法と山に懸けた“登山家判事”の述懐-裁判官の体験と意見を中軸として国民の法意識や刑事裁判の実際をわかりやすく解きあかす異色作。
丸腰で、仕事はできない。あなたのアタマとカラダを『アイデア工場』に変えるとっておきのシンキング・ツール、教えます。
村上春樹の新しい訳でお届けする新時代の『ライ麦畑でつかまえて』。
イラク攻撃以後の世界秩序。世界の話題を独占中のホットな海外ベストセラー、待望の完訳。アメリカは“帝国”に非ず。ソ連崩壊を世界で最も早く予言した『新ヨーロッパ大全』のトッドが、ハンチントン、フクヤマ、チョムスキーらを逆手にとり、“EU露日VSアメリカ”という新構図、“新ユーラシア時代の到来”を予言。
ユダヤ系でありながら熱烈な愛国者にしてゲオルゲ派。迫害と亡命。二十世紀の矛盾そのものを生きたかのような著者の法外な学殖と情熱は、王権表象の冷徹な解剖に向けられた。王は死んでも王位や王冠、王朝は存続する。その自然的身体とは独立して存在するように見える王の政治的身体は、いかにして産出されたのか。王権の政治神学的・象徴的基盤は西欧の歴史の中で、どのように編制されたのか。本書には、問題提起とシェイクスピア『リチャード二世』論に始まり、キリスト論との類比、法学的思考の浸透とその影響、王を神秘体の頭と捉える政体有機体説に説き及ぶ、第五章までを収録する。全二巻。
日本で新聞が誕生した幕末から20世紀末までの140年間にわたり、1年ごとに政治・経済・社会の主要な事件を当時の新聞記事を以て語らしめた、一大新聞クロニカル。
友人・吉元の家探しを手伝いはじめた“わたし”。吉元が「これぞ理想」とする木造アパートはあいにく満室。住人を一人追い出そうと考えた二人だが、六人の住人たちは、知れば知るほどとらえどころのない不思議な人間たちばかり。彼らの動向を探るうち、やがて“わたし”も吉元も、影のようにうろつきはじめている自分に気づき…。奇怪な人間模様を通じて、人々の「居場所」はどこにあるかを描く長篇。
『供花』から『土間の四十八滝』、未刊詩(三篇)、書き下ろし最新作(五篇)まで九十五篇を収録。著者自選による、待望の文庫オリジナル版。町田康の美しく、熱く、危険な、ことばの軌跡。
それでも、恋を信じますかー。幸せになれないとわかっているのに駄目な男に魅かれてしまう麻子、男に妻と離婚させ結婚したが、生活に疲れてゆく宏美、別れた男にストーカーしてしまう誠子、「男なんて、みんなみんな嘘つき」と思わず叫んでしまう私…すれ違い、傷つけ合っても求め合わずにはいられない、男と女のさまざまな愛の形を描く24のショートストーリー。
日常のどこかに口を開けて待っている、悪意に満ちた陥穽。わずかなほころびから生じる、人間関係のゆがんだ綾ー。女流作家が贈る色とりどりのミステリー・ワールド。全九篇を収録した傑作アンソロジー。
15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」-ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし…と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていたー。第8回スニーカー大賞大賞受賞作。
孤島物語の傑作としてあまりにも有名なこの作品は、世界じゅうの子どもたちに熱烈な支持を受け、読みつがれて、すでに足かけ四世紀の時をきざんでいます。ていねいに練られた読みやすい訳文と、一七二五年刊行のフランス語版から復刻した美麗な挿絵で贈る「ロビンソン・クルーソー決定版」を、じっくりとお楽しみください。
江戸府内の日本橋川で牢人の死骸が見つかった。首皮一枚だけを残した死骸は、凄まじい剣戟の痕を語るものだった。八丁堀の鬼と恐れられる南御番所隠密廻り同心・長月隼人は、その手口から、半月前の飾り職人殺しとの関わりに気付き、探索を始める。やがて、二人が借金に苦しめられていたことが判明し、『闇地蔵』なる謎の元締めの存在を聞きだすが…。隼人に襲い掛かる“笑鬼”と呼ばれる刺客、そして『闇地蔵』とは何者なのか!?大好評、書き下ろし時代長篇。
従来の応報的司法のもとでは、犯罪加害者に刑罰が科せられる一方で、被害者は置き去りにされてきた。「修復的司法」は参加当事者の自発性を大切にしながら、各人の切実な声を聞くことから始め、被害者の救済、加害者の真の再生、コミュニティの関係修復をめざしていく。世界的な広がりをみせる新しい“正義(Justice)の実践”を紹介し、その理念を追求する。
崩れ去っていく美しいロシア、時代の波に押し流されていく異郷のロシア人の姿を、美しい旋律を奏でる物語が包み込む。失われゆくものの残像を永遠に刻み込む円熟期の中短編集。作家自信が愛した作品集。『暗い並木道』からも精選したブーニン文学の到達点。