第二次長州戦争の敗北と家茂の死。危機のなか第十五代将軍となった慶喜は、その識見と人間的な魅力で英国公使パークスらを強くとらえた。雄藩連合政権か、徳川幕府の独栽か。「情報将校」サトウが縦横に活躍する。
日本の真の支配者はだれか。慶応2年、サトウは中央政府としての幕府の否認という大胆な主張を、『ジャパン・タイムズ』に発表した。『英国策論』として知られるこの著述は、サトウを幕末政治の渦中の人としてゆく。
多彩色陶磁に飾られたモスクは、それ自体が陶磁器の建築物。つまり、精神の器、生活、信仰の器なのだ。チューリップやカーネーションといった花鳥文様、アラビア文字などを描いたタイルが、見るものを幻惑へと誘う-迷宮の都イスタンブールから、激しい労働争議に揺れる東欧の窯まで旅をした。恍惚たる夢幻の境地で精神を肉体から解放しシェレフェー(乾杯)。
森とクジラの海…南東アラスカからシベリアへミチオ、最後の旅。
本書では、建築学部で学ぶべき基本的な都市計画について解説したものであり、次の4点を執筆の方針としている。一つは建築系学科の学部学生に対する1学期間(15コマ)の都市計画の講義に活用されること、二つは基本に詳しく総花的にはならないこと、三つは規範的な事項を述べること、四つは地方自治体で策定された事例の図面を取り入れ、都市計画の図面を通して理解を深めることである。
おばあさんとフンたろうのたびはますますふしぎなことばかり!やまをこえ、うみをわたり、しまへ、まちへ、どうくつへ…。まだまだたびはつづきます。
表紙に「洗面器でかおう」とあるので、「ほんとうに飼えるの?」と、すぐには信じられない人もたくさんいるでしょう。たしかに、熱帯にすむいきものや大きな魚などを飼うには、大きな水そうや濾過装置が必要で、せわをするのもたいへんです。でも、わたしたちの近くの海には、くふうすれば、かんたに楽しく飼えるいきものがいっぱいいるのです。著者はもう何年も、洗面器を水そうにして、濾過装置をつかわず、一週間に一回人工海水をかえるだけで飼う方法をためしてきました。この飼いかたでは、たくさんのいきものは飼えませんが、水そうが小さいので、小さいいきものを身近にかんさつすることができます。子どもからおとなまで。
これからの文学に必要なもの、それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」-全く新しい視点で古今の傑作を論じた書。
命を賭した愛、伝統との摩擦、心の熱い叫び、勇気と決断、自立への目覚め、人生の選択-。愛をつらぬくため、ふたりは草原の彼方に消えた、伝説だけを残して-。300万人が涙したベストセラー、日本上陸。
大問題、大騒動であふれかえる朱雀学院も新年度を迎え新入生でいっぱい。部活勧誘にも力が入るはずが…勧誘活動はみごとに閑古鳥。みんながたむろする掲示板には…生徒間の不純同性交遊を禁ずるの文字が!!オマケに明日の選抜試験で落第した生徒は退学ぅー!?火走雷もテストに向け美貌の朱雀寮長・水神冥に特訓をうけるが、近頃あやしい冥の行動が気になってしょうがない。まさか冥のやつ新学院長の范竜文と…。
星空の初心者でもかならず探し出せる45個の星雲星団を厳選。星雲星団の位置を示した「見出し星図」と、探し方が一目でわかる「見つけ方星図」を左右セットで掲載。さらに空の環境別シミュレーション画像で実際の見え方を再現。星雲星団を見つける楽しみ、見る楽しみのエッセンスがいっぱい詰まった一冊です。
なだらかな草原、ゆるやかにうねる小川。18世紀英国が生み出した「西欧庭園の革命」-風景式庭園。ささやかな敷地に色とりどりの花が咲き乱れる「なつかしい庭」-コティジ・ガーデン。緑なすイングランドを舞台に、「楽園の夢」実現にかけた英国人の飽くなき情熱をたどる。
「先生の教え方が親切ていねい、よく効き、お金を要求されず、気に入らなければいつでもやめられる…」そんな宗教が好きな著者が、自身の信仰を通して、人生を楽しく生きるコツをユーモアたっぷりに描く。宗教って意外に役に立つ!目からウロコの明るい信仰論。
小さな田舎町の小さな家に、編み物名人のおばあさんがいました。春がきて頼まれ仕事がなくなって、何を編もうか考えているときでした。大きな黒っぽい蝶が窓から入ってきて、ひざにとまりました。見たところただ黒っぽい羽が、よく見ると美しいこまかい模様が浮き出ています。名人のおばあさんは、この蝶の羽模様で肩かけを編むことに決めました。ところが、編みはじめるとむずかしい。何度も何度もやり直して十日もかかってやっと五センチ巾の細い編み物ができたときです。編み物はびくんびくんと動き出し、さらに編み進むと浮きあがり出し、編み巾が増すと、押さえたおばあさんまでがいっしょに浮きあがったのです。-そこでおばあさんは、空とぶ飛行機を作ってみようと考えましたー。小学中級以上から。
日常の対応から薬物治療の効果まで注意欠陥・多動性障害ADHD診療最前線。ADHDをわかりやすく紹介した初めての本『落ち着きのない子どもたち』姉妹編。
かずいの生活を監視するストーカー。彼は奥森医院に盗聴器と隠しカメラを仕掛け、かずいと同じ服を身にまとう。美しい封筒を選んで、丹念に綴る手紙の文面は「殺してやりたい」…!男の激しい感情は次第に怒りへと変わり、ついに虎弥太にむけられた!人の心の闇に迫る問題作「闇の追撃者」と、押しかけ看護婦・朝倉千夏が遭遇するトラブルを描いた「走る人」を同時収録。『MIND ASSASSIN』第3弾。
「賤称廃止になりますれば、これまでの権益を失い、新たな租税をかけられるでしょう」直樹らの醜名除去の嘆願は、皮肉にも彼らの牛馬処理の独占的利益と、仲間の支配を否定する結果に。仲間と結束した彼は、富国強兵を旗印にした明治政府の要請に応える形で皮革による西洋靴の製造を決意する。米国から招いた鞣職人の技術で、計画は順風満帆に進むように見えたが…。現代に通じる差別構造の根元を描く大河小説、ついに完結。