美しくて、か弱くて、本を愛したミーナ あなたとの思い出は、損なわれることがないー懐かしい時代に育まれたふたりの少女と、家族の物語。
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだがー。第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作。
美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがないーミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか?子どもはいかにしてことばを覚えるのか?巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは?言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
NHK子供向け番組のオムニバス盤。中西圭三が作曲した人気曲「ぼよよん行進曲」やポジティヴな歌詞が魅力の「ずんずんあるいて」など、多彩な楽曲を収録。素直にいい曲が多いので、親子で安心して楽しめる。⇒親子で楽しめるCD・DVD・ブルーレイはこちらをチェック!
パンデミックを前に動きを止めた社会。世界を駆ける漫画家・ヤマザキマリもこれほど長期間家に閉じこもり、自分や社会と向き合ったのは初めてだった。しかしその結果「たちどまることが実は必要だったのかもしれない」という想いにたどり着く。ペストからルネサンスが開花したようにまた何かが生まれる?混沌とした日々を生き抜くのに必要なものとは?自分の頭で考え、自分の足でボーダーを超えて。あなただけの人生を進め!
310万人に及ぶ日本人犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。本書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高い餓死率、30万人を超えた海没死、戦場での自殺と「処置」、特攻、体力が劣悪化した補充兵、靴に鮫皮まで使用した物質欠乏…。勇猛と語られる日本兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験を強いられた現実を描く。
歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてくる。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録…。古文書と格闘し続ける著者が明らかにした、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」がここにある。
西郷隆盛の性格は、書状からみえる。豊臣秀頼の父親は本当に秀吉なのか。著者が原本を発見した龍馬の手紙の中身とは。司馬遼太郎と伝説の儒学者には奇縁があったー日本史にはたくさんの謎が潜んでいる。著者は全国各地で古文書を発見・解説し、真相へと分け入ってゆく。歴史の「本当の姿」は、古文書の中からしかみえてこない。小説や教科書ではわからない、日本史の面白さ、魅力がここにある!
教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。どうやらアマーティはホロに一目惚れをしてしまったらしい。急速に彼女に近づき始めた。一方ロレンスとホロの間には微妙な気持ちのすれ違いが生じ、誤解が誤解を呼んでしまう。そしてそれがロレンスとアマーティそれぞれの商売をも巻き込んだ大騒動へと発展していくー。第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作第3弾。
狼神ホロとの二人旅を続けることを決めた行商人ロレンス。港町パッツィオでの銀貨騒動で儲けた上等な胡椒を武器に交換し、異教徒の地への玄関口、北の教会都市リュビンハイゲンで大きな商売を仕掛けた。しかし思いもかけない謀略に嵌ってしまう。賢狼を自称するホロでも解決策はすぐには見つからず、時と運にも見放されたロレンスは、商人生命を絶たれてしまうほどの窮地に。何とか秘策を思いついた二人は、リュビンハイゲンへ向かう途上で出会った羊飼いの少女にある任務を託すのだが…。第12回電撃小説大賞銀賞受賞作第2弾。
家業のカメラ店の手伝いで観光写真を撮っていた時代から年商1700億円超の日本一有名な通販会社をつくり、「卒業」するまで。そして、今伝えたい一番大切なこと。
「数」の論理と資本主義が支配するこの残酷な世界で、人間が自由であることは可能なのか?「観光」「誤配」という言葉で武装し、大資本の罠、ネット万能主義、敵/味方の分断にあらがう、東浩紀の渾身の思想。難解な哲学を明快に論じ、ネット社会の未来を夢見た時代の寵児は、2010年、新たな知的空間の構築を目指して「ゲンロン」を立ち上げ、戦端を開く。ゲンロンカフェ開業、思想誌『ゲンロン』刊行、動画配信プラットフォーム開設…いっけん華々しい戦績の裏にあったのは、仲間の離反、資金のショート、組織の腐敗、計画の頓挫など、予期せぬ失敗の連続だった。悪戦苦闘をへて紡がれる哲学とは?ゲンロン10年をつづるスリル満点の物語。
「ここで旅を終わろう…」ホロとロレンスの関係が急展開する最新刊登場。
『太陽の金貨』事件から数年。元羊飼いのノーラと女商人エーブはホロからの手紙を手に、北へと向かっていた。その旅の途中、錬金術師デイアナも同じ馬車に乗り込んできてー。果たしてホロとロレンスは、幸せであり続ける物語を紡ぐことができたのか?第16巻の後日譚を描く書き下ろし中編「Epilogue」のほか、「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された短編3編を収録。第12回電撃小説大賞“銀賞”を受賞するや、剣も魔法も登場しないファンタジーとして多くの読者に愛された賢狼と行商人の旅の物語が、今巻でついに完結!二人の旅の結末を、ぜひその目で見届けてください。
古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とはー。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。
ホロの仲間の名を冠す『ミューリ傭兵団』。彼らに会うため、ロレンスたちは鉱物商・デバウ商会が牛耳るレスコの町を訪れることになる。デバウ商会には、北の地の征服を企んでいるとも、さらなる鉱山開発を進めようとしているとも噂があり、そのため商会は町に武力を集めているという。だがロレンスとホロが訪れた町は、意外にも活気に溢れた平和な様子だった。訝しがりつつもロレンスたちは、ミューリ傭兵団が滞在する宿屋を目指すことに。そこで二人が出会った人物とはー?北を目指す狼神ホロと行商人ロレンスの旅は、いよいよ最終章へ突入するー。
ウィンフィール王国を出たロレンスたちは、北の地図が描けるという銀細工師フランに会うため、港町ケルーベを再訪する。町の絵画商で待つ一行の前に現れたのは、砂漠の民が持つという褐色の肌をした美しい少女だったー。地図を描いてくれるよう頼むロレンスたちに対し、フランはある条件を提示する。それは、天使が舞い降りたという伝説がある村に同行し、その情報を集めること。しかしその村には、ほかにも魔女が住んでいるという噂まであって…?絶好調の新感覚ファンタジー第12弾。ヨイツを目指し、ホロとロレンスの旅が大きく動き始める。
鉱物商・デバウ商会によって新貨幣が発行され、自由と希望の町となるレスコ。ロレンスはその町で、ホロと共に店を持つことを決める。しかしその矢先、ホロとロレンスの前にコルの頭陀袋を持った人物が現れ、二人はデバウ商会の内部分裂による大きな事件に巻き込まれることとなってしまう。ホロは、禁書を得るためコルとエルサを追ってキッシェンへ。ロレンスは、デバウ商会に追われミューリ傭兵団とともに雪山を越えることになる。バラバラになってしまった二人の運命はー?行商人ロレンスと賢狼ホロの旅を描く新感覚ファンタジー、ついに本編感動のフィナーレ。
個人への少額の融資を行ってきたサラ金や消費者金融は、多くのテレビCMや屋外看板で広く知られる。戦前の素人高利貸から質屋、団地金融などを経て変化した業界は、経済成長や金融技術の革新で躍進した。だが、バブル崩壊後、多重債務者や苛烈な取り立てによる社会問題化に追い詰められていく。本書は、この一世紀に及ぶ軌跡を追う。家計やジェンダーなど多様な視点から、知られざる日本経済史を描く意欲作。