近世では、こどもは村全体で育てるという風習がありました。こどもたちは、ともに村の祭りや行事に参加し、労働を手伝い自然の中であそびながら成長しました。その一年のくらしを描きます。
《青春》は、みずからが、たゆみなく、みずからの情熱の全量で、磨き上げつづけていかねばならぬ。その強靭な志向は、誰もが負わねばならぬ痛ましい運命とは異って、やがて人格の正直な《無垢》へと通じ合うだろう。梶井基次郎と三好達治の二人の青春は、そこにつきあおうとするものの心に、新鮮な抒情の無垢の所在を、まるで腹立たしいほどの輝やかしい狂気のように、容赦なく突きつけてくるのである…。
スサンナとムーミン谷のみんなのおはなし。
人生を「旅」と観じ、自己の生活をそのまま芸術と化した「風狂」の姿。紀行文の形をとりながら芭蕉はこの一書に自らの俳諧の到達点を示そうとした。美しく味わい深い文章、構成の巧み、磨き抜かれた芸術精神、それらが生みだした「幻術」の世界がここにはある。旅の実録『曾良旅日記』、すぐれた古注釈書『奥細道菅菰抄』を併収。
気候の変化が起こり、食料の植物が減った。トリケラトプスのむれも南へ旅立つ準備を始めている。だが恐ろしい肉食恐竜がつけ狙っていた。ダスプレトサウルスだ。幼児〜小学生向き。
南方熊楠は、生物学者としてだけでなく、博物学、考古学、民俗学の分野でも、世界に通じた偉大な学者であった。その巨人の生涯をたどる。小学上級以上。
三百万年前の地球に出現した謎の石板は、原始的な道具も知らないヒトザルたちに何をしたのか。月面で発見された同種の石板は、人類に何を意味しているのか。宇宙船ディスカバリー号のコンピュータ、ハル9000はなぜ人類に反乱を起こしたのか。唯一の生存者ボーマンはどこに行き、何に出会い、何に変貌したのか…。発表以来25年、SF史上に燦然と輝く記念碑的傑作に、作者クラークの新版序文を付した完全決定版ついに登場。
椎名組とほほほプロデューサー撮影日誌。映画「ガクの冒険」はいかにして作られたか大きな夢と胃袋を持った男たちの155日。
「被害者は、誰を殺したのか?」長崎の一流ホテルで起きた殺人事件に興味を抱いたルポライター浦上伸介は、被害者野山が「長崎駅近くのホテルで女を殺したらしい」と洩らしていたという情報を入手した。この情報を追うことこそが、野山を殺した犯人に辿り着く早道と思われた。が、該当する殺人事件は皆無であった。では、被害者は誰を殺し、誰に殺されたのか…。
エバーストーンの森に住む、わにのイワンはきこりをしています。きこりは森をたすける大事な仕事。遊びにきたダヤンに、イワンはひみつのはなしをしてくれました…。
自らを「大島の百姓」と称し、生涯にわたり全国をくまなく歩きつづけた宮本常一。その歩みは同時に日本民俗学体系化への確かな歩みでもあった。著者の身体に強く深く刻みこまれた幼少年時代の生活体験や美しい故郷の風光と祖先の人たち、そして柳田国男や渋沢敬三など優れた師友の回想をまじえながら、その体験的実験的踏査を克明かつ感動的に綴る。宮本民俗学をはぐくんだ庶民文化探究の旅の記録。
わかりやすい文章を書くためには、何に気をつけたらよいか。日頃から心がけるべきことは何なのか。『朝日新聞』のコラム「天声人語」の元筆者が、福沢諭吉から沢木耕太郎にいたる様々な名文を引きながら「文は心である」ことを強調するとともに、読む人の側に立つこと、細部へのこだわり、先入観の恐ろしさ等のポイントをていねいに説く。
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。