電子マネーにキャッシュレス、暗号資産、ブロックチェーン。今フィンテックという言葉のもとにお金のあり方が変わり始めた。インターネットと社会の関係を研究する著者はこの先「貨幣経済が衰退する可能性は高く、その未来にまったく異なる世界が立ち上がる」と主張する。お金が消滅すると同時に消える職業とは?変わらず価値を持つものとは?その先で私たちは何を歓びとして生きる?この本を手に混沌たる世界を進め!
アメリカの民主・共和の二大政党は、世界の中で極めて異質だ。両党は、地域の政党組織の連合体に過ぎず、党首、恒常的な綱領、党議拘束もない。他方で、地方政治家、政府高官、裁判官など隅々にまで浸透し、いずれかの党派であることが当然視される。両党は法によって優遇されてもいる。本書は、支持層・基盤を変えながら二大政党が制度化していく歴史を辿り、大統領を中心に語られてきたアメリカ政治の本質を描く。
最近は肉体の性別とは違う性認識を持つことが尊重されるようになってきた。先進的に見えるが、じつは日本の古典文学には、男女の境があいまいな話が数多く存在する。太古の神話から平安文学、軍記もの、江戸川柳まで、古典作品を通して「伝統的な」男らしさ・女らしさのウソを驚きをもって解き明かす。昔の日本の「性意識」があいまいだったゆえに文芸が発展した、という一面も見えてくる。年表作りを愛する著者による「ジェンダーレス年表」は弥生時代から現代までを網羅。
美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがないーミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。
建築は技術の結晶。そして、技術は人がつくる。誰も見たことのない施工の世界!描いたイラスト800点!!
覚えておいてほしい。私たちはどこからでもスタートできる。社会に出たくない人も、今、人生に迷っている人もー。不登校の若者たちが体当たりで取材した20名の大先輩たち!
湯屋『狼と香辛料亭』を営むロレンスの悩みの種、それは家を飛び出していった可愛い一人娘、ミューリのことだった。憔悴するロレンスを見かねたホロは、湯屋をセリムたちに任せ、娘を訪ねて十数年ぶりの旅に出ることに。そんな旅の途中に立ち寄った町で、さっそくミューリの噂が耳に飛び込んでくる。それは、二人の知るお転婆娘とかけ離れた、“聖女ミューリ”の噂でー!?書き下ろし短編『狼と旅の卵』に加え、電撃文庫MAGAZINE掲載短編4本を収録した、幸せであり続ける物語第4弾!
右肩上がりで増加する訪日外国人観光客。京都をはじめとする観光地へキャパシティを超える観光客が殺到し、交通や景観、住環境などでトラブルが続発する状況を前に、東洋文化研究者のアレックス・カー氏は「かつての工業公害と同じ」と指摘する。本書はその危機感を起点に世界の事例を盛り込み、ジャーナリスト・清野由美氏とともに建設的な解決策を検討する一冊。真の観光立国を果たすべく、目の前の観光公害を乗り越えよ!
アジア・太平洋戦争の悲惨な経験から、多くの支持を得た戦後民主主義。日本国憲法に基づく民主主義・平和主義の徹底を求める思想である。だが冷戦下、戦争放棄の主張は理想主義と、経済大国化後は「一国平和主義」と批判され、近年は改憲論の前に守勢にある。本書は戦後の制度改革、社会運動から政治家、知識人、映画などに着目し、戦後民主主義の実態を描く。日本社会にいかなる影響を残したのか。その軌跡を追う。
教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。どうやらアマーティはホロに一目惚れをしてしまったらしい。急速に彼女に近づき始めた。一方ロレンスとホロの間には微妙な気持ちのすれ違いが生じ、誤解が誤解を呼んでしまう。そしてそれがロレンスとアマーティそれぞれの商売をも巻き込んだ大騒動へと発展していくー。第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作第3弾。
老朽化する道路・橋、学校、水道管…もう先送りは許されない。更新投資毎年8兆円という巨額の“隠れ債務”の存在を明らかにし、少ない予算で効果をあげる知恵・先進事例を解説する。
イネにとって老いはまさに米を実らせる、もっとも輝きを放つステージである。人間はどうして実りに目をむけず、いつまでも青々としていようとするのか。実は老いは生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略なのだ。次世代へと命をつなぎながら、私たちの体は老いていくのである。人類はけっして強い生物ではないが、助け合い、そして年寄りの知恵を活かすことによって「長生き」を手に入れたのだ。老化という最強戦略の秘密に迫る。
甦った魔神と人間との戦いは、大詰めを迎えつつあった。モス連合騎士団と“百の勇者”によって、魔神はその生まれ出た地スカードに追いつめられたのだ。だが、ロードスの力を一つにできたはずのナシェルは逝き、魔神王を倒す希望は、七人に委ねられるー聖騎士ファーン、戦士ベルド、鉄の王フレーベ、司祭ニース、魔術師ウォート、謎の魔法戦士、そして聖女フラウス。彼らはロードス存亡をかけた戦いに向かっていった!伝説完結。
この一冊にカシミール3DのGPS機能を使いこなすための知識と関東甲信越の山300コースのデータ&登山ガイドを凝縮。
賢狼ホロと元行商人ロレンスが営む湯屋『狼と香辛料亭』。幸せと笑いがわき出ると言われる湯屋を舞台に描かれる、旅の続きの物語、第2弾が登場。コルとミューリが旅に出てしまい、湯屋は慢性的な人手不足に。ロレンスは大勢の客が訪れる繁忙期に向け、スヴェルネルの騒動で出会った女性・セリムを新たに雇うことにする。実は彼女、ホロと同じ狼の化身なのだ。新参者のセリムの前では、女将としても狼の化身としても威厳を保ちたいホロだったが、なにやら浮かない様子でー。電撃文庫MAGAZINEに掲載され好評を博した短編3本に加え、書き下ろし中編『狼と香辛料の記憶』を収録!
兼好は鎌倉時代後期に京都・吉田神社の神職である卜部家に生まれた。六位蔵人・左兵衛佐となり朝廷に仕えた後、出家して「徒然草」を著すー。この、現在広く知られる彼の出自や経歴は、兼好没後に捏造されたものである。著者は同時代史料をつぶさに調べ、鎌倉、京都、伊勢に残る足跡を辿りながら、「徒然草」の再解釈を試みる。無位無官のまま、自らの才知で中世社会を渡り歩いた「都市の隠者」の正体を明らかにする。
作家の好奇心を刺激した128冊!