チベットの最奥地にチベット仏教徒にとって最も聖なる地がある。カイラス山、マナサロワール湖、それに処女峰として世界で二番目の高さ(7,694メートル)を誇るナムナニ峰を含む山域。この聖地の未踏峰に挑んだ、日中合同隊の登頂成功へのドラマとカシュガルからラサまで、チベット西、南縁延べ3,500キロのキャラバンの報告書である。
日本のこころと伝統美を凝縮した典雅な空間の全貌。写真界の大御所があますところなくとらえた建築美。宮内庁蔵版。
膨大な数の民間企業の設立・運営に関わった渋沢の企業者活動について、関与のあり方、トップマネジメントの手法、資金面のネットワークなど多方面から分析した画期的な研究。
本書は、近代日本情報史の通史的考察の出発点となる明治前期日本の情報活動を明らかにする。この期間の軍事情報活動と情報関係者の対外認識を明らかにし、政府の対外政策を検証。多数の未利用史料を踏査し、陸海軍、外務省、政府全体の対清・対露活動における情報収集から対外政策への活用まで、日本の情報活動の全体を対象とした。単なる情報史でなく外交史研究との架橋を初めて試みた画期的研究成果。
近代最初の対外戦争である日清・日露戦争。公権力による庇護を失い、存立基盤が揺るがされた仏教教団にとって、それらの戦争は、国家との関係性を再構築する好機として映っていた。そして仏教教団は、国家的な役割を担うべく積極的に「戦時事業」を推進していくー。真言宗・浄土宗教団による「戦時事業」を主題に、両教団が祈祷や追弔という前近代から続く宗教的伝統を活用しつつ事業を展開していくさまを描き、さらにその展開過程から、前近代とは異なる「近代仏教教団」の様相を浮き彫りにする。維新期の宗教政策から一段と大きな影響を蒙り、そこからの回復を目指した2つの教団に着目し、日本の仏教教団にとって「近代化」とは何であったのかを、いま改めて問い直す。
本書は、長野県内のむらの暮らしの移り変わりを、大平洋戦争中の「戦時下の日々」から平成七年にかけて、写真を中心にまとめたものである。
「国語」とは自明の存在ではなく、近代形成期に創られた歴史的構築物である。その実相を、国語国字論争などのさまざまな政治文化的運動・論争から探り、「国語」ナショナリズム形成の場とその過程を明らかにする。