当代一流の歌川国貞のところに、一人の武家が国貞が描いた浮世絵の女の所在を教えてくれと訪ねてきた。厄介事は御免だと、国貞は“そぞろ宗兵衛”と渾名される大身旗本の久世左馬介に話を持ち込んだ。まかせておけとばかりに胸を叩いた宗兵衛だったが…。放蕩無頼の父と、南町奉行所の内与力である一本気な倅が、鋭い洞察力と絶妙な間合いで事件を解決していく書下ろし爽快時代小説。
深川七場所といわれる花街が点在している油堀が紅蓮の炎に包まれた。火元となった質屋に押し入った盗賊が、主夫婦と番頭を殺したのち、火を放ったものと思われた。店の手代と丁稚が見たという一味の頭目の人相書きを手にした宗兵衛はそこに見知った顔を見て愕然とするが…。放蕩無頼の父と、南町奉行所の内与力である一本気な倅が、鋭い洞察力と絶妙な間合いで事件を解決していく書下ろし爽快時代小説。
あなたは「日本のこと」を本当に知っていますか?日本の暦や年中行事は、多彩な四季、とりわけ農事と密接に結びついています。季節の移ろいを敏感に感じとり、四季を愛で、伝統行事を知ることは、豊かで人間らしい生活への第一歩となることでしょう。
江戸に吹き荒れた大風によって二親を亡くした常陸浪人の柏木鴻一郎は、内藤新宿にある薬種問屋「玉泉堂」の主・綾部文麿に請われ、店を手伝うことになった。しかし、それには一つの条件があった。主の一人娘の泉を抱き、その淫水を採ることだった…。待望の新シリーズが華麗に幕を開ける。
“中橋小町”の歌吉は、お狂言師にして、お小人目付の協力者。宿下がりしたままの坂東流名取・照代を再び召し出そうとする上様に、一夜だけの舞台に立つ事になった照代と連れ舞を舞う事に。大奥の陰謀から照代を守ってやれるのは、歌吉をおいてほかにいない。直木賞作家が描く長編時代小説。
年中参詣、行事暦、寺社めぐり、そして祭り。「鰯の頭も信心から…。」江戸庶民の精神安定剤。旅は遊山か信仰か、御利益求めて何処までも。
内藤新宿に店を構える薬種問屋『玉泉堂』の奉公人である利助は、剣術道場の女主の夕紀が、借金を苦にして自害しようとしているところを助け、その見返りに夕紀から淫水を採ることになり、彼女の無垢な柔肌を開いていく…。馥郁たる芳香が匂い立つ大好評シリーズ第二弾。
武士を捨て、鉄扇ひとつを身に帯びて二代目米造がゆく。有名料亭の娘の不審死を追う米造に襲いかかる江戸の闇。強欲な与力、衆道狂いの札差、謎の浪人、山伏くずれの博徒…好評の捕物暦、最新作。
見聞を広めたいと、岩城から江戸へ出てきて父の知り合いの池野道場の主・夕紀のもとに身を寄せていた山辺竹丸は、そこの門弟の大迫摩美が、姦計にはまり窮地に陥ったことを知り、夕紀とともに助けに向かうが…。女武芸者、武家娘、若女将それぞれの淫蜜が溢れる好評シリーズ第三弾。
死に装束を身にまとい、死の一歩手前で恐怖と性の愉悦を深める男女。しかし“あの世への花魁道中”の途中から、ひとり、引き返してきた男がいたー。夫に先立たれ、料亭「浮舟」を切り盛りする若おかみ、結のもとに、浮世絵の版元から三日間の独占予約が入った。使用する客は、中世の伝説的遊女である“地獄太夫”を描いて人気の絵師。しかし、その部屋からは、昼間から奇怪なうめき声ばかり聞こえてくるのだった。遊び人の舅とともに原因解明に乗り出した結は絵師の過去に刻まれた、ある遊女との哀しい性愛の過去を知ることになるのだった。
小間物屋『千歳屋』の一人娘のお美代が、祝言を挙げる朝忽然と姿を消した。婿となる与助の素行を憂えた、出入りの絵師・夢吉の仕業であった。お美代に惚れていた夢吉は、思いの丈をぶつけるように、生娘の透き通った白い肌にむしゃぶりついていく…。書き下ろし好評シリーズ第四弾。
四谷に店を構える呉服問屋の『井崎屋』に奉公している文治は、無実の罪で詰め腹を切らされた父と夫の無念を晴らすという悲願を抱えて健気に生きている志穂や、好奇心溢れる『井崎屋』の一人娘・りん、媚薬を扱う薬種問屋の若女将の泉など、いずれ劣らぬ美女たちと、欲望のおもむくままに肌を重ねていく…。
内藤新宿に店を構える薬種問屋『蓬莱屋』の三男・三吉は、姑の薬代が嵩み、困り果てた御家人の新造の加代から、何とか五十両を工面してくれないかと相談された。媚薬も扱う同業の『玉泉堂』の女将・泉から、加代の淫水や和合水を採ってくるなら五十両を用立てても良いと言われた三吉は…。好評書き下ろしシリーズ第七弾。