戦後の時間の中で、家族と会社と社会とに、ひるむことなく向き合い、自らを律して生きてきた詩人・石垣りん。『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』から『やさしい言葉』まで、小さきもの弱き者らへの慈しみや孤独な心情を観念や叙情の中に鮮やかに解き放った全4冊の詩集から代表詩を選び、女性の生き方に自由と活気と自立をもたらした言葉の歴史を、各時代ごとに提示する。
人はどこから来て、どこに行くのか。この世界に生きることの不思議を、古びることのない比類なき言葉と、曇りなき眼差しで捉え、生と死、男と女、愛と憎しみ、幼児から老年までの心の位相を、読む者一人一人の胸深く届かせる。初めて発表した詩、時代の詩、言葉遊びの詩、近作の未刊詩篇など、五十冊余の詩集からその精華を選んだ、五十年にわたる詩人・谷川俊太郎のエッセンス。
元大学付属病院看護婦・横見翔子、24歳。一般病院からコスモス産業本社診療所に転進、社員三千人の健康管理が、診療業務である。うおの目、頭痛、不眠、捻挫など、さまざまな症状の人が来るかと思えば、上司の悪口、仕事の不満を訴えて、元気になって帰っていく人がいたり、大賑わい。若い産業ナース・翔子の目を通し現代サラリーマンの苦悩を描くヒューマン・ドキュメント。
本書は、「ノーマリゼーション」という福祉思想が誕生した背景を述べ、今後への展望を探るため次のように構成しました。第一部では、「ニルス・エリク・バンクーミケルセン」という一人の行政官の生涯を辿ります。それによって、今や世界の福祉の重要な潮流になっている「ノーマリゼーション」という思想が、どのような経緯で彼の中に形成されてきたのか、彼はその考え方をどのように提唱し行政に反映させ、福祉実践に結びつける努力をしたのかを探ってみようと思います。つづく第二部では、彼の思想の一端に触れるため、彼の講演と論文と最終講義を採録しました。これによって、バンクーミケルセンの「ノーマリゼーション」という思想を、彼の言葉を通して理解したいと思います。さらに第三部には、ビヤタ夫人と長男オール氏による「思い出」を載せました。家族から見たバンクーミケルセン像を通して、彼の人柄を知ることができるでしょう。
僕らの中に残っているいくつかの鮮烈な風景、でもそれらの風景の使いみちを僕らは知らないー無数の旅を重ねてきた作家と写真家が紡ぐ、失われた風景の束の間の記憶。文庫版新収録の2エッセイを付す。カラー写真58点。
「日本語を愛する一番よい方法は?歌って叫んで、呪文を唱えること」「立派な国民になる一番よい方法は?とことん貧乏になること」-歌であり、詩であり、日記であり、エッセイであり…日本語をこよなく愛する、日本文芸界注目の作家による、真摯で過激な言葉のライブ、待望の文庫化。
和食にまさる美味はなし。天才料理人の究極の献立。
寺山修司の薫陶を受け、唐牛健太郎(60年安保、全学連委員長)を看取ったがん専門医が、多くの終末期患者から学んだ、生と死のランドスケープ〜風景〜。
平安時代から戦国時代までの著名な約100日記について、記主・記名・伝来と現状・内容と特徴・刊本の5項目を立て解説したもの。巻頭で「古記録とは」「日記と暦」等により古記録概観を述べ、巻末付録として「古記録用語略解」「公家官制表」その他を付す。
足跡をたどり、ウサギの身の上に起きた事件を推理する。そこには彼らの未来を親身に心配するシートンがいた。二十一世紀へ語り継がれるメッセージ。
バダブンズンタズンタッタ!カロリーヌサーカス団がやってきた!!目もくらむ綱渡りや、らいおんの火の輪くぐりに、お客さんはハラハラドキドキ。ところが、いたずらこざるのサビが、サーカス団をぬけ出してしまい…。
夏休みを海辺の別荘で過ごすことにした、カロリーヌとゆかいな8ひき。海水浴に、砂遊びに、魚とり大会にと、毎日遊ぶのに大いそがし。ところが、急にユピーの姿が見えなくなって…。