人生を「旅」と観じ、自己の生活をそのまま芸術と化した「風狂」の姿。紀行文の形をとりながら芭蕉はこの一書に自らの俳諧の到達点を示そうとしたのであろう。美しく味わい深い文章、構成の巧み、磨き抜かれた芸術精神、それらが生み出した「幻術」の世界がここにはある。旅の実録『曾良旅日記』、秀れた古注釈書『奥細道菅菰抄』を併収。
人のこころのたどるはるかな旅路には、たちむかわなければならない嵐があり、越えなければならないいくつもの峠がある。本書はひろい視野をもつ体験ゆたかな一精神科医が、あたたかい筆致で人のこころの一代を語る。「結婚を決意させた運命の一冊」として、テレビや週刊誌で紹介された、いま、話題の本。紀子さんの愛読書。
ふとしたいたずらがもとでこびとにされてしまったニルス少年は、ガチョウに乗ってガンの群れといっしょにスウェーデン縦断の旅をすることになります。スウェーデン児童文学の古典を、原書のさし絵を豊富につかい完全訳で贈ります。小学上級以上向き。
原始仏典の中にはブッダの生涯はほとんど記されていない。だが彼の死は、信徒にとって永久に忘れえぬ出来事だった。パーリ語本『大パリニッバーナ経』の中に、ブッダの死とその前後の事件が詠歎をこめて語られている。本書はこのパーリ語本を底本とし、サンスクリット本、漢訳本を参照して邦訳。巻末に周到詳細な注を付した。