丹波の山奥に大工の倅として生れ、若くして京の植木屋に奉公、以来、四十八歳でその生涯を終えるまで、ひたむきに桜を愛し、桜を守り育てることに情熱を傾けつくした庭師弥吉。その真情と面目を、滅びゆく自然への深い哀惜の念とともに、なつかしく美しい言葉で綴り上げた感動の名作『櫻守』。他に、木造建築の伝統を守って誇り高く生きる老宮大工を描いた長編『凩』を併せ収める。
本書においては、「家畜繁殖学」を家畜化された哺乳動物および鳥を対象とする生殖に関する学理と応用を研究する学問分野としてとらえ、家畜生産の場における生殖生物学と畜産の視点に立った応用の基盤について平易に記述した。
この本は、微積分の解説書ではなく、微積分という、日常使いなれない新しい言語になれ親しませるための、いわば初学者向けの語学の入門書のようなものである。
人のからだを自動車にたとえ、筋肉をエンジンに擬することは、本書の主題である「パワーと効率」を単純化してとらえるのにまことに好都合である。このように筋肉をエンジンに対応させると、パワーはエンジンの“馬力”に、効率はいわゆる“燃費”に当たる。自動車の性能を語るのに馬力と燃費が無視できないのと同様に、パワーと効率を無視して運動体としての身体ないしその機能を語ることはできない。こうした観点に立つエネルギー論的アプローチが、ヒトの身体活動やその能力の理解にいくらかでも役立てば幸いである。