まどろみから目覚めると、見知らぬ世界が広がっていた。白い猫に誘われ、記憶の底に消えてしまったあなたと、いつかのわたしに会いにいく。時空を超えてめぐり会う、彼女たちのピュア・ストーリー。
激しい炎の赫さ、萠える新緑、深い水底の青…墨はこの世のあらゆる色を鮮やかに描き出す。永年、その墨と向き合い、文字の形がつくられた原初の人の心に遡り、「墨象」という孤高の世界を確立した篠田桃紅の研ぎすまされた感性が捉える自然、文化、人…。日本セッセイスト・クラブ賞を受賞した香り高い随筆集。
家探しって、男選びと似てない!?白の似合う女って、特別なオーラが出ているよね。元気が出てくるお風呂の入り方教えて。幸せすぎると女はきれいになれない?理想の男探しは、つまり自分探しなのかもetc.つねに女性の美と生き方を見つめてきたふたりが語り合う、恋、仕事、おしゃれ、美容、人生…。綺麗で優しいだけの女でなく、格好よく生きるためのメッセージをあなたに。
待望のポケットサイズ。ラテン語簡明辞典。一般語彙から文章語・専門用語・略語など、収録項目約一万四千。
「スイートハート、きみはどこにいる?」ラスヴェガスを訪れていたシドニーは、ホテルのフロント係から、そんなふうに始まる手紙を受け取った。もちろん、人違いだ。カリフォルニアでウエイトレスをする彼女に、こんな愛のこもった手紙をくれる男性はいない。どうやら差し出し人の男性は、十時にバーで待っているらしい。気の毒な男性が、現れるはずもない恋人をむなしく待ちつづけるーそう思うと、彼女はいてもたってもいられなくなった。約束の時間に、そのバーに行って手紙を返そう。それが、すべての始まりだった。人待ち顔の、すばらしくハンサムな男性に声をかけたとき、地味でさえないシドニーは、華やかでスリリングな人生への第一歩を踏み出したのだ。
騎士スティーブン・クレイバーンは、イングランド王の勅書を手に、ウェールズとの国境の地、モールヴァン城への道を急いでいた。隣国との戦が絶えない彼の地に、王命が下された。領主グレイソン卿の令嬢と、敵国ウェールズの君主を結婚させること。もちろん、その縁組がすんなり両者に受け入れられるとは思えない。それをスティーブンは実現させなければならないのだ。任務の難しさを憂いながら、目的地に向かう途中、彼は森の奥で信じられない光景を目にした。池のほとりで、輝く美しい体をさらす清らかな一人の娘。その完璧な裸身をおおうものは膝まで届く銀色の髪だけ…。だが、騎士たるもの、誘惑には負けられない。後ろ髪を引かれる思いでその場を離れたのに、城に到着した彼を待っていたのは、運命の皮肉だった。ウェールズ人に差し出されるはずの令嬢フェリスこそ、いつか必ず我がものにすると心に誓った森の娘だったのだ。