1894-96年、すなわち東学農民蜂起と日清戦争の時期における朝鮮王朝内の一連の近代化運動を「甲午更張」という。中華システムからの脱却と近代化改革をどう進めるかを課題としたこの改革運動は、日本の保護国化政策の下で行われるという制約を有しながら、朝鮮近代史における重要な転換点をなした。著者は、日本の対朝鮮政策の動向、改革初期に設置された軍国機務処の組織や運営、さらに開化派官僚の改革構想(とくに兪吉濬の思想)などを検討して、単に日本の干渉と操縦による他律的なものではなく、自律的な改革運動だった側面を明確に実証する。
20世紀最高の芸術家にして最低のルンペン野郎。チャーリー・パーカーとビーバップジャズの神髄を世界史的スケールのなかにとらえた至高のジャズ書。
朝、仕事に取りかかる前に、夜、一日の休息に入る前に、モーツァルトを一曲だけ聴こう。そのひとときが、あなたを豊かにし、生きる喜びを与えてくれよう。ヴォルフガングのジョークもあれば、毒舌もある。著者の言葉を通して、その音楽言語と遊びながらたどるモーツァルト歳時記。-図版多数併載。巻末に著者の推す名演奏を付す。
ブラック、人種的抑圧と闘う黒人たちの絆。そして黒く輝く個の尊厳。西洋中心の視覚イメージに抗し、植民地化によって奪われた過去をとり戻し、解放の未来を描き出すー黒人視覚芸術の困難と希望にみちた闘争を論じる画期的な労作。
本書は、土門拳全作品の中から核となるべき写真182点を精選し、その仕事を概観したものである。各界の著名人の方々に「土門拳の伝えたかった日本」を読み解いてもらい、歴代の土門拳賞受賞者が「私と土門拳」について語っている。
一千行を超す初の書き下ろし長篇詩。奄美、加計呂麻、徳之島、与論、沖永良部、沖縄をめぐる旅の途上、眼に見えぬ、耳にも聞こえぬ、五感を超えたものたちの気配に衝き動かされ、刻印された、言葉の雫。
教育・家族・雇用に焦点を合わせ、日仏比較研究の視点から、現代フランスの社会経済システムを分析。成熟社会固有の制度的課題に迫る。
天命を享け、唐太宗朝に入宮した若き武照が、苛酷な運命に打ち克ち,遂に高宗の皇后となるまで。
儒教思想に凝り固まった貴族官僚制度の厚い壁を打ち砕き、易世革命を成功させて、遂に大周帝国の皇帝となる。
中国史上空前絶後の女帝の身にも、遂に最後の時が来た。その胸中に去来するものは…。
紙をつくる、紙に触れる、紙がつくる未来。TAKEO PAPER SHOW 2010(proto-)、その全容と制作過程を収録。
明るく美しく、華のある「燕岳」を撮る新たな挑戦。燕山荘90年記念写真集。