世界をステージに駈ける諏訪内晶子は3歳からヴァイオリンを始めた。18歳のとき、最年少でチャイコフスキー国際コンクールで優勝、さらなるヴァイオリンの音を求めて、ニューヨークへ留学。ジュリアード音楽院本科・修士課程卒業、コロンビア大学、国立ベルリン芸術大学においても学んだ。自らの音楽と生き方を考察する。今、世界が注目するヴァイオリニストの繊細な心模様。
あれはいつのことだったか。過ぎ去りし記憶の中の風景。微熱を誘う気怠い午後、突如衝き上げる官能、夕暮れ時の淡い光、やるせなさが胸を塞ぐ、ほの暗い闇が溜まる部屋、黴の匂い、しんとした廊下の冷たさ、奇妙な既視感、柔らかい時間の記憶、大切にしていた想い…扉を開けば懐かしい香りが甦る。
西暦2033年、太陽系外縁で発見された巨大彗星が500年後に地球に衝突するとの報がもたらされた!迫りくる滅亡を前に人々は絶望し環境保全など地球の未来への関心が失われていった。そんなおり、ハイテク企業アワワールド社は、いかなる障壁にも遮られずに時間と空間を超えた光景を見ることのできる驚異の技術ワームカムを完成させた。はたしてその存在は人類にとって救いとなるのか?英SF界の巨匠と俊英による話題作。
八十を過ぎた老作家は、作者自身を思わせて、五十過ぎの重度アルコール中毒の息子の世話に奮闘する。再婚の妻は血のつながらぬ息子の看病に疲れて、健忘症になってしまう。作者は、転院のため新しい病院を探し歩く己れの日常を、時にユーモラスなまでの開かれた心で読者に逐一説明をする。複雑な現代の家族と老いのテーマを、私小説を越えた自在の面白さで描く。『抱擁家族』の世界の三十年後の姿。
本書のなかに出てくる「ものの見方・考え方、仕事の進め方」を見て、「大変だな」という感想を持つ人は多いと思う。トヨタ生産方式を導入した人の多くも、最初はなれ親しんだ「見方・考え方、進め方」を変えていくのに大変な苦労をしている。しかし、やり続けることで、いまはそれを当然と考え、会社も自身も、どこにも負けない競争力を身につけている。テキストなき時代には、自分の頭で必死に知恵を絞り、自ら実行に移していくしかない。「トヨタマン」最強の流儀!「人を活かす名語録」で綴る世界標準「TOYOTA WAY」の本質。
19年間女性キャリアとして防衛庁内部をつぶさに見つめ続けた著者が綴る、とんでもない真実。
本書は、マーケットを心理学から読み解くことによって、なぜ人々がそうした行動をとってしまうのかを分析し、その処方箋を描き出す。
早朝、五月は米国にいた頃の相棒から電話を受け、共通の友人・シンシアが撃たれたと知らされる。そのことを知らない行衡は、朝早くに起きてきた五月に驚き、首を傾げた。しばらく相手をする彼だったが、義兄の様子がおかしいと気づく。珍しく深刻なのだ。しかし、話したければ話すだろうと、行衡は放っておくことにした。そこへ、緊急召集された探偵団のメンバーがおしかけてきて…。
学園内のサバイバル・チーム「ブラボー小隊」から演習に誘われたS黄尾探偵団。フル装備で戦いに挑んだものの、突然警察が現れ演習は中止に。改造拳銃による発砲事件を知った彼らは調査に乗り出すが、訪れたモデルガン・ショップは花音の兄・洋佑のバイト先だった。そこで花音が探偵をしてること、さらには行衡とつきあってることが超シスコンの洋佑にバレてしまい、花音は軟禁状態にー。
インテル創業者には、こんな過去があった。ナチスによるユダヤ人迫害、ハンガリー動乱を体験した著者が、難民船に乗ってニューヨークに辿りつき、再出発をはじめるまでのドキュメント。
盆栽に必要なのは、「お金」でも「知識」でもありません。自然のままに生かしつつ、自然を超えた美を表現するーその精神が、品格と安らぎのある一鉢を生むのです。本書が伝えるのは、日本人が忘れかけた盆栽の「極意」と「粋」。手軽に、しかしあくまで本物に触れたいあなたが、「実用の美」を堪能できる格好の一冊です。
16歳の誕生日を前にパシフィカは落ち着かない日を過ごしていた。それはパシフィカにとって思いもかけない誘いだったから。血を分けた双子の兄が自分に会いたがっているという。「私の双子の兄さん…。喜んでーくれるかな?喜んで…くれる…よね?」そして、ついにその日はやってきた。初めての対面に緊張しつつも嬉しそうな二人。それを見守る義兄シャノンと義姉ラクウェル。全てが穏やかな幸福感に包まれたまま終わるはずだったのに!世界がパシフィカのために用意したシナリオは、あまりにも残酷だったー。榊一郎が贈るハートフルファンタジー。超絶クライマックス。
「Uの烙印」事件のせいで留年し、この春めでたく六回目の四年生をむかえた善美。「卒業できなかったら結婚でも何でもしてやる」と切った啖呵があだとなり、母親の清美からは毎日“強制お見合い写真”が。容赦ない嫌がらせにパニクった善美は、娘のサナを連れて家出を図るが、激怒した母親はなんとS黄尾に追跡を依頼!善美vsS黄尾、世にも恐ろしい“身内狩り”ゲームがはじまったー。
「助けて…」。ある日、兵悟とユサあてにかかってきた謎の電話。その声は、昔自殺してしまった親友“ゆうま”に酷似していた。まさか、その彼からのメッセージでは、彼はまだ俺たちのことを許していないのでは、と不安に陥るふたり。一方S黄尾は、行方不明の男の子の捜索を引き受けるが、兵悟だけはなぜか足どり重く、なにかを引きずったまま…。愛と野心と後悔が激しくクロスする。
2003年の3月、突然の肺癌を宣告された吉田拓郎。告知から、摘出手術。そして復活。その後、彼は念願のフルオーケストラを率いた全国ツアーを大成功させた。その軌跡を、幾度にも渡るインタビューと、細かな周辺取材で綴った復活へのドキュメンタリー。生きることの意味は何か、そして、吉田拓郎の音楽とは何かを伝える、感動の一冊。