森のなか、わずかにひらけた草むらに、肩にこもれ陽を散らした彼がいる。黒くかがやく目、ちいさな顔が、咲きひらいた、マーガレットのような彼女がいる。わたしは炎のようなものが、心を焼きつくすのを感じた。-わたしは魔女になった。
あたしの名前は、桜田都。ことしでキャリア5年目のCFプランナー兼コピーライター。24歳で、もちろん独身。そして、猫1匹と一緒の、気ままなマンションひとり暮らし、してる。え?猫って。ホントの猫だよ。違う違う、カレシなんかじゃないってば。最近、仕事が忙しくって、恋人つくる余裕ナシ!なの。なーんて。これは、半分本音で半分虚勢かもしんないな。2年前に別れちゃった“セイちゃん”の想い出たちが、あたしの生活の中にたくさん残ってる。好きだったヒトのこと、忘れたいような、忘れたくないような…。複雑な気分のいま、なんだ。
見知らぬ男の後妻となるホステス(「日曜日」)、20年前の恋人と再会するやくざ(「裏町」)、腹違いの子を育てる玩具店の女房(「棚の隅」)…。名作『恋文』の直後に書かれ、裏町に住むさまざまな人々の胸の思いをあざやかに掬い上げて、著者の新たなる到達点を示した珠玉の10篇を収録する短篇集。
ひょんなことから、美奈は「ばあちゃん連合」をしらべるスパイみたいなことになってしまって、なんだかユウウツです。おばあちゃん達は、いい人みたいだから…。ところが、おばあちゃん達のほんとうのねらいは…?好評「土よう日のごごはめいたんてい」続編!
「意義ある日曜日」にしようと、海外へ飛び続けるシルバーの男たち。作家・城山三郎とNHK取材班は、彼らを追って、アジアに旅した。
生徒の発表を引き出す教室英語。教室で生き生きと交わされる英語、それは広い世界に通じる。
自然の楽園を求めて、北海道の原野でくらしている著者が、アメリカの砂漠の旅にくり出した。その乾いた大地には、サボテンが花開き、鳥やウサギやリスたちが、目の前に、足もとに、次々と姿を現わす…自らの自然体験をふりかえりながら、砂漠の豊かな自然の姿を、三人の旅の仲間との珍道中とともに、いきいきと描いた、ナチュラリスト砂漠紀行。
うちに手品師のおじさんがいると思うと、学校にいく気分までまるでちがった。心のどこかがスキップしているようで、だれかにおじさんのことを話したくてしかたなかった。それでつい、となりの席のさつきちゃんに「うちに手品師のおじさんがいるといったら信じる?」と、いってしまった。小学中級以上。
まいにち、きょうこそかさを買おうと思うのに、なぜかうまくいかない、のんびりおじさん。なかよしのむく犬もわらっています。いったい、いつになったら買えるのかしら…。やわらかな色彩で描かれた、フランスのユーモラスな絵本です。4才から。
ぼくはにちよう日になると、へんしんする。ようかいになるんだ。おそろしいようかいになって、おとうさんをとおせんぼうする。そろそろゆうがただ。さあ、ようかいとおせんぼうずにへんしーん!
とうさんに買ってもらったばかりのランニングシューズをはいて、ぼくは走る。いつもいっしょに走っていた犬のバウはもういないけれど、バウのぶんもいっしょに風をうけて、ぼくは走る。もっと走る。5月のはじめ、日曜日の朝だった。毎日新聞「はないちもんめ童話大賞」(1986年度)を受賞した表題作をはじめ、「ぼくのピエロ」「夏まつりのまぼろし」「いじめっこに、ごようじん」など詩情豊かな6短編を収める。
あたし、仙子。ドジなとこだけが先祖の久米仙人ゆずりかと思ったら、超能力まで遺伝するなんて。あたしは恋人の温海さんに触れられると空を飛んじゃうし、お兄ちゃんは人の心を読めるテレパスなの。ハンサムなのに、フラれてばっかりのお兄ちゃんだけど、最近、恋人ができたみたい…。親友の青葉とあとをつけたんだけど、行き先は荒れはてたお寺。お兄ちゃんの様子が、へんなの。