あの“バリバリ”と鳴る金管や、“どんがらでん”と轟音を立てる打楽器に代表される、旧ソ連時代のオケの強烈な音色は次第に影を潜めつつあるようだが、スヴェトラーノフはそんな風潮に背を向けてひたすら土俗的な世界を追求している指揮者の1人だ。スラットキンや尾高忠明みたいにセンチメンタルで甘酸っぱい映画音楽的ラフマニノフもいいけれど、彼が純然たるロシアの作曲家だったことを考えれば、意外とこうしたバクハツ的アッケラカン風演奏も不自然ではないのかも。インパクトの強さにかけてはピカイチ。