の台所で教わった99のレシピ。食いしんぼの旅日記。
前半の「春編」に引き続き、福井県九頭竜湖駅から出発した旅人・関口知宏。北陸から東北、そして北海道…美しい秋の風景や心温まる人々との出会いを重ねながら、ついに最終ゴールの根室駅へ。ここに20000kmにもおよぶJR全線走破が達成した。その感動の34日間をつづった絵日記を、未公開写真やエピソード満載で贈る。「究極の旅の記録」完結編。
銀行員とシンガー・ソングライターという異色の経歴を持つ、小椋桂のベスト・アルバム。デビュー作『青春〜砂漠の少年〜』収録曲から、大ヒットした「シクラメンのかほり」まで、代表曲を収録。