庶民の苦しみや悲しみに頓着しないお上に怒りを覚えた大工の伝六、「俺は、将軍家斉を説教する!」ととんでもないことを言い出した。何にしても金がいると踏んだ伝六が、大店の勘当息子染次郎を巻き込み向かった先は…。思い込んだら命がけ、後先考えない伝六と厄介事に巻き込まれてばかりの染次郎、人騒がせな二人が引き起こす珍騒動を描く、書き下ろし痛快長編時代小説。
笑いあり、涙あり!日々のオバケの活躍(?)をステキに可愛らしく、生き生きと(死んでますけど)描く珠玉の短編集。
個人資料集としては世界有数の存在である『渋沢栄一伝記事料』全68巻は、渋沢敬三の「必要とする人に自由に使ってもらう」という発意と財政的支援によって編纂が進められた。また敬三は、渋沢栄一の事績を歴史の文脈に置くため、経済・産業が発展する経過を物語る実業史博物館を構想し、その創設を図っていた。これらの事業は、「竜門社」(現・渋沢栄一記念財団)を通じて行われた。当事者の日記や竜門社の諸資料を精査、アーカイブズ構築、文化資源化、社史・実業史研究の知見に満ちた渋沢敬三の人間像を浮き彫りにする。
14世紀初頭、政争に巻き込まれたフィレンツェを逃れ、聖フランチェスコの教えを守る、アッシジの「小さき花の兄弟会」に身を寄せた謎の男。彼こそダンテ・アリギエーリエであったー。ほとんど知られていない『饗宴』執筆に至るダンテの苦悩を豊かな想像力で描き出す、構想三十余年ー壮大な歴史絵巻。
一度は折れた心をつないでついに聖地に立った熱血ボスと、球児たちと、学校の再挑戦の物語。
社交界の人々のためにパーティを企画するカーリーは、有望な顧客候補リカルド・サルヴァトーレに引き合わされた。ナポリのスラム街から億万長者にのし上がった彼は、カーリーにパーティを任せられるか視察したいのだという。リカルドに会った瞬間、カーリーはその男性的魅力に衝撃を受けた。一方、リカルドはまったく違った目で彼女を見ていた。金のためなら簡単に体を許す、パーティ好きの貪欲な女に違いないと。そういう女なら迷わず誘惑し、ひとときの情事を楽しもうと。そんなこととはつゆ知らず、カーリーは彼との視察旅行へと旅立った。男性に対して初めて感じた、甘く疼く何かに怯えながら…。