戦後ODAの淵源ともいうべき対中借款は、いかにして始まったのか。草創期にあたる日清戦後から第一次大戦期の展開を多角的にたどり、帝国主義的理解の限界をこえて、国際環境と中国側の主体性も踏まえ新たな実像を描き出した、新鋭の成果。
近代初の本格的対外戦争は、いかなる制度と心性のもとに遂行され、戦いと病いによる膨大な犠牲を社会はどのように受容したのか。動員体制の確立から、戦闘と占領地統治の様相、葬送・記念や仏教教団の活動まであまねく探究、「大量死の時代」が生んだ戦争協同体の構造を解明する。
江戸期以来、日本の企業の経営システムはどのように発展してきたか。英米仏ではどうであったか。また、時計工業、電機・自動車産業などにおける技術導入や国際関係をめぐる経営史、基礎産業として重要な海運造船業の経営史についても考察する。実証主義的研究の成果のエッセンス二〇篇を収めた。脇村義太郎先生卒寿記念の論文集。
日本の文化を伝える、国宝1,036件の中から、日本画家平山郁夫が、厳しく鋭く選び抜いた100の至宝をここに集大成。時空を超えていまに伝わる美の精髄。
永い年月を経て育った盆栽。そこにはもうひとつの“自然美”がある。一鉢の中に、小宇宙を、大世界をいま見て欲しい。本書では昭和・平成で脚光を浴びている名盆栽を中心に収録している。
子どもの姿を通してこの一〇〇年を振り返る写真集。信州二十世紀の子ども史、あるいは家族史の貴重な参考書。
1890年の帝国議会開設以降、92年の鉄道敷設法の制定、1922年の全面改正に至るまでの鉄道建設事業を中心とした鉄道政策の形成と展開について通説を批判しつつ実証的に分析。
本書は、日本産全種、66亜種について、分類、形態、分布、生活史などの知見を記載し、その生態を1,237点に及ぶ写真で紹介したものである。また、これまでマルハナバチ族の亜種には和名が与えられてきたが、アシナガバチ亜科とスズメバチ亜科の亜種については和名が与えられていなかったため、両者の整合性を保つためと、亜種としてのアイデンティティを高めるために12亜種に新和名を与えた。