タロット占いの名手・二階堂日美子の友人・京子が、柳島ロミを連れて日美子を訪れた。ロミが信仰する〈日本精霊教〉教祖の戸田芳香が不吉な予言をしているというのだ。日美子の占いでも同じ結果が出てしまった。その数日後、ロミが失踪し、日美子は名古屋の精霊教本部に教祖を訪ねるが、何ら手がかりは得られなかった。が、ロミから京子に宛てて助けを求める手紙が…。タロット日美子シリーズ、書下し長篇。
横浜で看護婦をしている早苗の恋人が殺された!彼は「僕に万一のことがあったら〈万葉辞典〉を読め」と言い遺していた。早苗は入院中の大学教授・徳井に相談。人工透析を続けないと生きられない徳井は、命を賭してその謎に挑む。しかし、続いて第二、第三の殺人が起き、ついに魔手は早苗に迫る。著者得意の暗号ミステリー力作。
見知らぬ三人の男女が一緒に軽井沢でゴルフを楽しみ、その夜同じペンションに宿泊した。三人にはそれぞれ殺したいと思う相手がおり、三角交換殺人の計画が一夜のうちにまとまった。三角交換殺人に共通する謎を解明する二階堂警部とタロット名手の日美子夫人。長編ミステリー。
神奈川県警二階堂警部は、謎の電話の声に従い、横浜山手の〈異人館〉に赴くが、そこで、シャンデリアから吊りさげられた男の全裸死体を発見する。被害術の日記から、捜査線上に愛人のひとり村山ひかりが浮かぶが、ひかりは犯行時、二階堂の妻日美子とともに同窓生4人で横浜港に停泊中のQE2号に乗船していた。高まる疑惑を胸にひかりのもとを訪ねる日美子。だがそこにはひかりの死体が!日美子と二階堂が鉄壁のアリバイに挑戦。
日本近代建築史の研究者たちが、ある日街を歩いていて由緒ある西洋館や古い街並を発見した。その娯しみに病みつきとなった人々が「東京建築探偵団」をつくり、都内を徘徊し、古い建物、変った建物を探し、記録する作業をはじめた。本書はこの探偵団の主唱者による東京の建物にまつわる面白い話の発掘記である。楽しく読みすすむうちに、世界に例のない構造をもつ東京という都市空間が鮮やかに見えてくる。稀有な東京論・都市論の本でもある。
この本の中にオーセンティック、カジュアル、アミューズメント、ヨコハマ、ホテルという5つに分類した100のBARが収められている。
美味礼讃のすすめ。楽膳の国のおいしさ紹介。興味はあるけどよく分らない。不思議でエキゾチックな“薬膳”の国中国の食品オールガイド。
ユナイテッド・クラブの支配人が急死した。使われた武器はどうやら砒素らしい。年若き妻へ深まる疑惑。女家庭教師の謎の行動。そして「黒衣の女」の影が…。周りを日本人の海に取り囲まれた巨大な密室・横浜外人居留地で起った夫殺し事件。裁判は次々と意外な展開を見せてゆく。アーネスト・サトウやベルツ博士までも巻き込んだ夫殺し事件ー明治29年の横浜外人居留地を震撼させたこの英国領事裁判の模様を克明に再現して人間心理の暗黒に迫ったミステリー・ノンフィクション。
夜の川崎港に沈んだ車から歯科医師黒川の死体が発見された。単純な事故死と見えたが、妻の態度に疑問を抱いた神奈川県警特捜班の落合は、黒川歯科医院の帳簿に一千万円もの使途不明金を見出し極秘捜査に踏み切った。その矢先、医院の技工士、萩原が殺され、さらに、県警本部長宛に歯科大学新設に絡む疑惑を告発する怪文書が届く。その内容は、歯科医師界を牛耳る大物、神ノ瀬の贈収賄、強喝などの悪辣な手口を暴くものだった。徹底した包囲網で神ノ瀬を追い詰める特捜班は、彼の背後に見え隠れする謎の女に突き当たったが…。長篇ポリス・ノベル。
日本の住宅やその町並みは、それぞれの地域によって様々な特色をもち、気候、風土、伝統、産業などと人間とのコミュニティな町づくりが求められています。いま、木造住宅の伝統的な姿を失いつつあるなか、固有の調査を続けてきた著者が、このノウハウをまとめています。部品化木造住宅、地域型住宅、職人ネットワークの提案などの具体的な構想は、これから取り組もうとする設計者、また消費者にも、示唆を与え、設計事例・施工事例を付しビジュアルにまとめた本書は、実務者にとって大きな手助けとなるでしょう。