太平洋戦争が激化する一九四五年、東京下町の春。敵国アメリカ人の父を持つ14歳のタケシは、学校や軍需工場でいじめの標的にされていた。空腹で苦しい日々にも親友、家族、初恋と、かけがえのない時が訪れるが、儚い夢を描く少年の頭上に、ついに焼夷弾が降り注ぐ…若者のリアルを見つめる著者が祈りを込めて描く、少年たちの戦争。
私たちはこの地球を人間の支配のもとにつくり変えたと思い込んでいた。気候変動、パンデミック、戦争、大きな危機にある人類ープラネタリー・バウンダリー(地球の限界)を迎えた中、私たちが幸福に生きるためには、何が必要なのか?動物の一種としての人間に立ち返り、これからの共同体・国家のあり方を問う。ゴリラ研究の権威による、霊長類視点の文明論。
「病気」は医者がつくりだす!医療業界を恐れない医師からの警鐘66。
ノーレイン・ノーレインボー進学教室。略してノレノレ。「雨がなければ、虹はない」ハワイのことわざが由来なんだって。中学入試をめざす12歳の小春と英。卒塾を前に、二人が始めた秘密のプロジェクトとは?
経済小説の巨人・清水一行(1931〜2010)。その波乱の生涯と日本経済の興亡を、現役作家・黒木亮が徹底取材で再現。私たちの現在地を問う圧巻のノンフィクション!
日本の季節を、今日の食卓に。旬の食材・伝統の行事食がわかる食ごよみ。
公安調査庁に中国のスパイがいる。24時間監視下で7カ月の監禁生活、取り調べ、逮捕、裁判、収監…日本の常識がいっさい通用しない不当拘束の実態が明らかに。身に覚えのない罪で6年の実刑判決を受けた日中青年交流協会・元理事長による迫真の手記。
「不思議と、どんなに疲れていても、家に帰ったら料理をしたくなるんです。そのときは絶対煮込み料理ね」。日本茶喫茶店主の台所、今はなき阿佐ヶ谷住宅の台所、多国籍シェアハウスの台所、七十代・ひとり暮らしの台所、インドマニアの台所、ホームレス夫婦の台所…暮らしの現場から描かれる、50人の“食と人生”の物語。単行本を加筆・再構成した決定版!
昭川市ー東京郊外の、どこにでもあるような町に、ミクロの災いは舞い降りた。熱にうなされ、けいれんを起こしながら倒れていく人々。後手にまわる行政の対応。ふいに襲ってくる夏の災厄に、あなたの町は耐えられるか。戦慄のパニック・ミステリ。
祝「マイブーム」1997年度日本流行語大賞受賞語!仏像ブーム!怪獣ブーム!谷ナオミブーム!!ベストなテーマを満載して、マイブーム時代に放つシリーズ第2弾。
異邦人・守屋恭吾の眠に映る敗戦日本の姿…。日本は何を失ったのか、あふるるメッセージをこめた記念碑的名作、いまよみがえる。
おれとおまえを洗脳してきた、すべての言葉への愛と復讐をこめて。TOSHIはなぜ洗脳されたのか。貴乃花は本当に洗脳されていたのか。恋愛はしょせん洗脳ごっこではないか。洗脳のすべてがわかるこの1冊を今、洗脳されているあなたへ。
かつて出会った古老の言葉が甦る。「あなたの瞳には、使命の星がある」。だが、五十歳を迎え、憲太郎はいまだ「天命」を知らないー。不況のただなかで苦闘する経営者。母に虐待された少年。離婚後の新たな人生を模索する女性。満たされぬ心を抱いた人間たちが、憲太郎と不思議な縁で結ばれていく。日本への絶望が募るなか、憲太郎は人生を変える旅に皆を誘う。シルクロードのタクラマカン砂漠。日本列島より広い、「生きて帰らざる」神秘の地…。心が癒される瞬間を圧巻の筆致で描き、連載時から大反響を呼んだ傑作。
人の心の深みに触れ、憲太郎の心にも静かな革命が進む。この命を燃やす、新たな生に踏み出そうー憲太郎は旅に出る。シルクロードの「日本よりも大きな砂漠」へ。宇宙大の詩情で描く人生の感動。
「とりあえずビール二本ぐらい」「その件は折りを見て…」なぜ日本人は、ものごとをはっきりさせないのか。それは悪いことなのか?前衛芸術家、芥川賞作家、中古カメラコレクター、路上観察家、老人力発見者といくつもの顔をもつ赤瀬川原平がその紆余曲折の人生をふり返って「優柔不断はすばらしい」と謳いあげる。構想十年を経た価値観大逆転の傑作・書き下ろし。
ブルースの街のもうひとつの戦後史。伝説のGS(グループ・サウンズ)「ゴールデン・カップス」。白塗りの孤高の娼婦「港のメリー」。「GIベイビー」と呼ばれた混血児たち。戦後横浜の鬼っ子(エイリアン)を通して、ブルースの街の光と影を描く、著者初の書き下ろしノンフィクション。
民俗資料、怪談集、随筆その他の日本の文献にみられる妖怪の事典。妖怪はすべて名称の五十音順で配列。妖怪は民間伝承、江戸時代までの文献によるものなどの出典から5つに分類して各妖怪ごとに分類番号を付した。また参考資料は各項目ごとに掲載。巻末に五十音順の索引を付す。
この「憎しみ」があなたには分かるか?ビンラディンたち「テロリスト」の胸中に渦巻く怒りの根源をたどる書き下ろし。
若き水主・磯吉の人間臭さのにじみ出た生々しい陳述記録をもとに紡ぎだされた、まったく新しい光太夫たちの漂流譚。絶望的な状況下にも希望を捨てず、ひたむきに戦いつづけた男の感動の物語。