横須賀藩の留守居役・高田兵衛は、双子の兄の病死により、商人として育てられながら、武士として生きることを運命づけられた者。その年の参勤交代の藩主江戸入りの日、兵衛の許へ藩の難事が持ち込まれた。国元の一行から、腹痛のためお供外しとなった藩士・田辺の行方が分からないという。田辺が騒ぎを起こせば、藩の名に傷がつきかねない。兵衛は安否を気遣い極秘に行方を追い始めるが…。書き下ろし時代小説。
ルームシューズや手さげ袋への愛着、身近な不用品の形をいかしてクマの人形作り、草笛など懐かしい遊び…日常の中で著者が大切にしている生活雑貨や和の楽しみについて、イラストと素直な言葉で綴る。相手の好みがわからず悩むことの多い、お祝いの品や手土産など、贈り物アイデアも満載。家事も仕事も、犬の散歩にも、日々のすべてにひと工夫と愛を惜しまない暮らしぶりが伝わるエッセイ。
季節はずれの台風、大晦日に降る雪。風邪をひいた午後、いつもの散歩道。たんたんと暮らす毎日の中で、時折ふと胸によぎる「家族」という言葉。日記エッセイ第6弾。
古くから家庭で親しまれてきた「手ぬぐい」。手ざわりがよく、使えば使うほどなじんできます。吸湿性のよさ、使い勝手のいい大きさなど、実用性もバツグン。きれいな色と豊富な柄も魅力。そうした手ぬぐいのよさを生かした暮らしの中で使える小ものを紹介。
江戸時代から続く老舗の銭湯「夢の湯」を両親から引き継いだ中楠朋宏は、代々受け継がれてきた銭湯を無くさないため、唯一の家族である妹の悠香のために必死に働いていた。しかし、今はどこの家にも風呂があり、経営は大赤字。やむなく、代々続いた銭湯を閉める決断をする。営業最終日、最後のお客さんを見送ったあと長年の感謝を込めて掃除をしていた朋宏と悠香は、ボイラー室の片隅に古びた木箱を見つける。さっそく開けてみると、そこにはとんでもないものが封印されていた。潰れる寸前だった銭湯が大復活する奇跡のストーリー始まる!
高齢になってきた父・四朗と母・典江は久しぶりの夫婦旅で函館へ。40歳の娘ヒトミはひとり旅に挑戦したり、いつのまにか家族の外食を仕切る立場になったことをちょっぴり寂しく思ったり…。平均年齢60歳、沢村さん家の日常を描いた「週刊文春」人気連載を2巻合本で文庫化。著者が沢村家を訪問する描き下ろし漫画も収録。
『サラダ記念日』から20余年。母・俵万智が初めて歌う、子どもの世界、親の心。
絵手紙を始めたばかりの方はもちろん、何年も絵手紙を描いている方々でも、「一言そえる言葉が難しくて」とおっしゃることがとても多いように思われます。また、絵は楽しく描けるけれど、「文字が苦手」「悪筆だから」という声もよく聞きます。この本は、そんな方々のお悩みに応えたいという意図で作られました。
なんでもない日だけど。春夏秋冬のささやかな暮らしを綴る、待望の描きおろし。
帝都・東京を舞台に、暗躍する鬼たちと人々の戦いを描く大正編が開幕!
信長の人生は広く知られているが、「桶狭間の戦い」以前の足跡は知らない人が多い。本書では、永禄九年(1565)に岐阜城にて「天下布武」の印を使い始めるまでの半生に着目。この天才を生み出し、育んだ背景や地域を丹念に読み解きながら、青年・信長の実像に迫る!気難しく恐ろしげなイメージの信長だが、きれい好きで、相撲ファン、趣味は踊りなど、意外な素顔も知れる一冊。
東京の小さな書店で、個性的な店員に囲まれながら働く楠奈津。文庫文芸担当の彼女は、新人バイトの紗和とともに膨大な仕事に埋もれていた。ある日、某出版社から持ち込まれた新人デビュー作のゲラを読んだ奈津は衝撃を受け、全店フェアを提案する。だが、「なぜ新人の作品を?」「情熱だけで売れるわけないだろ」と周囲から猛反発を受ける。「私が売りたいと思ったんですよ。売れてほしいと思った。それじゃいけないんですか!」果たして、奈津の想いは報われるのだろうかー?
「文章は話すように書け」「人の身になって考えろ」「編集者にとって字はいのち」「写真をうまくとるためには、映画を見ろ」「唐澤クン、負け犬になるな!」-伝説の編集者・花森安治はきわめつきの頑固でワンマン、そして自由でしなやかな精神をもつ、天才肌の職人だった。誰よりも怒られた「暮しの手帖」元編集部員がつづる回想。
ひたすら発音、そして暗唱。他のやり方は知らない。ロシア語学習にいそしむヘンな高校生が人気語学教師になるまでの、厳しくも楽しいミール・ロシア語研究所の日々。外国語を学ぶ楽しさを語らせたら右に出る者はいない黒田先生が、青春時代を振り返る。