世界最大のサハラ砂漠を、ラクダに乗って越えてみたい。そんな、子どものころからの夢をかなえようと、二人でやってはきたものの…。50度をこす暑さの中、二人を待ちうけるのは毒ヘビ、泥棒、砂嵐…。はてさて、無事に乗りきれるか?
感動の舞台ができるまでを伝える、初めてのシリーズ。小学校高学年から家族で楽しむ舞台芸術入門。
数かずの苦しみをのりこえ、自由をとりもどすまでの、小さなウサギの気力と戦い。すばらしい記録をもつ伝書鳩の冒険と故郷を目の前にして待ちうける試練。ほか4編。
少年シートンが見た、きびしい大自然のなかで生きる、オオヤマネコの親子の生活と習性ー。人間に飼われた灰色グマが自然に帰り、成長しふたたびとらえられるまでの自由と悲しみ(ほか3編)小学校4年生から中学生向き。
1966年。街にビートルズの曲が流れるその年の夏、ぼくは一台のオンボロ外車を手に入れた。シムカ1000。風変りな色に塗られたその車に魅せられたぼくは、女ともだち揺子の意外な成功と突然の転落のドラマを乾いた心で見つめていた。「車は雨の日にこそみがくんだわ」最後に揺子が残した言葉を忘れられずに、その夏からぼくの恋と車の奇妙な遍歴の季節がはじまる。ビートルズ、〈男と女〉のアヌーク・エーメ。ぼくは作家を夢みる青年だった。ぼくの愛した9台の車と9人の女たち。
逆境に打ち克ち、何ごとも運命とあきらめずに自分の人生を切り拓いた強い精神力。ここ一番の勝負には思いきって事を成す適切な行動力。そして卓抜な大奥管理の冴えをみせた統御の力量。女性史上まれにみる波瀾の生涯を送り、三代将軍家光を支えきった春日局の自己実現の過程を、丹念に描ききった特別書き下ろし作品。
クロロックのおごりで食事をしていたエリカたち三人組は、追突事故を目撃した。運転していた女性は、かけつけたエリカたちに小箱を託してこと切れた。残されたメモにはアリスの三文字が読めるだけ。そこへ死んだ女性の妹が現れ、その小箱は有害物質をたれ流す化学工場の証拠品だといった。そして女性の事故は、ブレーキを壊されたためであることがわかった。-『不思議の国の吸血鬼』より。
南中を平定し成都に還った孔明は、劉禅を擁し中原の地をうかがうが、戦況はかばかしからず病も重い。弟子に自分の亡き跡を細かく指示して息絶える。それを知った司馬懿は進軍する。だが車に孔明の木像が端座しているのを見、仰天して逃げ出してしまうのだった。
本書は、16世紀のネーデルランドの偉大な画家、ピーテル・ブリューゲルの絵をもとにして、ハンガリーで製作された3冊の本を1冊にまとめ直したものです。もとになっているブリューゲルの絵は、「子どもの遊び」「ネーデルランドのことわざ」「バベルの塔」です。これがそのまま原著の題にもなっています。これらの本の出版の意図は、ハンガリーの若い人たちに絵のひとつの見方を紹介することにありました。ひとつの絵を部分に分解し、部分の観察から全体を見直すことによって、その絵をよりよく理解することができるようになります。
南米ペルーのインカ帝国では、金を「太陽の汗」銀を「月の涙」と呼んだ。昼は汗を流して働き夜は物思いにふける。それが人間ではないか。輝く女性たち、「寅さん」の世界のような中南米から、「緊張社会」日本を見すえる。
「世の中には、わざわざ飢えた魔の顎の中へ首を突っ込みたがる輩が、本当にいるのでございますよ。我が殿アーモンさまも、そのおひとりでございましてな。かような所業をなさろうというのも、全ては退屈から始まったこと。人語を解する狼の話にいたく興味をもたれ、シヴァ神が舞い降りるという聖なるムリカンダ山へ出掛けたのでございます。旅に出る度、恐ろしいことばかり。そのうえ、この山には月の種族が棲むと、皆が怯えるのでございます…」古代インドを舞台に、鬼才が紡ぎだす、美しくも怪奇な物語の数々。
近代化によって豊かになるはずの農村が体験したこととは何か。同時代への真摯なカメラワークを通して撮りつづけた迫真の映像。
突然、泉が街なかにできて、その中に入った男が、引きこまれるように沈んだ…。そんなことを知らない人々は〈愛の泉〉と称して新名所に浮かれていたが、エリカはその泉に、なにか得体の知れぬ邪悪なものの存在を感じていた。だれかの陰謀?それとも呪い!クロツクとエリカの活躍が始まった。表題作の他に「ある吸血鬼の肖像」を収録。
灰色の月に刻みこまれた〈ダビデの星〉。ゲルギアと自称する超人工頭脳、そして「月の魔法鏡」の意味するものは何か。光のラルーサ、闇のガゴール、二つの星間文明を軸に、三種の神器を求めてCIA、KGB、礼部一族が死闘を繰り広げる。その間隙をぬって疾走する、欲望の精密機械=水城蒔恵と殺人機械=九鬼鴻三郎が織りなす壮大なる日本史の書き換え。古の都、奈良を舞台に、隠された真なる日本史をあばくSF伝奇大作第二弾。