北から南から、あなたの町のちょっといい話。はがき一枚に、日常のなにげない出来事をきらりとこめて編み上げたさわやかなおたより集。TBSラジオ系全国絶賛放送中「七円の唄」集。
測量法が改正され、平成14年4月1日から経緯度の測量の基準が従来の日本測地系から世界基準の世界測地系へ変更、施行された。本書は、今回の法改正を機に、望外の好評を博した前書「測量学」の内容を全般的に見直し、新たにGPS測量に関する記述を補強したり、GISの記述を追加するなど、新進気鋭の測量担当教員に執筆者として加わってもらい、大胆な刷新をはかったものである。
6年生のおっこは交通事故で両親をなくし、祖母の経営する旅館“春の屋”に引きとられる。そこに住みつくユーレイ少年・ウリ坊や、転校先の同級生でライバル旅館のあととり娘の真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の“若おかみ”修業を始めることに。きびしい修業の日々、失敗の連続…。負けるな、おっこ!コメディ新シリーズ第1話
男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子。二十年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う国子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
秦漢と隋唐の巨大帝国にはさまれた四百年におよぶ大分裂時代。専制君主なき群雄割拠の混迷の中から王羲之、顧〓@4ED0@之、陶淵明、『文選』など、壮大な文化は出現した。後世の中国にあらゆる面で多大な影響を残す“華やかな暗黒時代”。その爛熟してゆく「貴族制社会」の形成、変容、崩壊の変遷を詳細に読み解き、中国文明の構造と特質を浮き彫りにする。
昭和四十四年、京都。大学の新入生で、大の日本映画ファンの「僕」は友人の清家忠昭の紹介で、古き良き映画の都・太秦の撮影所でアルバイトをすることになった。そんなある日、清家は撮影現場で絶世の美女と出会い、激しい恋に落ちる。しかし、彼女は三十年も前に死んだ大部屋女優だったー。若さゆえの不安や切なさ、不器用な恋。失われた時代への郷愁に満ちた瑞々しい青春恋愛小説の傑作。
『葉隠』は、江戸・元禄時代を生きた佐賀藩の元御側役・山本常朝が隠棲中に口述し、後輩の田代陣基が筆録した語録、回想録である。「武士道の聖典」とされており、激烈な狂気を礼讃している一方で、きわめて常識的な処世の知恵をも教えている「人生の指南書」でもある。現代に活きる百四十篇を選び、テーマ別に整理した上で、現代語訳・注・原文の順に配列。
群雄が割拠し、諸国が覇権を争う戦乱の世にあって「戦わずして勝つ」ことを説く、中国兵法の極意とは?『孫子』『尉繚子』…新発見の資料により、古代中国の「兵家」のことばがいま、鮮やかによみがえる。
住居学は底辺の広い学問であり、家をつくる側、そこに住まう側、そしてそれを維持管理する側など多角的に学ばねばならない。本書ではこれらの多様な側面に対応すべく各章ごとに、あるいはさらに細分化し、それぞれの専門領域の執筆者が大勢参加している。そして今私達に必要なことは、住宅に関する詳細な知識を得ることではなく、住居に関する自分の基本的な考え方と判断力をもつことである。したがって本書から、全体を通して住居とは何かという執筆者達からのメッセージを組みとり、これからの住まいに正しい指針を与えられるような英知を養ってほしい。
ヤクザとおんなとヒッピー、パンチパーマ、ラブホテル、カラオケ、プロレス、フードル、口裂け女、情報化社会と犯罪…。今という時代に渦まく欲望社会の深層を読む。
究極の解説書!仏像について、ありとあらゆる素朴な疑問にお答えします。あの名著が、より美しく、より読みやすく生まれ変わりました。
イギリスの庭園思想をリードしたのは、「エデンの園」「アルカディア」という相異なる「夢の楽園」に対する憧れであり、「癒しの庭園」を創ろうと試みる中で、2つの庭園観は相克と融合を繰返した。やがて、近代化過程で「神の創った自然」から「人が管理する自然」へと自然観が変り、世界各地の植物がもたらされ、東洋庭園の影響も受け、庭園様式は大きく変貌を遂げた。本書は、英文学、本草誌、ガーデニングの本などを素材に、イギリス庭園史を追い、併せて、日本人の自然観、日本の庭園史との比較を随所で試みる。図版多数。
第八巻は、「美味礼賛」。落語を聞いて「アッ、うまそう!」と思わず口中に唾がたまった経験はありませんか。食べものがテーマ、もしくは食べるシーンが一つの魅力になっている話を集める。最終巻につき、著者ごあいさつあり。