急成長した若い集団。そのパワーの源泉はミーイズムであった。事件を生んだ企業人意識のインサイド・レポートと変わりつつある日本社会。
幼き日、母に捨てられ、寄る辺なき人生の途上に立ち尽す兄と妹。時代の光と闇の中に、愛を求めて彷徨う青春の心の旅路を描く最新長編。
ポーランド・ワルシャワの元監獄で、著者は一体の手作りの日本人形を見つけた。誰が誰をモデルに作ったものなのか。謎を追ううちに1920〜30年代のヨーロッパで圧倒的な人気を集めたプリマ・ドンナの存在を突きとめる。オランダ人医師と日本女性を祖父母に持つ彼女の「蝶々夫人」はヨーロッパ中を魅了した。ポーランド人の夫は抗独レジスタンスの闘士として彼女の陰で謎めいた行動を示すーミラノ、リスボン、パリ、ワルシャワ、ウィーン、横浜、ニースと6年の歳月をかけた追跡でミステリー・ゾーンの中から華麗な人物像が浮び上った。第二次大戦前のヨーロッパに一瞬の光芒を放った、日蘭混血のオペラ歌手。ヨーロッパ各地を巡って掘り起した会心のスクープ・ノンフィクション。
動物実験の研究所の部長と、ペット処分係の青年と恋人。文明の繁栄、医薬開発の蔭で使い捨てられる動物たち。現代社会に鋭くメスを入れた長編書き下ろし小説。
「栄光の明治」の象徴として語りつがれた日清・日露戦争。しかし、その勝利の陰に忘れさられた庶民の生活を見きわめずに、この「戦争の時代」を把えることはできない。傷ついた兵士の手紙、当時の新聞・雑誌記事などから、「愛国」の重荷を負った人々の怨念の世界を解き明かし、翳ある「一等国」大日本帝国の実像をえぐる。本書は、こうした民衆の記録からこの時代を描く画期となった試みである。
忽然と消えた野戦の名将。本能寺の変に野望を挫かれ歴史の闇に消えた悲運の猛将。『関八州古戦録』に云ふ。「滝川一益は古来江州の藤播伴の党と呼ばれし甲賀郡の地侍是也。一益に至り勇猛大胆の剛弼、才覚発明の者にて鉄炮手達なり。織田家に於て一二を争ふ士大将なり。」
ラストエンペラー溥儀の皇后、婉容は、阿片中毒にかかり、最後は家族とも引き離され野たれ死にする。その背景には、清王室の陰惨な因習と日本帝国による満州独立の謀略があった。
八ヶ岳南麓の標高1000メートルからの、旅の楽しいメッセージ。“地球は狭いわよ”をキャッチフレーズに、地球ひとり旅を志して15年、豊富な経験を公開するおそどまさこ世界の旅のノウハウ。
民俗と風土が生み出すすぐれた民芸品を求めて世界60ヵ国を巡った、民芸探索の旅。
行きずりの女たちを車に誘い、犯して、殺して埋める男ー。彼は自ら詩人と称していた。はたして殺人鬼には人の心はないのか。著者異色の犯罪小説。
あなたを読書の不思議な世界へご案内。古典から新刊まで、数々の想いをこめて綴っています。
鎧の発生は?各部はどんな機能を重視されたか?中世、急速に発達した弓矢の破壊力は?合戦法はどのように変化していったか?首実検、晒し首…首へのフェチシズムは?など、絵巻の各場面を復元し、ビジュアルに分析し解説していきます。
経済戦国時代を勝ち抜いてきた慶太、昇の二代に互る壮絶な人生と経営陣のドラマ。
普通がいちばん、と無印をトレードマークにする群ようこの辛口痛快エッセイ。
東京電力は、どこまでパワフルになるか。首都のライフラインを守り続ける巨大企業のパワーの源流を探る。
編集者とは何か。人と人との心の流れを清冽に描くノンフィクション・長編エッセー。
政治家に対する不信は抜き難いものがある。指導力や先見性の欠如が、信頼を損う要因でもある。が、根本的には、政治家個々に対する倫理的な疑惑が原因となっている。“政治にカネがかかる”という通念のまかり通る永田町周辺の感覚が、国民一般の不信をより増幅させている。そして、国民の政治離れをひきおこしているところに、今日の日本の不幸がある。恒常的な政治家とカネに対する関心の持続こそが、真の浄化につながる。永田町に動くカネの実態に迫る新聞協会賞受賞の政治レポート。