ぼくの名まえはイカマル。海上でマリン号を自分の手足のようにあやつる、サンゴロウ親分に、あこがれて、ぼくは一せきのおんぼろ船を手にいれ、カニヘイさんに修理してもらう。船の名まえは、イルカ号。親分にこの船をみせる日が、たのしみだ。
ぼくのなまえはケン。いとこのミリと冬のハナミサキにいる。ハナミサキは特別なおもいでの場所だ。五年前、サンゴロウと名のる黒ねこにであい、宝さがしの冒険をした場所だからだ。
ゲダンケンは科学者になるのが夢の女の子。有名な科学者であるアルバートおじさんのめいで、ふたりは大の仲よしだ。あるとき、おじさんに理科の自由研究のテーマを相談したゲダンケンは、奇想天外な実験をもちかけられー宇宙船に乗って、光を追いかけることになった…。ふたりが発見する“時間と空間”のびっくりするような性質ー「相対性理論」をめぐるSF冒険ファンタジー。小学上級以上。
おれのなまえはサンゴロウ。わけあって、やまねこ族のかくれすむ「貝がら島」のクルミにあいにいったところをカシザエモンのむすこにとらえられてしまう。ナラジロウとクヌギの兄弟は、つぎの長老になろうとあらそっていた…。貝がら島を訪れたサンゴロウは島の権力争いにまきこまれ、失われた先祖の記憶をたどる…。
おれのなまえはサンゴロウ。おれがいったい何者なのか、どこからきたのか、そして、どこへいくのか。どうしても、その答をみつけたい。それにはふたたび北の海のブロックごえにいどむ必要があった。
マリン号とサンゴロウが金の波と銀の風のあいだでであった、ふしぎな生きもの、ふしぎな事件。みどりの小鳥と幽霊船と、そして謎のねこ。マリン号ででくわしたさまざまな事件、短編3編。「黒ねこサンゴロウ」番外編の短編集です。
空前の規模の深刻かつ悲惨な被害を発生させ、公害史に特筆される水俣病ー。その公式確認から40年、村山連立内閣の下で「紛争の政治決着」が図られた。しかし、これで問題が解決されたわけではない。本書は「怨」と染め抜かれた黒旗の下に、水俣病闘争を担った川本輝夫らの患者や支援者の闘いを軸に、闘争の全体像・全軌跡を、克明な取材で分かりやすく描いた注目の力作。
さまざまな特徴をもつ日本民族はどこからきて、どのように形成されてきたか。その謎を、人類進化の壮大なドラマの中で、ごく普通の集団として生れたことを追求。人種偏見や差別がいかに根拠のないものかを浮彫りにする。
水銀は、その歴史も古く、エジプトの古墳や中国の遺跡からも水銀利用の出土品が見つかっています。生活のなかに見近に溶け込んでいる水銀。ちょっと意外なその周辺の話を探ってみます。
大阪はアホ。東京はバカ。境界線はどこ?人気TV番組に寄せられた小さな疑問が全ての発端だった。調査を経るうち、境界という問題を越え、全国のアホ・バカ表現の分布調査という壮大な試みへと発展。各市町村へのローラー作戦、古辞書類の渉猟、そして思索。ホンズナス、ホウケ、ダラ、ダボ…。それらの分布は一体何を意味するのか。知的興奮に満ちた傑作ノンフィクション。
いまだ批評ではないが、しかしその萠芽を孕んでいるなんらかのイメージーひとつの面影、ひとつの名、ひとつの瞬間、ある表情、ある匂い、ある手触り、歩行中のちょっとした閃き、記憶に蘇ってきた風景の、また忘却を免れた夢の断片、ある作品のほんの一行、映画の一シーン、成就されることがなかった希望など。現実と幻想のあいだに、経験と夢のはざまに、現在と過去の閾に漂っている想いの断片が思考の運動を開始させる。私的な記憶が歴史の記憶とせめぎあいつつ出会う場所へ、私たちをいざなうベンヤミンの新編・新訳のアンソロジー、第三集完結編。
ネブリというまちのおはなしです。おとうさんが、おとこのこに、オリーブのきで、ガバタばんをつくってやりました。ガバタばんというのは、エチオピアのしょうぎばんのことです。おとこのこは、そのガバタばんがとてもきにいって、まいあさ、たにまにうしをつれていくときに、だいじにもっていきました。読んであげるなら4才、自分で読むなら小学校初級むき。