茨城県、栃木県、群馬県…北関東ナンバーワン決定戦。
シングルマザーのリズは、社長秘書として一生懸命働いてきた。だが子供の進学を控え、昇給を願い出ようかと迷っていた矢先、人情味にあふれる上司ロンが急逝してしまう。新社長に就任したロンの息子チャールズは冷酷な男だった。彼はリズのたっての願いをにべもなく断り、侮辱したのだ。悔しさと恥ずかしさをのみこみながら家路へ車を走らせていたとき、雪道で大破した超高級スポーツカーが目に留まった。脇に立つ運転手はもちろん、都会から来たばかりのチャールズ。リズは一瞬昼間の屈辱を忘れて車を寄せ、助手席のドアを開けた。大嫌いなボスなのに、不覚にも顔が熱くなってしまうのを感じながら。
ロバータは、マックとつき合い始めて1年ほどになる。彼は若いころ悲惨な結婚生活を経験したせいで、二度と結婚しないと心に決めている非情な男。彼女を“恋人”ではなく“愛人”と考えているのだ。ある日、パーティーに出席したロバータは、彼の目下の愛人だと噂され、ついに怒りを爆発させた。マックを愛しているのに、彼が求めているのは体だけ。痛手が少ないうちに早く別れるべきだ、とロバータは思う。でも、彼を忘れ去ることなどできるだろうか…。
国際的企業グループの経営者パトリックは、高級車を降りると、こぢんまりとした工芸品店に足を踏み入れた。カウンターに佇むのは、いかにも無垢で清楚然とした女性。ここを訪ねたのは“話をつけてきて”と姉に泣きつかれたからだ。姉は、この女性イゾベルこそが夫の浮気相手だと確信している。だが、聞いていたようなふしだらな女には到底見えない…。イゾベルの上品で控えめな微笑を見ながら、天使なのか悪女なのか決めかね、パトリックは葛藤していた。美しき彼女の虜にすでになってしまったと自分では気づかぬまま。
テーラーは途方に暮れていた。このままでは愛する弟の養育権を、横暴な継父に奪われてしまう。すると、事情を知ったかつての憧れのボス、ジャクソンが驚くべき提案を持ちかけてきた。弟を引き取りたいなら、自分と結婚すればいいというのだ。確かに、裕福な彼なら養育者として申し分ない。でも…なんだか話がうますぎないかしら。元秘書と結婚して、いったいどんなメリットがあるというの?いぶかるテーラーに、ジャクソンは告げた。「1年以内に僕の子を産んでくれ。それがこの結婚の条件だ!」
結婚を間近に控えたレイチェルは、アレクシスにキスをされた。彼はオフィスにも押しかけてくる強引で傲慢な石油王。大嫌いなはずの彼のキスに酔ってしまうなんて、自分が許せない。もともとぎくしゃくしていた婚約者との仲もこじれるばかりだ。そんなときレイチェルの父親が莫大な借金を抱えていることが判明し、彼女は婚約者に助けを求めるが、むげに断られてしまう。絶望するレイチェルの前に、再びアレクシスが現れた。なんと、彼が借金を肩代わりしたというのだ。大金と引き替えに、レイチェルを買ったつもりでいるらしい。身勝手な救済に腹を立てつつも、彼の大胆な誘惑につい心が揺れる。だが案の定、熱い求愛の裏には、恐ろしい罠が隠されていた。
1896年にその産声を上げた近代オリンピック。本書では100年以上にわたる歴史を紐解き、その意外な真実、今では考えられない雑学を紹介する。
エリーズは夫の葬儀のさなか、くずおれそうになるのをこらえていた。夫はエリーズを脅迫までして結婚へ持ち込んだものの、散財と浮気を繰り返したあげくに亡くなった。ローマに彼が購入したアパートメントを売却しなければ、明日からの生活にも困窮するだろう。途方に暮れるエリーズに、意外な人物が助けを申し出た。夫の雇い主で大企業の経営者ヴィンチェンテだ。危険な光を放つ彼の瞳に魅せられたように、エリーズはローマへ一緒に行くことを承諾してしまう。
最高の音で楽しむために!
過保護な二人の兄たちが目を光らせているせいで、アニーは25歳を過ぎても男性と深くつき合ったことがない。そんな彼女が幼いころから思い続けてきたのは、長兄の親友ガイ。だが、家族同然に育ったガイは彼女を子供扱いしてばかりいる。アニーは思いきって、男性を誘惑する方法を友人に尋ねた。偶然その会話を耳にしたガイは、その標的が自分だとも知らず、むやみに男を挑発するなんてとんでもないと説教を始めた。それならいい考えがあるわ。アニーは迷わず口にした。「だったら、あなたが誘惑の仕方を教えてくれる?」