海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー…“會舘の人々”が織り成すドラマが、読者の心に灯をともす。大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。“建物の記憶”が今、甦る。激動の時代を生きた人々を描く。直木賞作家の傑作長編小説!
46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へー「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰!
2020年4月。兵庫県尼崎市のとあるアパートで、女性が孤独死ー現金3400万円、星形マークのペンダント、数十枚の写真、珍しい姓を刻んだ印鑑…。記者二人が、残されたわずかな手がかりをもとに、警察も探偵も解明できなかった身元調査に乗り出す。舞台は尼崎から広島へ。たどり着いた地で記者たちが見つけた「チヅコさん」の真実とは?「行旅死亡人」が本当の名前と半生を取り戻すまでを描いた圧倒的ノンフィクション。
僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?初の長編小説にして代表作、誕生!!
子供も笑いも成長中、大爆笑の第6弾。毎日新聞連載分に加え、単行本だけの描き下ろしも収録。
あの日、思い描いた未来を生きていますか?豊かさに向かう時代、辛い過去を葬ったまま、少女たちは幸福になったのだろうかー。激動の戦後を生き抜いたすべての日本人に贈る感動大作!
ネットに溢れる殺人者の噂を追う大学一年生・孝太郎。“動くガーゴイル像”の謎に憑かれる元刑事・都築。人の心に渇望が満ちる時、姿を現すものは?宮部みゆきの物語世界、さらなる高みへ!
これから君は、幸福な人生を生きなくちゃならない。どんなに不幸な時代であっても、幸福な人が不幸になることだけは決してないと、約束するよ。『14歳からの哲学』の著者が贈る人生の教科書。
そなたの罪を告白せい 恐ろしくもいとおしい極めつきの怪異と不思議。おちかに代わり、新たな聞き手は富次郎。心揺さぶる江戸怪談、新章突入ー宮部みゆきのライフワーク新たな(変わり百物語)の幕が開く!
中学生の息子が反抗期に。その時、母は…。描き下ろし「台湾吉日」収録。
夫の急死後、世間という荒波を漂流する主婦・敏子。六十歳を前にして、惑う心は何処へ?ささやかな“日常”の中に豊饒な世界を描き出した桐野夏生の新たな代表作。
ベストセラー『ああ息子』に続く泣き笑い本当にあった娘の話!西原理恵子オール描き下ろし。
興味のおもむくまま、今日の気分のまま。大好きな藤子・F・不二雄先生のこと、はじめて書いた小説のこと、幼い頃の思い出、趣味のショッピング、料理、映画のこと…。デビューから書きためた33編のエッセイとルポ10編に加え、ショートショートと短編小説4編を特別収録。
「私たち一人一人にとって、世界を埋めるものは多かれ少なかれ異物なのだ」刻一刻と姿を変えていく殺戮の夜の相貌。容疑者はすでに犯行を認め、事件は容易に「解決」へ向かうと思われたが…。合田刑事の葛藤を描く圧巻の最終章。
時代はバブル全盛に。東京本社に栄転が決まった望月と結婚した佳那は、ヤクザの山鼻の愛人・美蘭のてほどきで瞬く間に贅沢な暮らしに染まっていく。一方の水矢子は不首尾に終わった受験の余波で、思いがけない流転の生活がスタートする。そして、バブルに陰りが見え始めた頃、若者たちの運命が狂い出す…。
ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!
湘南のカフェ店員に一目惚れ、相手をふり向かせたくてサーフィンを始めた「ドーミー吉祥寺の南」の下宿人谷尻くん。その恋を応援する傍らで、最愛の人二千花と過ごした日々を幾度となく反芻する世之介だった。春から夏へ。相変わらずのんびりと季節が移ろうなか、後輩カメラマンのエバと咲子カップルが新しい命を授かり、世之介は「名付け親」に指名される。ところが咲子の容態が一転し…。やがて運命の日がやってくる。
人質は350万キロリットルのビールだー業界のガリバー・日之出麦酒を狙った未曾有の企業テロは、なぜ起こったか。男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描いて、いま、人間存在の深淵を覗く、前人未到の物語が始まる。