夏の息吹が満ち始める山間の学園の奥の奥。高い塔の上も、濃い緑に覆われていた。さらに、その一角には、極彩色の宝石のような、甘いお菓子が絨毯のように敷き詰められー中心に黄金色の姫・ヴィクトリカは静かに座っていた。時が刻む歯車の音に、静かに耳を傾けながら。甘いお菓子を頬張りながら、残酷なる人の歴史をー混沌を彼女の“知恵の泉”が弄ぶ。それが、彼女に課せられた命だった…。聖マルグリット学園に存在するもうひとつの塔ー時計塔で起きた密室殺人。それを追う久城一弥とヴィクトリカ。それは、かつてソヴュールに君臨した謎の錬金術師・リヴァイアサンと関係しているらしいのだが!?アブリルと久城、そしてヴィクトリカ。それぞれの想いが交錯し、徐々に学園に隠された謎が明らかになる…。歴史の裏に受け継がれる血塗られた運命とは?ゴシック・ミステリー第四弾。
哲学者を絶句させる漫画家と、漫画家とシンクロする哲学者が語りつくす人生のあれもこれも。人類をきっと救う、笑えるカタルシス対談&エッセイ集。巻末お楽しみQ&Aと、怪獣事典収録。
少女は白いドレスを着て、緑の絨毯の上で待っていた。草いきれすらも、心地よい。会えるのだから。二人しか、ここには居ないのだから。そう、陶製の人形のような少女ーヴィクトリカは、今日も彼が来るのを待っている。少年・久城一弥が、かけてくるのを。芽吹いた緑たちが。噴水からこぼれおちる水の青が。そしてそれらを照らす陽の赤が。すべての色が輝きを増し、光に包まれ、命が生きようとする季節ー夏。やがて訪れるであろう崩壊と、別離を前にした一瞬の平和ー刹那。二人だけの学園にて、一弥とヴィクトリカは同じ時を生きる。世界を語る。謎をー混沌のむこうにある心を知る。そして、お互いを思う。ひと夏の間に重ねられる、淡い逢瀬の物語。ゴシック・ミステリー短編集。
サンライズやCLAMPら、トップ・クリエイターたちが集結したピカレスクロマン・アニメ。ブリタニア帝国の属領となった日本。黒の皇子・ルルーシュと白の騎士・スザクが、それぞれの立場から国を変えるために立ち上がる。
松村鳩子は、30歳の誕生日を挟んで、ふたつの大災難に見舞われる。婚約者に逃げられ、勤め先が破綻。自分を高く売ることを考え、抜け目なく生きてきたのに。失業保険が切れる頃、変りものの妹・塔子を介し年下の男、午来と知り合う。そして、心ならずも自分の過去の男たちとつぎつぎに合う羽目に。さらに、新しい職場である図書館の同僚たちに探偵がつきまとい、鳩子の男関係を嗅ぎまわっている、らしい。果して依頼人は?目的はー。
伯母から古い一軒家を相続し、大家として3人の女性とハウスシェアを始めた蝶子。あれから10年が過ぎ、蝶子46歳、遠望子41歳、綾音36歳、真咲31歳となり、7年ぶりに当初のメンバー4人全員が顔をそろえることとなった。年齢も仕事も性格も、そして男性の好みもまったく違う女たち。それぞれの人生を懸命に生き、ホンネを言い合いながら、家族やパートナーとは違う、居心地のよい不思議な絆で結ばれていく。
インドを愛する!?引きこもり男の爆笑ツッコミ旅行記。
鬼姫と呼ばれ、世間から疎まれひっそりと生きてきた詞子は、雅遠と出会い恋に堕ち人知れず愛を育んできた。そんな詞子に、雅遠の両親と妹が住む左大臣邸へと、正式な招待が舞い込む。いよいよ雅遠との関係が、許されるのか?それとも二人は引き裂かれるのか?大人気シリーズ「桜嵐恋絵巻」最終巻!二人の恋が永遠となりますよう…。ドラマチックなラストは必見!感動のクライマックスです。
時は平安。安倍晴明の父が神祓衆と定めた、小野螢と昌浩の結婚。その約定を解消するため、昌浩は播磨の郷に行くことを決意する。白い髪に赤い双眸を持つ神祓衆の影を担う男、氷知の案内で郷へ向かうが、そこで明かされたのは、螢の凄絶な過去だった。一方都では人心を乱す黄泉からの風が吹き荒れ、呪詛が解けないまま、皇后定子の命の灯火が消えようとしていたー全ての事件が動き出す“篭目編”第四巻。
「これで、最後だから。たぶん、あと数日で、すべて終わる」復活後、姿を見せなかった相麻菫。しばらくぶりの彼女からケイへの連絡は、奇妙なものだった。一つ目は、春埼と一緒に交差点でゴミ拾いをしろというもの。一方、管理局対策室室長・浦地は“咲良田のリセット”-全能力の消滅を目論んでいた。彼は未来視能力を持つ二代目魔女・相麻に接触し…。初代魔女が名前を失う前、咲良田の「始まりの一年」が明らかに。最終章突入。