盆の十六夜、仏送りの晩。九州山地の奥深いダム湖を、一人の青年が訪れた。祖父の骨灰を、三十年前湖底に沈んだ故郷・天底村へ撤くため、東京から来たのだ。そこでめぐり逢った人びとと、ある巫女の死、そして歌が、彼にもたらしたものとはー。
妻に突然、逆三行半を突きつけられた、樫森泰助47歳。企業戦士の友の死、初恋の人との再会、離れ行く娘の心。そして次々と不思議なことが…。男泰助、行く着く先に待つものは?「団塊」世代の男たちに送る、熱いエール。
あなたの妻が、夫が、子どもが、部下が、溺れていく。心を狂わせ、生活を壊す、サイバー空間の底無しの「魅惑」。インターネット先進国アメリカから、心理学者が緊急警告。
大きすぎる胸、うるさい姑、それぞれ悩みはつきないけれど…。今を生きる人びと、10の物語。最新短篇集。
マイブーム第3弾は、1冊まるごと「関西ブーム」。吉本新喜劇、関西弁、ダウンタウン、チャーリー浜、間寛平、仁鶴、鶴光、菊水丸、映画『お笑い虎の穴』、ボケ・ツッコミ・アホなどを収録。
芝露月町の鰻屋「十三川」の入聟・爽太は、同心・朝田主馬に十手を預けられ六年。ある日、幼馴染み弥惣吉の女房おせんが、「探さないで」と置手紙を残し忽然と消える。健気で評判の女房に、何があったのか。中山道へ行方を追う爽太達が出合ったものは…。探索行は、来し方をふりかえる旅でもあった。江戸下町の人々の哀歓を描き定評のある著者が、あふれる情感でつづる、久々の長編。
人生が存在するのはなぜなのか。それは考えているからだ。世は謎を巡る。千年紀の終わり、通り過ぎた日々へ、今いちど。哲学=考えることの光を。
コドモが13歳になりました。親をやめたくなるのは、こんなときです。思春期、不登校、摂食障害、引きこもり、援助交際、万引き、うつ病、家庭内暴力、家庭の崩壊、性、自己臭妄想症、対人恐怖症、いい子の燃えつき、保健室、気分のムラ、無気力、ステップ家族、キレる子、ムカつく子、乱射する子、生徒間殺人(本文には全く関係ないモノもずいぶんありますが)に著者がゆうかんに立ち向かう。
衝撃の女性発見、その時、新潟県警幹部はどう対処したか。九年二ヵ月に及ぶ監禁事件を通して、警察の病んだ実態を明らかにする-迷走する警察組織。
生命の尊厳と愛のかたちを問う永遠のベストセラー。優秀な外科医、直江がひた隠す「秘密」とは。そして、ひたむきに彼を慕う看護婦、倫子ー。
『紅楼夢』の物語世界と作家志望の主人公・曹霑の冒険行が交錯するチャイニーズ・ファンタジー。
日本語ファン、イアン・アーシー(カナダ人翻訳家)がちまたにあふれるへんてこりんな日本語を大解剖。
岡本太郎は画家でありながら、手を使うより眼(カメラ・アイ)で対象を描く人であった。或いは眼で対象を掴み取ったと云った方がよいかも知れない。手は眼の作用を邪魔するものとして岡本にもどかしさを感じさせていた。岡本には目の前にあるのではなく、岡本の眼が掴みとった物の背后にある「もの」を鮮明に再現するのが、この写真集である。
1万6000人もの日本人移民を南米の密林に棄てた外務省。その無情な行政と現地で格闘し続けた担当者が、今なお変わらぬ官僚たちの腐敗と行状を証言する。
嘘のようなホントのタカラジェンヌ。宝塚生活40年のキャリアだから語れるナマの姿。
ドメスティック・バイオレンス(DV)の陰で忘れ去られた子どもたち。彼らの目に、暴力は、親の姿はどう映ったのか。10の家族の物語。
肩の巾は芸の幅。ガテンのいかぬ世の中にわけ入りのぞいて斬りまくる。