滅びた湘国の王族で、唯一生き残った月心は、煬大牙の計らいでめでたく元服し、伶人として朝に仕えることになった。典楽庁の他の伶人に湘の楽曲を伝授する役目を賜った月心だったが、楽生のうちの一人から度々いやがらせを受けるようになる。日々、傷心していく月心に、大牙は憂慮を抱いていたが…。表題作に、大牙が妃を探す最終話も加えた、切なくも甘い感動の歴史ロマン第三弾、待望のシリーズ完結篇。
さまざまな出会いや別れを経て、ようやく再会したデュアンとオルバ、そしてアニエス。再会を喜ぶ三人だったが、火の精霊使いとなったアニエスはひとつの使命を抱えていた。その使命とは、火の精霊の変調の原因を探ること。そのため、アニエスは火の精霊の生まれる場所、火の神殿へと赴くのに、同行してほしいと二人に求めたのだった。しかし火の神殿が近づくにつれ、火系モンスターたちが暴走していることが判明し…?緊迫の展開の結末は!?「烈火錯乱」完結編。
「四次元ポケット」「タケコプター」「どこでもドア」…、子供のころ、誰もが憧れたドラえもんの世界は、けっして“夢物語”ではない。理論的にはすでに多くの科学者によって証明され、あとは科学の進歩により、それを実現化させるのを待つばかりといっても過言ではないのだ。本書では、話題のサイエンス・ナビゲーター・桜井進が、相対性理論、四次元、宇宙など『ドラえもん』に描かれた驚きのサイエンス・ワールドを紹介するとともに、ドラえもんから見えてくる近未来の予想図、そして彼のメッセージに迫る。
フジテレビ系ハイクオリティ・アニメ『怪〜ayakashi』からスピンオフした、圧倒的な映像美を誇るクラシック・ホラー・アニメ。主人公“薬売りの男”が、日本古来のさまざまな妖怪の正体を暴いていく。
12歳未満の子供は人間として認めず、許可なく屋外をうろつく子供をまるで野犬やのら猫のように狩りたてて殺してしまう、戦慄の世界を描いた表題作「まだ人間じゃない」、異星人による奇妙な侵略をうける地球の物語「フヌールとの戦い」、人類存続のため努力しつづけるロボットの苦闘をスリリングに描く「最後の支配者」、広告戦争が極限にまで達した騒々しい未来社会を皮肉な筆致で活写する「CM地獄」など、8篇を収録。
男性は女性に比べて10年分保守的といわれる。女性はもう10年も前から、健康で若々しくいるために情報を収集し、知識を深め、生活の中で実践しているというのに、男性は肉体の最大関心事といわれる「性的能力」と「髪の毛」についてさえも、驚くほど曖昧な知識しか持ち合わせていないのが現状だ。本書は、30代後半以降の男性が、若々しく、健康で、自信をもって、はつらつと生きていくために必要な情報を、最新男性医学の知見に基づいて紹介していく。メタボリック、薄毛、生活習慣病から食事、睡眠にいたるまで、男の肉体と健康にかかわる最新知識満載。
三十歳まで女を抱いたことがない牧場の一人息子・秀一が、日本語を話せない中国の娘を嫁に迎え入れる表題作「恋肌」ほか五編を収録。がんじがらめの人間関係、息をひそめるように繰り返される男女の性愛。“新官能派”作家の傑作集。
真夏の母娘の光景を切り取った「空蝉」。初代将軍頼朝にまつわる因縁を描いた「されこうべ」。修禅寺物語に想を得た「双樹」。そして鶴岡の惨劇を軸に対を為す、殺される側実朝と殺す側である頼家の遺児公暁のそれぞれの生涯をたどった「黄蝶舞う」と「悲鬼の娘」。各々が独立した作品として成立していながら互いに複雑に絡み合い、やがて妖しくも美しき闇の世界を映した絵巻を織り上げていく。確かな筆致に支えられた異色の歴史連作集。