江戸での生活がはじまった。伊月は藩の世継ぎ・圭寿とともに窮屈な大名屋敷住まい。一方、異能の一族に生まれ育った少年・燦も、祖父の遺言を守り、江戸の棟割長屋に暮らす。その二人が町で出会った矢先に不吉な知らせが届く。さらに屋敷でも圭寿の命を狙う動きがー。少年たちが江戸を奔走する、文庫オリジナルシリーズ第二弾。
父親が不倫の末に事故死した17歳の高校生・功刀鈴と、夫と親友に裏切られた34歳の女性歯科医・来野美那子。憎しみと悲しみによって過去の呪縛から逃れられない二人は出会い、心を焦がし、ただ素直に強く求めあうが…。年の離れた男と女が、激しくやさしい、どうしようもない愛を知る、著者渾身の恋愛小説。
時は平安。左腕を蟲に蝕まれた紅蓮に、喉の自由を奪われた昌浩と、次々に起こる異常事態。播磨の郷で、勾陣が味方のはずの神祓衆を疑ったときにはすでに、彼らは黄泉の風に取り巻かれていた。四方を敵に囲まれる中、昌浩は夢殿に導かれる。運命に抗うため、神将の助けのない夢殿で昌浩はひとり黄泉の葬列と対決するが!?葬列は、一体誰のもとに訪れたのかー昌浩が、彰子が、螢が選ぶそれぞれの未来。激震の“篭目編”完結。
江戸・千駄木町の庭師一家「植辰」で修業中の元浮浪児「ちゃら」。酒好きだが腕も気風もいい親方の辰蔵に仕込まれて、山猫のようだったちゃらも、一人前の職人に育ちつつあった。しかし、一心に作庭に励んでいた一家に、とんでもない厄介事が降りかかる。青空の下、緑の風に吹かれるような、爽快時代小説。
少子高齢化で「賃貸→分譲マンション→戸建て」という旧・住宅すごろくは崩壊した。日本最大の不動産データベースを持つ著者が人生のあらゆるリスクに対応する新しい住まいのルールと具体策を公開。
異国の地で城の地下牢に囚われた女。名前も顔も知らないがこの世界のどこかに存在する絶対の敵。いつ終わるとも知れぬ長い裁判。頭の中の機械。精神病療養所のテラスで人形劇めいた場面を演じる人々-孤独な生の断片をつらねたこの短篇集には、傷つき病んだ精神の痛切な叫びがうずまいている。自身の入院体験にもとづく表題作はじめ、出口なしの閉塞感と絶対の孤独、謎と不条理に満ちた、作家アンナ・カヴァンの誕生を告げる最初の傑作。
五・一五事件の前日に来日した大スター、チャップリンの知られざる暗殺計画とはー粋と仁義を体現する伝説の夜盗たちが、昭和の帝都を駆け抜ける。人気シリーズ、9年ぶりの最新刊。表題作「ライムライト」ほか5編を収録。
ヨソは、何食べてる?阿川佐和子、池波正太郎、色川武大、角田光代、久住昌之、佐野洋子、万城目学、吉村昭…など35人による朝ごはんエッセイ。
風鈴、せみの声、花火、ゴムぞうり…冷たいおやつ!冷たいスイーツのエッセイ41篇。
地方エアラインで、キャビン・アテンダントとして働く出雲三江(26)。頼まれたら嫌とは言えない性格がわざわいして、仕事もプライベートもうまくいかず、ストレスをためる毎日。そんなある日、空港で偶然出会った女性に、アサーションを紹介されますが…。もうあきらめない!がまんしない!大切なことをしっかり伝え合う自己表現。自分も相手も大切にするコミュニケーション!
早稲田大学四年の早乙女香夏子には、留年を繰り返す脚本家志望のダメ男・長津田という腐れ縁の彼氏がいた。しかし、必死で就活に励んでいる間に後輩の女子が彼に急接近。動揺する香夏子だが、内定先の紳士的な先輩に告白されて…。自意識過剰で不器用で面倒臭い早稲女の香夏子と、彼女を取り巻く微妙な距離感の女子五人。傷つきながら成長する女子たちの等身大の青春小説。
これからの時代、「図書館利用術」が最強である!図書館がいま、スゴいことになっている!?知ってる人だけトクをする「技」が満載!!
怪異についてあつめていれば、父の正体もわかる日が来るかもしれない。迷いし旅路で人々が抱えるものは、生への執着と死の孤独ー和泉蝋庵の道中記、ふたたび。
清朝最後の皇帝・溥儀は、紫禁城を追われながらも、王朝再興を夢見ていた。イギリス亡命を望む正妃と、史上初めて中華皇帝との離婚に挑んだ側妃とともに、溥儀は日本の庇護下におかれ、北京から天津へ。そして、父・張作霖の力を継いだ張学良は失意のままヨーロッパへ。二人の天子は塵をかぶって逃げ惑う。ラストエンペラー・溥儀と二人の女。時代の波に呑み込まれた男女の悲劇と壮大な歴史の転換点を描く。
こんな介護ノンフィクション、今までなかった!!「がんばる」だけではどうにもならないー。仕事との両立、ストレス、お金。男一匹、ガチンコで認知症の母を看る。あなたに「ごめん」と言わせないために科学ジャーナリストの実体験に基づく介護対策が満載。
ついに最終巻、「卒母」します!万感こめた20ページの描き下ろし収録!
まちがえることを受け入れてまちがえることを一緒に楽しむ「認知症を抱える人」が接客をする不思議であたたかいレストランのものがたり。
奥多摩の御嶽山にある神官屋敷で物語られる、怪談めいた夜語り。著者が少年の頃、伯母から聞かされたのは、怖いけれど惹きこまれる話ばかりだった。切なさにほろりと涙が出る浅田版遠野物語ともいうべき御嶽山物語。
「自律した子」の育て方すべて。モンテッソーリ教具の選び方から、モンテッソーリ・メソッドで育った大人たち、「子供の家」に通わせている親へのアンケート、「小学校以降」のことまで。家庭でできる11のことも収録。