独自に開発したカメラで、だれも見たことのなかった世界を写しとる。科学写真界の“ノーベル賞”レナート・ニルソン賞や、紫綬褒章など、数かずの栄誉に輝く昆虫写真家の半世紀にわたるチャレンジの軌跡。
「昆虫記」の原作は、たいへんに長い大人むけの読み物です。このシリーズでは、「昆虫記」のなかから、日本でもよく見られる昆虫を中心にとりあげ、小学生にも興味ぶかく読める形にまとめました。
「昆虫記」の原作は、たいへんに長い大人むけの読み物です。このシリーズでは、「昆虫記」のなかから、日本でもよく見られる昆虫を中心にとりあげ、小学生にも興味ぶかく読める形にまとめました。
モンシロチョウ、キリギリス、オニヤンマ、アメンボ…人里離れた山奥でも、にぎやかな都会の真ん中でも、川のまわりにはいつもいる虫たち。水と共に生きる彼らの生活は、摩訶不思議だったり、人とあまり変わらなかったり。そんな虫たちの生態、生息地を撮り方のコツを入れて紹介。ちよっと足を止めれば新しい世界が見えてくる。手軽な自然観察のためのガイドブック。
デジタルの眼で、虫の世界をのぞいてみよう。スキャナで虫の標本の現物をスキャンしたら簡単に自分で「昆虫図鑑」が出来てしまった。オールカラー写真と、エッセイとでつづったデジタル昆虫図鑑。
クワガタムシの撮影をはじめて20年。里山を歩き、農家のおじさんの話を聞き、資料を調べていくうちに水田稲作と雑木林、そしてオオクワガタの関係がみえてきましたー。
小学校中学年から。
理科離れの今だから原点を問い直したい。虫に育てられた人たち。昆虫を採集する、あるいは観察するという行為を通じて、人は何を学ぶのか。虫好きで知られる各界24人が自らの幼き日を語る。
【特集】
●ガラス新時代
人間は数千年前からガラスを作り、さまざまな用途に使ってきた。すでに社会に使ってきた。すでに社会にとって欠かせない便利で身近な素材だが、その進化は止まらず、まったく新しいタイプのガラスが開発されている。日本や米国などにある開発と製造の現場を訪ね、新時代を迎えたガラスの可能性を探る。
●カリマンタンの森
インドネシアのグヌン・バルン国立公園は、オランウータンなどの希少な生物が息づく豊かな森だ。
●春の水たまりの生命
冬が終わる頃に姿を現す水たまり。晩夏に消えてしまうまで、そこは躍動する生命で満たされる。
●タテゴトアザラシと海氷
太平洋北西部の氷上で出産するタテゴトアザラシ。温暖化で薄くなる氷はもはや安全な場所ではない。
●砂と油と富の国で
自然環境から日常生活までが“極端な国”クウェートで、イタリア人写真家が感じたこととは?
【コラム】
●PROOF 世界を見る「昆虫たちのリアルな日々」
小さな生き物への熱い思いを抱いているブルガリア人写真家が、バルカン山脈で出合ったさまざまな昆虫たちに接近して、細密で美しい世界を写し出す。そこには、生き残りを懸けて日々闘う、危機と隣り合わせの生命があった。
●EXPLORE 探求するココロ
「日食の変化を“聴く”」「侍になったネコ」「大都会のスリル体験」「カワイルカを守る」
●読者の声
●ウォッチ・ナショジオ
●次号予告
●日本の百年「眼鏡をかけた雪だるま」
●今月の表紙:紙のように曲がるガラスのシート。米国ニューヨーク州を拠点とするガラス製造大手のコーニング社が開発した。この会社の研究者たちは数多くの画期的なガラス製品を手がけてきた。
【特集】
●菌類の神秘の世界
キノコやカビ、酵母といった菌類は、地球上の生命にとって欠かせない存在だが、その重要な役割の多くはまだ解明されていない。
●ファッションの墓場
世界中で愛される数々のブランドの服がチリのアタカマ砂漠に大量に捨てられている。その背景にあるファッションの物語を追った。
●大きな翼で遠い空へ
往復で毎年8000キロ近くも北米を縦断するアメリカシロヅル。研究者たちは渡りの謎を解き、絶滅の危機から救おうと奔走する。
●描かれたユダヤ人の記憶
埋もれていた古代ローマ時代のシナゴーグからモザイク画が発見され、長い間信じられてきた古代ユダヤ人の物語が覆ろうとしている。
●決定的な瞬間を記録する
命綱なしで巨岩を登るクライマーから海氷の下を泳ぐホッキョクグマまで、驚くべき写真の撮影秘話を写真家たちが明かす。
【コラム】
●フォーカス
●寄稿者たちの横顔
●旅する好奇心:「よみがえった天文台」
世界最大の屈折望遠鏡がある米国のヤーキス天文台。修復工事が完了し、新たな訪問者たちを迎えている。
●世界を見る:「飛び回る昆虫の奇跡」
肉眼で見ることのできない、飛んでいる昆虫の奇跡が驚きのアートになった。
●アーカイブの宝物:「変わる恐竜の姿」
ナショジオの資料室にある恐竜のイラストを見れば、100年にわたる研究の進展がわかる。
●ひとつの視点:「誰かの人生を思い描く」
米国のベストセラー作家が教えてくれた発想の源。ナショジオもその一つのようだ。
●読者の声
●ウォッチ・ナショジオ
●次号予告
●日本の百年「昼休みにプレーボール」
●今月の表紙:ギリシャのオリンポス山に生えていたオオトガリアミガサタケ。キノコを含む菌類は驚くほど多様で、科学的に記載されたり、研究されたりしているのはほんの一部でしかない。
ナショナル ジオグラフィック日本版2023年5月号
◆
▲2023年5月号 第29巻第5号 4月30日発行
【特集】
●ゾウと人間 共存の道
生息地の開発や密猟により、アフリカとアジアでゾウが減少の一途をたどっている。その一方で、ゾウを保護する手法も向上し、人間との共存を目指す取り組みも進んでいる。昔から人間とゾウが隣り合わせで暮らしてきた南アジアで、共存の道を模索する研究者や住民たちを追った。
※Disney+の番組「神秘なるゾウの愛と知性の物語」との連動企画。
●アリに大接近
ごくありふれた昆虫であるアリだが、近寄ってみると種によって千差万別の特徴があることがわかる。
●極北の野生を記録する
温暖化が急速に進む北極圏のスバールバル諸島に、イタリア人写真家が1年間滞在し、野生の姿を記録した。
●不思議で謎だらけの粘菌
じめじめした場所で、胞子をばらまいて繁殖する多彩な色をした粘菌は、驚きに満ちた生き物だ。
●戦禍が影を落とすコソボ
バルカン半島の小国コソボの未来は、独立国としての承認とセルビアとの紛争解決に懸かっている。
【コラム】
●PROOF 世界を見る「優美なひれが描く幻想」
ペットとして人気の高いタイ原産の闘魚ベタ。フリルのような大きなひれが目を引く魚を、写真家がカメラのレンズを通してアートに生まれ変わらせる。
●EXPLORE 探求するココロ
「透き通った体の秘密」「雌をめぐってハッケヨイ」「夜に咲く花に誘われて」
●THROUGH THE LENS レンズの先に「森で光るキノコ」
不気味に光ることから「幽霊キノコ」と呼ばれるツキヨタケ。発光するメリットはまだ解明されていない。
●読者の声
●ウォッチ・ナショジオ
●次号予告
●日本の百年「土俵に柱があった頃」
●今月の表紙:アジアでは人間のすぐ近くでゾウが暮らしているが、アジアゾウの生態については、アフリカのゾウほど研究が進んでいない。
【特集】
●昆虫はどこに消えた?
今、昆虫たちがすさまじい勢いで姿を消している。これは地球が崩壊していく前触れなのだろうか?
●大人の自閉症
自閉症の人は仕事やパートナーを見つけにくい。そんな状況を変えようと、手を差し伸べる人たちがいる。
●自閉症の兆候を見つける
自閉症になる子どもは、脳の成長が早すぎることがわかった。この発見は障害の予防や軽減につながるか。
●南米 大自然の贈り物
チリとアルゼンチンの広大な土地を買って両国に寄贈し、自然公園にしてもらう。それが米国人夫妻の夢だ。
●日本人とニホンザル
昔からサルに芸をさせてきた日本人。動物福祉が尊重される時代に、日本人とサルの関係は変わるのか?
●緑の草地へ続く道
季節の変わり目に家畜を移動させる「移牧」。数千年にわたって受け継がれてきた伝統は世界各地に息づく。
【コラム】
●PROOF 世界を見る「ハッブルが見つめる宇宙」
打ち上げから30年、NASAのハッブル宇宙望遠鏡は今も深宇宙の謎を解き明かし続けている。
●BIG IDEA アイデアの種子「科学、未来へと続く道」
テレビシリーズと書籍として世界的に高い評価を受ける《コスモス》の作者が、科学が切り開く未来を説く。
●EXPLORE 探求するココロ
「多彩な顔をもつ北極の島」「盆栽を極める道具」「エーゲ海の天然樹脂」
●THROUGH THE LENS レンズの先に「祝賀行事の裏側で」
建国を祝うきらびやかで整然とした行事は、政権側がつくり上げたもの。北朝鮮を20年にわたって取材してきた写真家は、その裏側に目を向けようとした。
●写真家の撮っておき
●読者の声
●テレビでナショジオ
●次号予告
●日本の百年「ドライブ旅で脱輪」
●今月の表紙
カバイロシジミ属のザーシーズ・ブルー。80年ほど前に米国サンフランシスコ近郊の砂丘で目撃されたのを最後に確認されていない。世界各地で昆虫が激減している。
【特集】
●寿命を縮める大気汚染
世界中で毎年、大気汚染が原因で700万人が早すぎる死に追いやられる。深刻だが、解決策はある。
●森林火災の煙
毎年のように大規模な森林火災が発生し、空気が汚される。火災の煙はどれほど有害なのか?
●フロリダパンサー
絶滅危惧種のフロリダパンサーが復活の兆しを見せている。しかし、開発ブームが邪魔をしかねない。
●アマゾン 樹上の昆虫
アマゾンの熱帯雨林で行われた調査によって、地表から離れた樹冠に、新種を含む多様な昆虫が見つかった。
●魂の歌姫 アレサ
世界的な歌姫のアレサ・フランクリンには、少女の頃から傑出した才能があった。
【コラム】
●PROOF 世界を見る「思いがけない野生」
10年前に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故で、近隣の住民たちは住み慣れた土地を離れざるをえなくなった。写真家の関根学はその直後からずっと、飯館村を中心に人間がいなくなった集落がどのように変化するかを記録し続けてきた。そこでは、人間と自然のかつての境界が失われ、野生のたくましい素顔があらわになっている。
●EXPLORE 探求するココロ
「ペットから害鳥に」「原生のアラスカ」「瓶に恋するタマムシ」「カメのX線写真」「茶道の道具」
●THROUGH THE LENS レンズの先に「エベレストでの自撮り」
世界の最高峰であるエベレストは、アマチュアたちが頂上で自撮りをしたくて金を払って登る山。そう思っていたプロの登山家が、現地に行って考えを変えた。
●読者の声
●テレビでナショジオ
●次号予告
●日本の百年「桜島の大正大噴火」
●今月の表紙:モンゴルの首都ウランバートルの外れにある石炭火力発電所の煙突から煙が立ち上る。世界各国の首都のなかでも、この都市は大気汚染が深刻だ。■寿命を縮める大気汚染:世界中で毎年700万人を死に追いやる大気汚染。軽微でも健康に害を及ぼす深刻な問題だが、解決策はある■森林火災の煙
【特集】
●ノートルダム 再建への道のり
2019年4月、炎に包まれたフランス・パリのノートルダム大聖堂。その衝撃的な映像はテレビやインターネットを通じて世界中へ伝えられた。その直後、フランス政府は24年までに再建すると約束。ナショジオは今回、作業の進む現場への立ち入りを特別に許された。
●冬のK2に挑む
ネパール人だけの登山隊が国の威信を懸けて世界第2位の高峰に挑み、前人未到の冬季登頂に成功した。
●巧みに適応した魚
アフリカ最古の湖に生息する多様なシクリッド。生物の進化の謎を解く手がかりになるかもしれない。
●誇り高きカウボーイたち
メキシコの辺境に暮らすカウボーイは、近代化や気候変動、新型コロナの影響と闘いながら暮らしている。
●農作物のミクロの世界
農作物の種子や葉、花を電子顕微鏡で観察していると、気候変動への対策について考えさせられる。
【コラム】
●PROOF 世界を見る「勇ましい家族の肖像」
米国の黒人たちが軍隊で経験した複雑な歴史を浮かび上がらせたいと、写真家は自分の親類を被写体に、彼らの肖像を鉄板写真に焼き付けた。その古い写真法が世代の差を超えた共通の経験を重ね合わせる。
●EXPLORE 探求するココロ
「意外なところから新種の昆虫」「宇宙に行った動物たち」「モザンビークの自然」「プラネットポッシブル」「ポンペイのパン屋」「メコン川と生きる」
●THROUGH THE LENS レンズの先に「対立する人間と野生動物」
アフリカ東部のウガンダでは、野生のチンパンジーが集落に姿を現し、住民を襲って命を奪う事件が起きている。野生動物の保護と住民の共存は可能なのか。
●読者の声
●テレビでナショジオ
●次号予告
●日本の百年「お風呂の時間」・ノートルダム再建への道のり・冬のK2へ ネパール人の誇りを胸に
【特集】
●冬が消えるアルプス
ウインタースポーツを楽しもうと、世界中から多くの人がやって来るアルプス。ここでは経済も文化も雪の深い冬を基盤にして成り立ってきた。だが、地球温暖化によって、雪と氷が急激に減少し、待ったなしの状況になっている。この危機を回避しようと、雪氷学者や地元の住民が動きだした。
●スーダンの未来
クーデターで先行きが不透明になったスーダンでは、若者たちがより良い未来を求め、過去に目を向けた。
●インドのビッグ・キャット
トラやヒョウなどの大型ネコ科動物の保護を強化してきたインドでは、その成果が各地で表れている。
●愛する土地を守る
コロンビアでは2016年以降、開発業者や麻薬カルテルの侵入に抵抗する活動家が次々と殺されている。
●空飛ぶタンパク源
大掛かりな仕掛けで食用の昆虫を捕まえるウガンダの人々。乱獲と気候変動のためか、捕獲量が減っている。
【コラム】
●PROOF 世界を見る「生き続ける侍の心」
1000年以上の伝統を誇る福島県相馬地方の祭礼、相馬野馬追。日本人としてのアイデンティティを探究していた写真家の堀内僚太郎は、参加者たちと向かい合うことで、現代社会に息づいている過ぎ去った時間を再発見することになった。
●EXPLORE 探求するココロ
「意外と役立つラッコ」「ウミウシの刺激的な交尾」「プラネット ポッシブル」「メキシコの“夜の陶器”」
●読者の声
●テレビでナショジオ
●次号予告
●日本の百年「火鉢のそばで聴くラジオ」
●今月の表紙:木の上からカメラを見つめるヒョウ。インド各地の保護区では、ヒョウやトラなどが数を増やしている。・冬が消えるアルプス・スーダンの未来