絶望の淵から立ち直らせたあの言葉。天狗になったとき厳しく諫めたあの人。さまざまな人と人との縁を通して、組織を生かし人を育てた“ちょっといい話”を爽やかに語る。
巨大な迷宮のごときゴーメンガースト城。その当主は、いまだ年少の第77代伯爵タイタス・グローン。彼は、何千年も前から繰り返される煩瑣な儀式に飽き、未知の外界への強い憧れを抱きはじめた。城中では、一使用人から成り上がったスティアパイクが狡猾な陰謀の罠を張りめぐらしていた。アダルト・ファンタジーの大傑作はいよいよ佳境に入る。
知的生産・知的生活のためのヒント集。リクルートを育てあげたベテラン・ビジネスマンが語る、散歩や読書の楽しみ、街角の言葉やオフィスでの作法、作文術など、新鮮な発見に満ちたショート・エッセイ。
因果・苦・空といった仏教のキーワードと、それに交差する西洋思想を提示することを軸に、比較思想の方法で仏教をとらえ直す。
昭和25年「ものの見方について」で敗戦日本の生き方にひとつの指針を示した著者は、12年後、折から高度成長期にあった日本経済の底の浅さを危ぶみ、落語の“花見酒”にたとえて、その破綻を警告した。「日本独自の経済学」の確立を訴えたその主張は、貿易摩擦に苦しむ今日のわが国にとって、いまだに新鮮さを失っていない。
ちいさなはな…。おおきなはなびらのはな…。あかいいろのはな…。きいろいいろのはな…。さこう、さこうとしているはなたちの きもちになって、よんでください。
ロシア人の姑と日本人の嫁の愛の闘い。結婚翌日から始まった姑の厳しいレディー教育、嫁教育を、天性の明るさで受けとめて、「もう1度やってみよう」とくじけず、姑から「私の娘」と愛称されるまでの日々を刻む。
暗殺、襲撃、うち続く攘夷事件の闇と、維新の曙光。オランダ・ライデン大学に秘されていた「古い写真」から、厳選450点を初公開!F・ベアト、上野彦馬らが写した“激動の時代”が、いま、甦る。
史上かつてない繁栄を迎えた日本に、きわめてよく似た国がかつてあった。ヴィクトリア朝のイギリスである。島国でありながら貿易によって世界の富を集めたこと、また島国であるために、軍事的・道徳的安全が保障され、しばしば大陸の戦乱で漁夫の利を得てきたこと。そのことが、国際感覚の欠如、つまり島国根性を育ててしまったこと。かの大英帝国の没落が語られてから久しい。このことは日本の未来に、多くの示唆を与えてくれる。われわれは、大英帝国の繁栄と没落に、何を学べばよいのだろうか。
有名な「牡丹灯篭」を含む仮名草子の名作。原話は中国・朝鮮の怪奇小説であるが、著者はこれを見事に日本の話にうつしかえ、全く翻案臭を感じさせない。寛文6年刊本を全挿絵と共に翻刻、各話ごとに原話と比較対照を試みる。1は巻8までを収録。
最愛の母とはなればなれになり祖父ドリンコート伯爵とくらすことになった少年セドリック。地上に舞いおりた天使のようなセドリックの愛らしい姿はかたくなな老伯爵の気持ちをしだいにあたたかくかえていくのだが…。読みつがれてきた“世界の名作”を完訳でおくります。
神武天皇から開化天皇まで、九代の天皇は実在していた…。「古事記」「日本書紀」はもとより、鴨、三輪、物部など古代大和の豪族に伝わる部族神の伝承まで、あらゆる文献を縦横に駆使し、これまで神話の世界とされてきた、大和朝廷に先行する王権-葛城王朝-の実在性を論証。大和朝廷成立前夜の謎と、天皇性の起源を究明する。
あっちを見てはギョッ!!?こっちを向いてはウッ!!ヌビア人の村に住みついたサバコ(佐和子)。文・写真・絵で描く、面白くて切ないオドロキ日記。
独特の美人画で知られる絵師・林静一が描き下ろした王朝絵巻。
鰯、鯵、鯖に惚れて食べて歩いた西東。釣歴50年の著者が、尊敬する青魚を美味しく食べる秘伝公開。旅の空、漁師や民宿、出会いも楽し。