八世紀、ユーラシア大陸。アッバース朝は、イスラム独特の都市間交通を利用し、交通網をつくりあげていった。「草原の道」「海の道」「川の道」は、北欧へ、アフリカへ、スペインへ、中国へと通じる。はじめて世界は一つになったのである。「ネットワーク論」の視角から世界史を書きかえる問題の一書。
名にし負う受験校に入学した著者を待ち受けていた“天国と地獄”-初めてのキス、店屋物への執着、ロックバンドへの過激な傾斜、アルコール中毒、ドラッグ、フーテン浪人…底抜けの明るさと底なし沼の悩みを交錯させながら、60年代を駆けた鬼才・中島らもの面白うてやがて哀しき青春放浪記。
草原の戦いは終わった。日本軍6万人のうち死者1万1000人、戦傷者9000人。第23師団の損耗は76%に達した。生還した捕虜は“自決”を強要され、生存者は「口を閉ざす」よう命令を受けた。幹部の更迭がひそかに進められる一方、国民には「戦闘精神の勝利」が喧伝された。全4巻完結編。
夜も更けた大都会のあちこちに男と女の見果てぬ夢が咲き乱れ、やがて最期を迎えたクレオパトラの嘆きのように空しさだけがわだかまる。そして、稀代の色事師カサノバのため息にも似た底知れぬ幻滅の嵐が心の中に吹き荒れるー豪奢なひとときと蠱惑的なまざさしが交錯する愛のつづれ織り51篇。
金融恐慌の1927年、江戸青年は当時絶頂期にあった日本最大の財閥・三井合名に入社する。以来70年。団琢磨理事長暗殺、財閥解体、三井不動産事件、東京湾埋め立て、超高層ビル、ディズニーランド建設…。中枢で三井の節目に立ち会った著者が、巨大企業集団の内幕を克明に証言。
「蒼き狼」伝説のロマンに満ち溢れるチンギス汗の一代記として名高い「元朝秘史」は、古来、多くの人たちを魅了し続けてきた。だがその原文は、モンゴル語でありながら漢字の音を借りて表記した難解なもので、そのために多くの謎が残されている。モンゴル語の原名は何か、作者は誰か、いつ書かれたのか。未解決の課題に言語学の碩学が挑む。
インカ帝国のさらに400年前、黄金の仮面とともに出現した謎の宗教国家。中学2年で渡米し、気鋭の考古学者となった「イズミ教授」が挑む、本物のインディ・ジョーンズ物語。
蝦夷の地に独自の文化を育んだ人びとの歴史は、日本を写す鏡…。農耕定住民こそ国の礎と考えた和人統一権力にとって、狩猟・交易にたずさわる者たちは、常に“まつろわぬ民”にみえたのである…。現代以来の日本人との関係を通観する。
この本は、建築設計の初学者や建築デザイナーを目指す人達を対象にした構造計画の入門書です。内容は、可能な限り平易に記述することを心がけました。特に、デザインの初期段階で必要な、構造の形式や部材寸法、断面寸法、スパンの寸法などの概略値といった。直ちに設計に役立つ基礎的情報や、スーパーフレーム、免震構造といつた先端的なキーワードについても解説し、構造計画の全般が容易に理解できることをねらいました。
「源氏物語」の作者は2人いた。「静かなドン」は盗作だった。シェイクスピアはベーコンだった。-歴史上の真贋にまつわる疑問に答え、また現代のメディアに乗った新手の贋作の化けの皮をはがす真贋鑑定法-計量文献学の全体像を紹介する。
独創的文化を生んだ理想郷の風土と人と歴史。平安京ハンドブック。
沈みゆく太陽、消えない記憶、深いブルーの海とサンゴ礁に囲まれた島で、愛と死と永遠の物語がよみがえる。